N e w  Y o r k B l o w -NYでもタコ焼きを焼く英国人へ- -245ページ目

巨匠の値打ち

また私の好きな人が、天に召された。
ロバート・ワイズ監督。
ロスのUCLA付属病院で亡くなった。
享年91。

ワイズ監督とはもう10年以上前に、
日本の映画祭でご一緒した事が有ったが、
こっちに来たのでそれっきりになった私。
随分前に会える機会に恵まれたが、
休な予定変更であっさりと流れたので、それっきりとなった。

『団塊の世代』と呼ばれる50代以上の人達には、
矢張りミュージカル映画で馴染みが有り、
その後の世代の人達には『サウンド・オブ・ミュージック』で、
エプロン姿のジュリー・アンドリュースの歌声を思い出す筈。
そしてスター・ウォーズに負けず劣らずの人気作、
『スター・トレック』も彼の作品の一つ。
そして『市民ケーン』の編集は、彼の手によるもの。

wise
ジュリー・アンドリュース(L)とワイズ(R)


私達ニューヨーカーにとっては、
ニューヨークが舞台の『ウェスト・サイド・ストーリー』が、
最も馴染み深い。
ブロードウェイ・ミュージカルとしても楽しめるこの作品は、
今でもブロードウェイでリバイバル上演される人気作。

今でも舞台となった地区では、
多くの観光客がデジカメをぶら下げて地図を見乍ら歩いている。
あの映画が有ったからこそ日本の若者は自分達の文化を持てると知り、
公開当時の若い人達(=団塊の世代)は西洋文化の華やかさを知り、
ジョージ・チャキリスの華麗なダンスとナタリー・ウッドの美しさは、
アメリカへの憧憬を集め、そこへ向かって一直線にさせた。

89年の『ルーフ・トップ』が劇場用映画としては最後の作品となったが、
彼の名を思い出さなくても、
ジュリー・アンドリュースの歌声や、
♪トゥ~ナ~イト、トゥナ~イト♪とマリアの歌声が聞こえてくれば、
私達はきっと彼の作品を思い出す。
ずっとずっと。

それが彼の仕事としての、一番の値打ちだ。




West Side Story (US版)
West Side Story (JP版)



The Sound of Music (US版)
The Sound of Music (JP版)