今日は久しぶりに、子育ての話を。
うちの長男、現在4歳。
ティーンネイジャーに比べれば、またまだシンプルなのでしょうが、
自我が満開、自信満々に世の中は自分中心に回っていると思っていつつも、
まだまだお子様で、出来ないことも沢山あってフラストレーションもたまる。
おしゃべりも上手になってきている分、言い分も出てくる。
家庭以外の世界も広がり、色々な人間関係もできてくる。
結構難しいお年頃です。
私の子育ては結構いい加減で、育児書などもあまり読みませんが、
とても影響を受けた一冊があります。
それは本吉圓子著「あふれるまで愛をそそぐ」という本です。
この本吉氏は、「心の基地はおかあさん」がベストセラーとなった
平井信義氏の流れを組んだ方だ幼児教育方針を打ち出されている方
だと理解しています。
端的にいえば、幼児にとって甘えとは食事と同じ、
小さい子供の「小さな望み」に応えてあげると、
子供の心は満たされて、その子の良さが発揮される、という考え方です。
大抵の幼児期の問題(ぐずり、おねしょ、落ち着きのなさ等)は、
甘え不足(親が愛していても、それが伝わっていない場合も含む)が原因であるというのです。
極端に捉えると反発もでてくるようですが、
私はこの考え方を自分の心に留めておくことはとてもよいと感じました。
彼女の本の中のエピソードに、下の子が生まれてから甘え不足になり、
小学3年生で急に反抗的になり、脱毛し、
登校拒否になった子のお話がありました。
その時の本吉氏のアドバイスがこれでした。
「お母さん、それこそあふれるような愛情でかわいがってあげてください。今まで10年間ほおっておいたんですから、10年間分の愛情を取り戻させてあげるつもりで、俊介ちゃんがなにかほしいとか、行きたいとか行ったら、全部叶えてあげてください」
「体もお金もたっぷり使って満足感を与えてください。甘えたいのにずっと我慢を続け、それがたまりにたまって、こうなったのです。今まで10年分の愛情をかけてください。抱きしめてください。」
これに関しては、「そうなのかな?」
と疑問に感じない部分も無きにしも非ずでした。
でも、ここでいう、「欲しいものを与える」というのは、
モノ自体ではなく、欲しいものを探したりする姿に、
「親が自分のために一生懸命やってくれたということを子供が感じる」
ことが重要<なのだそうです。
ちょっとレベルが違いますが、
先日、この有効性を実感することがありました。
オーストラリアでは二月が新学期です。
息子も今年から幼稚園に入園しました。
こちらの幼稚園は週に2-3日しかありません。
日本と違い、保育園も毎日行っている子いうのは、本当に稀です。
だから、保育園と幼稚園を掛け持ちする子も少なくないです。
生後7ヶ月から週4で保育園に行っていた息子ですが、
この2月から幼稚園2日(7・5時間)、保育園3日(10時間)の掛け持ちになりました。
幸い幼稚園にはすぐ慣れてくれたようで、
保育園よりも気に入って楽しそうに通ってくれていますが、
やっぱり新しい環境、週5日の長時間保育、
疲れが出てきたのと、私と接する日も少なくなったこと、
もしかすると今お腹の中に赤ちゃんがいることも関係あるのか、
少し前にややダダコネが多くなり、朝の準備がなかなか進まず、
私も困ってしまって怒鳴ってしまったりすることが増えました。
そして、普段はいつもよく笑っている笑い上戸の子なのに、
だんだんしかめっ面、暴力的な態度をとることも増えました。
最初は、反抗期だなぁ~ぐらいに思っていたのですが、
「もしかすると疲れているのかな?」「なにか不安になっているのかな?」
と気になり出しました。
そんなある日、数日前にお友達の家にお泊まりに行っていた息子が
私と二人でご飯を食べていた時にポツリと言ったのです。
「ママ、O君が持っているようなパワーレンジャーのおもちゃが欲しいの。
今度のクリスマスにお願いしたい。」
我が家では、いただくお下がり以外は、
誕生日とクリスマスぐらいしかおもちゃを買い与えることをしていません。
その両方が12月なので、ずっと先の話なのです。
近くに祖父母もいないし、
私が戦闘もののオモチャが特に好きでもなかったので(自分が小さい時は、男の子に囲まれていたにで仮面ライダーやゴレンジャーにハマっていたのに勝手ですね…)
O君がもっているような男の子心をくすぐるような
戦隊もののおもちゃが圧倒的に少ないのです。
ほぼ1年先のクリスマスっていうのは、ちょっとかわいそうかなと思い、
息子がそんな風に衝動的ではなく、心に溜めてから 何かを欲しいということは珍しいので、
それはどんなオモチャなのか詳しく聞いてみました。
最近デジタルテレビのチューナーをいただくまで、
ほとんどテレビをみなかった(もといみれなかった)我が家は、
パワーレンジャーもあまり知らなかったので、検索してみました。
すると、なにやら日本の戦隊ものキャラがアメリカで総括され、
パワーレンジャーになった様子。
翌日、O君のお母さんに会う機会があったので、
O君が持っているのは、日本のものなのか、こちらのものなのか聞いてみました。
どうやら日本では恐竜ジャーというらしい。
そこで、ふと先日、現在母と別居している父が、初めてR(息子)にと、
おこずかいを母に置いて行ったという話を思い出しました。
「それで何を買ったらいい?」と聞かれて、
私は日本語のDVDをお願いしていたのですが、
まだ買っていなければ、変更できるかもと思いつきました。
私がやったことといえば、調べものをしてRが言っているものを探したこと、
スカイプでばーばにお願いしたこと、
そしてばーばが更にスカイプの向こうで調べ物をしてくれ、
息子の言っているおもちゃが判明し、
探してくれて手にはいることになったことです。
大した手間がかかったわけでもありませんし、
まだ現物が届いたわけでもありません。
それでもRは、皆が一生懸命自分が欲しいものを探してくれたことに、
喜びを感じているようでした。
そして、たまたまですが、数日間、彼が好きなメニューを続けて
夕食に作ってあげることができることが続きました。
それから、夫が週6日勤務し出し、私が妊娠してからなかなかできなかった、些細なこと…
例えば、大きな公園に行ってゆっくりスクーターの練習に付き合ってあげ、
できるようになった喜びを家族全員で分かち合うこと、などを週末にやることもできました。
そんな日々がたった1週間続いたら、息子がぐうっと落ち着きを取り戻し、
息子の顔からしかめっ面が消えて、
またいつもの笑顔とコロコロと笑い転げる彼が戻ってきたのです。
我が家の例は特に深刻な例ではありませんが、
「あ、彼に心が満たされたことで、新生活の戸惑いや不安が和らいだのかな?」
と思いました。
考えてみると、これって子供だけではないような気がしました。
例えば、自分が外で大変な状況にある時。
家族や友人が優しくしてくれ、自分の心に寄り添ってくれたことで
満たされて元気が出てきたことはありませんか?
会社で大変な案件に疲れている時に、自分の好物を作って待っててくれた妻に。
子供とのバトルで悩んでいる時に、労いの言葉をかけてくれ、マッサージしてくれた夫に。
日々の忙しさに疲労困憊した時に、ぎゅっと自分の手を握って「ママ大好き」といってくれた子供に。
愛が相手の心に響くかどうかは、
自分があげたい愛をあげたい時に押し付けるのではなく、
相手の心に寄り添って、欲しい部分を満たしてあげられるかどうかなのだなと
改めて感じました。
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