第三次世界大戦 7 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

しま爺の平成夜話+野草生活日記

世間を少しばかり斜めから見てしまうしま爺さんの短編小説や随筆集などなど
★写真をクリックすると、解像度アップした画像になります。

さて、連中が一番驚いたことというのはな、教育じゃよ。


特に地理の知識には、吐き気をもよおすぐらいビックリした。

ええか、あちゃらの国ではな、隣町までどう行ったらええかはよう知っていても、自国がどんな形をしていて、どのへんに首都があるかなど、知らぬのが当たり前じゃ。

ところが、この国の猿連中は、ずっーと島国で門を閉ざしておったのに、自国どころか世界にもやたらと詳しい。


まだ、おかっぱ頭の田舎の子どもがすらすらと世界地図をかいて、この辺りが何ていう国で、こんなものが有名だっぺ、などというわけだ。

へたすると、自国の中学校の社会を教えている教師より世界に詳しい。
欧米じゃ、教師が社会勉強と称して子どもたちを映画館に連れていくことはあっても、黒板に世界地図を描いたりは、まずせなんだからの。

そんなことは、本を読めばいいし、だいたい普段の生活に関係のない知識は詰め込む必要もない、とも考えておるのかも知れんな。


いい例が、日本の新聞よ。

日本じゃ、片手にあまる程度新聞が、全国で読まれておる。大手数社の日刊新聞の購読部数を合わせたなら、日本全世帯数と同じかそれ以上になってしまうかも知れん。
最近は、紙じゃのうて、ウェブなぞを使っておるものが主流になりつつあるがの。


日本じゃ当たり前の、大手新聞社の全国津々浦々への浸透も、大きな驚きとともに、身震いするほどの脅威じゃった。
いざとなれば、新聞を使って全国民に、同じ情報を同時に流せるわけじゃからの。

この恐れは、しごく当然のことじゃろ。

おみゃあさんも知っとると思うが、第二次世界大戦の時は、情報統制に新聞をおおいに利用し、国民を管理するのに役立てたわいの。

国を動かすにはな、ただ熱いばかりじゃいかんのよ。
熱く国を語り、世界を論じるのは、議員さんら表舞台にたつタレント連中に任せときゃよろし。
しっかり裏で舵取りする輩は、氷より冷徹じゃないと務まらんじゃろな。

話が、またそれちまったが、日本の高い教育と、全国一斉に流すことができる情報網に、驚いたばかりでのうて、歯ぎしりするほどの嫉妬に似た怒りを覚えたんじゃろな。

情報が人々を、国を動かすことは、なにも今に始まったことじゃあない。

日本なら天照大御神、あちゃらの国なら、ノアの方舟時代から変わっとらんからの。

さて、それじゃ、こんなアジアばかりか、世界レベルでさえリーダー顔をとりたがってきた日本を、ずっーとだまらせるにはどうしたらよいだろうか。

知能が高く、好奇心旺盛、しかも経済力は、見た目上とはいえ、世界二位。

そう簡単には、潰せそうにない。



と、思えた。


が、
実は、簡単なところに、その答えがあった。




で、

いよいよ、本格的な戦争へと進んでいったわけじゃわい。


ここまで話せば、もう若いもん、おみゃあさんにも、第三次世界大戦が何かは、わかったじゃろ?




へっ?


まだ、さっぱりってか?

情けないないのう。

そういうアホ顔して、なんも知らんでおるおみゃさんらが、戦争に負けた証人じゃというのに、まだ気づいとらんのかのう。
はーあぁ。
全く、ため息しかでなんだぞ。