最近、肩こりが酷くて色々試してます
実家から、こんな器具もゲットしてきました
この上に、背中をつけて、体を上下にぐりぐりやっていきます。結構、気持ちよくて、血行が良くなってくる感じ(たぶん)。
たぶん、無いだろうと思って、特許庁データベース(J-PlatPat)で調べてみました。下記の文字列は、こちらの商標と思われる……うむ、何と読むのか???
「中山式」の後、なんて書いてあるのか、少々わかりません。そういう時は、J-PlatPatでは、“中山式?”(半角クエスチョンマークを語尾につける)といった感じで検索してみます。そうすると、「中山式○○」という商標が複数出てきたりします。
おぉ、なんと、ありました。結構有名なんでしょうか?存じませんでした。昭和31年に出願されています。古い出願のようですね。更新を何度も繰り返して、現在に至っているということは、大事にされている登録商標ですね。
正確な商標の文字列が「中山式快癒器」であることがわかりました。
今日は、これまでにちょっとない商品を開発して世の中に出す場合に、どんな商標にするか、という場面を想定して、ちょっと考えてみたいと思います。
「中山式快癒器」ってちょっとレトロな感じのネーミングですが、あんま効果又はマッサージ効果がありそう
この商品の機能がマッサージやあんま、といったものなので、「中山式あんま器」なんてネーミング(商標)にしてしまいそうですが、そうすると、他のあんま器やマッサージ器と識別化、差別化し難い。中山さんが考えたあんま器、といった程度の意味合いしか把握されないからです。
仮に「中山式あんま器」とネーミングした場合、それを商標出願した場合、登録性はどうなるでしょう? 以下のように考えると難しそうです。
(1)まず「中山」という部分は、一般に苗字と考えられますので、「中山」部分だけで出願した場合は、商標法3条1項4号の「ありふれた氏名又は名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当するとして拒絶される可能性が高いです。
(2)では、「式」を付けるとどうなるのでしょうか?
参考になるのは、登録商標「久保田式育児法(AKANON)」について異議申立てがなされたケースです。その異議申立てに対する「当審の判断」において、特許庁は「その構成中前半部の「久保田式育児法」の漢字で表された文字部分については、「久保田」からは、ありふれた姓氏の一つを、「式」からは、「やり方、作法」等の意味を、「育児法」からは、「乳幼児の育て方」の意味をそれぞれ容易に理解させることから、全体として「(ありふれた姓氏である)久保田という者による乳幼児の育て方」程の意味合いを想起させるものである」と判断し、それ自体は登録性はないと判断しています。
しかし、そもそも「くぼた式育児法」(こちら)というのがあるそうなのですが、周知性まで認められずとも、この育児法が一定程度広まれば、登録商標が欲しいところですね。
そこで“「くぼた式育児法」の文字列と図形からなる商標”が登録されています(詳細はこちら)。でも「くぼた式育児法」という文字列自体の登録を得るには、商標法3条2項を利用して登録する必要があり、周知性を獲得した旨の証拠を提出する必要があります。あのヤクルト容器についても、やっとのことで商標法3条2項による登録が認められたほどです。もちろん文字列と用途のある容器自体の登録のハードルはちょっと異なるのですが、それにしてもハードルが高すぎる!
そうすると、もちろん図形をつけて登録して、全体として認知させていく、というのも効果があると思います。
そのほかに、「育児法」ではなく、もうヒトヒネリしたネーミングを考える、というのも一案です。
さて、ワタシの肩凝りをほぐしてくれる冒頭のあんまり器具の話に戻しますが、そうすると、「快癒器」というのは、絶妙なネーミングだったかもしれません。
「快癒」自体は「病気や傷がすっかり治ること。全快。本復。「けがが快癒する」と言った意味合いがあるようです(goo辞書等)が、あんま器を「快癒器」と呼ぶことは一般的ではなさそうです。「あんま器」の別名として「快癒器」が一般に広まってしまうと、普通名称化したとして、商標権を持っていても事後的に権利行使できなくなってしまうリスクはありそうです。でも、商品自体がひろまり、「中山式快癒器」又は「快癒器」と言えば、この「あんま器」と認識されれば、そのようなリスクも低減されると思います。
最近では、ネットでいっきに皆が使い始めると、特に雑誌やWEB記事の中で又はタイトルで、商標的使用(識別力を発揮する使用)でなく文字列が用いられ、それが流行ると、瞬時に普通名称化してしまう世の中、なかなか、商標権者にとっては悩ましい時代です。
でも、冒頭の写真のように、この商品のカエルのようなユニークな形状と、実際の消費者・生活者が求める機能と、買いやすい値段と・・・と、そしてネーミング(商標)とが一体となって、市場における独自性、ポジションを獲得していくのでしょうね。
ちなみに、中山式快癒器のオンラインショップがあるようです(こちら)。すごい!! ちなみに、4球式は、実家の両親が持っています
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