事業者(BtoB事業者含む)は、自社の製品やビジネスを通して、
最終的に社会的な価値、顧客価値を提供することにより、
市場や顧客、社会に持続的に支持される必要がある。
かかる価値を生み出すために、知的財産に投資するといっても
過言ではなかろう。
かかる価値実現には、技術(発明)のみならず、
デザインやブランドその他の知的財産、また法的には
知的財産とは認められないものの有用な情報や知識を活用する必要がある。
社内におけるデザイナーの地位の向上+社外デザイナーの重要性も増す一方
デザインはいわばおもてなしマインドによって突き動かされる。
“デザインする”とは、相手のことを考えたり、
目の前にある問題を解決しようとする真摯な態度に支えられる。
ビジュアル的な表現やモノに具現化されるデザインは
プロダクトデザイン等と称されるデザインの一形態にすぎない。
なお、余談だが、高級ブランドに係るモノは、しばしば
身につける人間が相手(社会)に対して、
財力や地位の高さを顕示するために用いられる場合もある。
個人的にはこいう形の使用方法は面白くない。
いいとか、悪いとかではなくて、個人的にわくわくしない・・・。
ビジネスとしてはありと思うし、お金も儲かりそうだけど。。
ところで、組織をデザインする、という考え方について
「デザイン」という言葉を広げすぎなのではないか?
という疑問に対して、
只今読んでいる「知識デザイン企業」(紺野登著 日本経済新聞社)によれば
「創造性が組織のイノベーションと長期的な存続のために不可欠」であり、
「創造性への挑戦とは、企業が、いま起こりつつある経営の知の変革、
すなわちパラダイムの転換に、乗り遅れることなくいかにすみやかにしなやかに
身を処し、創造経営の時代にふさわしい組織に生まれ変われるかという、
生存をかけた闘いである。」という指摘がある。
特にグーグルについて「絶え間ない矢継ぎ早のサービスの導入にみられる、
組織的イノベーションである。」と指摘する。
こういうの読むと「組織をデザインする」って言葉のニュアンスはあり、かなと思う。
職務発明の問題も、モチベーションのデザインという観点から
考えられないかな・・。
知財コンサルティングなんていったときに、人の創造への
モチベーションコンサルってありだと思う。
どうやったら創造的な活動を支援できる環境をつくることが
できるか、創造へのモチベーション、諦めないマインドなどを
育成することができるか、といった
人事や組織のマネジメント全体の中の一つの問題として
考える必要がある。他の知識ワーカーとの調整をとることも必要だろう。
弁理士は、ナレッジワーカーとして、原則として、組織に
縛られない自由な精神を保てる立場が担保されている。
そのような立場から、依頼先企業に入り込み創造的な活動ができるはず
なのに、できない。 スキルとチャンスのなさが原因の模様。