大人が大人 ~ポルトガル少年サッカー育成現場から~ | ヨーロッパ少年サッカー育成事情~ポルトガルクラブに所属する息子の活動から~

ヨーロッパ少年サッカー育成事情~ポルトガルクラブに所属する息子の活動から~

2021年より、ポルトガルのクラブに入団し活動している11歳、8歳の息子たち。彼らの活動からヨーロッパの少年サッカーの現状と日本との違いなどなどを子どもたちの記録とともにお伝えしていきます!自身も日本でコーチとして活動していたので、気づくことが山ほどです。

 

  事件発生、その時保護者達は…

 

 

FIFAの規定により、しばらく試合から遠ざかっている子どもたち…。

 

そんな中、久々あったトレーニングマッチの試合中に事件が!

 

なにかというと、

 

 

まぁ、試合ではよくあることの一つですが

 

相手チームの子が勢いよくドリブルをしているところ

 

味方チームの子が粘り強いディフェンス。

 

すると、それを嫌がった相手チームの子が

 

ボールが自分から離れた瞬間、思わずディフェンスの子を両手で突き飛ばしてしまいました。

 

味方の子は眼鏡をかけていたのですが、

 

運悪く突き飛ばした子の手が目の周辺に当たったらしく、

 

眼鏡が吹っ飛んでしまい、そして当たり所の悪さで泣いてしまいました。

 

 

 

試合は、もちろん中断。

 

 

こんな時、コーチ、周りの大人たちは

 

どんな対応をするのかな?

 

普段から応援に熱心な保護者達なので、

 

ついつい熱くなってしまうのかな?

 

と、様子を見ていましたが、

 

結果としては、きわめて静かでした。

 

 

 

 

中断後、両チームのコーチが子どもたちのところへ行き、

 

倒された子を心配そうに介抱していました。

 

すると、思わず手を出してしまった子も

 

我に返り反省していたようで

 

泣いている子に必死に謝り心配していました。

 

 

そして、しばらくして突き飛ばされた子が立ち上がると、

 

そのあと起こったのは

 

周囲からの大きな拍手👏

 

 

事件が起きた瞬間は、お、大変だ!

 

と、思っていましたが、

 

この雰囲気に思わず感動してしまいました。

 

 

 

 

試合中なので、熱くなり、思わず行き過ぎた行動をとってしまう

もあると思います。

 

でも、そんな時でも、

 

その子たちの気持ちをしっかり理解し、

 

良かったところをしっかりとほめる

 

 

つまり、思わずカッとなってしまいそうな場面でも

 

周りは極めて冷静に状況を見つめ、

 

失敗を責めるのではなく、

 

次へ繋げることのできる態度を自然ととることが出来る。

 

大人が本当に大人だな

 

と感じた一幕でした。

 

 

ちなみに、手を出してしまった子は、

 

その後、少しだけコーチと話し再びプレーしました。

 

そして、試合が終わると

 

倒してしまったこのところへ行き、心配そうにするとともに

 

しっかりと謝罪と

 

そして握手を交わしていました。

 

 

熱いハートを持つことはとても大事です。

 

でも、そこで思わずとってしまった行動を咎めるのではなく、

 

その後の反省も含めて

 

しっかり見守り

 

そして、

 

最後の行動までを含めてしっかり認める。

 

 

簡単そうで、難しいことだと思います。

 

それをさらっと出来る、保護者達のこうした対応も

 

選手を育てる大事な要素の一つ

 

なのかもしれません。