こちらの教育では、怒りをドアなどものにぶつけるのはある程度容認する、というのを聞いたことがあります。
日本人の私には、最初はカルチャーショックだなぁと思いましたが、今では一理あるなと感じています。
日本人の私達は、感情を押し殺すことをどこか美徳とする文化で育ってきました。
でも感情を押し込めると、それはやがて屈折したエネルギーとなって私達の体や心を蝕みます。
感情は感じ切ってこそ昇華されるのであれば、ドアなどに怒りをぶつけて発散させるのは、押し込めることによる害よりも遥かによいような気もします。
うちの息子は、日本人でもあり、オーストラリア人でもあります。
ものごとによりどちらの面が色濃くでるかが変わります。
彼の怒りの感情の処理の仕方を見ていると、オーストラリア人だなぁ、男だなぁ、と思います。
彼の意にそぐわない出来事があって怒りが収まらないと、彼は自分の部屋に行き、ひとしきり何かを喚いたり、ベッドを叩いたりしてます。
そして数分後には、けろっとして笑いながら出てきます。
私も殆ど一つの嫌な感情や怒りを引きずらなくなりましたが、彼のその変わり身の早さは、尊敬の念すら覚えます。
子供はすごいなぁ、私も見習おうと思います。
そんな息子ですが、ある日こんなことがありました。
彼が赤ちゃんの弟の首に双眼鏡の紐を掛けて遊んでいるのを私が目撃しました。
自分の双眼鏡を弟にも貸してあげようという、優しい気持ちからしたことだとはわかりましたが、その紐が二重になっていて、下手をしたら首がしまってしまう危険があったため、私は慌てて少し強く注意しました。
数分後、部屋から怒ってドスドスと歩いている彼の足音が聞こえてきました。
いつもならほおっておくのですが、なんとなく母親の勘でしょうか?
気になって、部屋に行ってみました。
涙目で顔が怒っています。
怒られてヘソを曲げているのかなと思いながらも「どうしたの?何に対して怒っているの?」と私が聞くと、意外な答えが返ってきました。
「R(自分)に怒っているの…」
「どうして?」
「JJ(弟)の首に紐を掛けちゃったから…」
嗚呼…来てみて良かった、と心から思いました。
こんな重要な瞬間を見逃さなかったことに感謝しました。
わざとやったんじゃないから自分を責めなくてもよいことを話して聞かせたら、気持ちが落ち着いたようで、元気になりました。
こんなに小さい子でも自分を責める感情を持つんだなと驚きました。
私達大人も、何度不必要に自分を責め、刃を自分に向けて来たでしょうか?
間違っても自分を責めなくてもいい。
間違わない人なんていないから。
もう十分に自分を責めて来たなら、そんな自分を許してあげてくださいね。
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ありがとうございます。