
教育が行き届き、勤勉、何にでも興味を示す。はるか昔、鉄砲売りでもうけようとしたのに、見よう見まねであっという間に大量生産できるまでの工夫、知恵がある。
しかも、ほとんど同一民族、さらに同一言語という、神さえバベル以降なくなってしまったと嘆いていた、奇跡的な存在の日本、日本人。
これを叩くには、綿密で長い計画が必要じゃたのじゃよ。
とにかく、まずこの国の教育レベルを下げ、勤勉さをなくさなけりゃならない。
かといって、そうそう手荒なこともできぬ。
で、まず始めたのが、村共同体質を崩壊させることじゃ。
焼け野原に、どんどん『文化住宅』という名の、小型爆弾を落としていった。
やがて、隣の部屋の人間がどこの誰かも分からんようになり、村共同体からなる国がバラバラになっていくだろうからの。
食い物にも地雷をまいた。
海鮮豊富で理想的な日本人食生活を変えていけば、やがては自分たち同様、肥満の病に苦しみ、国力をさげていくだろうからの。
ハンバーガーやらステーキやらが贅沢の目安と勘違いさせるようにしていったのじゃよ。
そして、頃合いを見計らって心臓にぐさり。
教育そのものを崩壊させていったのよ。
ゆとり教育とか、ろくに日本語も教えぬうちから英語教育とかな。
その英語にしろ、文法軽視のものへ強制転換よ。
まあ、アメリカの大統領より正しい英語が話せる猿は目障りという気持ちは、分からんでもないがの。
一番効力を発揮したのは、テレビというナパーム弾じゃろな。
夕げの会話の時間を消滅させたわい。
自国じゃ、相当規制があるハレンチ番組を『自由で進歩的』であるとして放映した。
バカなことをすればするほど人気があるような操作もしたのじゃ。
もちろん、これには文化的で個人の自由を尊重することを謳い文句にした、タレントや学者だけでなく、政治家も少なからず絡んでおったのじゃよ。
へっ?
ほう、ほう。
ふむ、ふむ。
うーん。
痛いところを突かれてしまったわい。
そうじゃの。
そうしたマスコミのおかげで、ジジイも若い頃は、ずいぶん楽しい思いもさせてもらったわい。
『世界マン友紀行』や『今日のなままな板』なんぞには、レギュラー出演しておったしな。
ふん?
なんじゃ、なにを笑っておる。
へっ?
よだれが垂れとるというのか。
バカなことを言うでない。年をとると口の締まりが悪くなるんじゃわい。昔を思い出して、妄想にふけるエロジジイとは違うぞな。
とにかくじゃ。
おみゃさんらのような、地理の知識もなく、英語は話せても基礎がない、パイ計算に3を代用するような、テレビのお笑いに釘付けとなり、エンターテイナーになることが夢だとか、一日中パソコンゲームにふけり、現実社会とバーチャルワールドの区別がつかないような日本人にする。
これが第三次世界大戦じゃわい。
その結果は・・・・・・。
そりゃ、おみゃさんらが、一番よく知っとるじゃろ。
おわり
★あとがき
今回の話は、少々生々しかったかも知れませね。
次回から始まる小説は、ガラリ色合いの違うものや、純文学風?のものに挑戦予定。
ご期待あれ。
追伸
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