ようやく技術士第二次試験(電気電子部門)の合格体験記をまとめました。
このブログを立ち上げてから新たな合格体験記が増えるのは初めてです(^^)
まだまだ書きたいことがあるように思いますが、ひとまずアップします。
今後の受験者の方の参考になれば幸いです。
■合格年度
平成28年度
■受験回数
4回
■成績
【筆記試験】
H25年度 (必須)30/30 (選択1)B (選択2)B ※合計評価B
H26年度 (必須)16/30 (選択1)B (選択2)C ※合計評価B
H27年度 (必須)16/30 (選択1)* (選択2)*
H28年度 (必須)28/30 (選択1)B (選択2)A ※合計評価A
【口頭試験】
H28年度 (経歴)○ (倫理)○ (技術士制度)○
■使用した参考書
(1) 技術士(第一次・第二次)試験「電気電子部門」受験必修テキスト(福田遵、日刊工業新聞社)
(2) 独学・過去問で効率的に突破する!「技術士試験」勉強法(鳥居直也、同文館出版)
(3) 例題練習で身につく技術士第二次試験論文の書き方(福田遵、日刊工業新聞社)
(4) 技術士第二次試験 電気電子部門対策 解答例&練習問題(福田遵、日刊工業新聞社)
(5) 技術士第二次試験 電気電子部門 択一式問題150選(福田遵、日刊工業新聞社)
(6) 総合技術誌OHM(オーム社)
(7) 電気計算(電気書院)
(8) 過去問(日本技術士会HPよりダウンロード)
■筆記試験体験記
【平成25年度】
平成24年度に技術士第一次試験に合格し、その勢いで翌年の平成25年度に受験しました。
日本技術士会開催の一次試験合格祝賀会で技術士の方からいろいろな話を聞いたのもあって、気持ち的には絶対に合格するぞという強い気持ちを持っていました。
まずは論文の書き方からということで(3)を読みました。
そして具体的な論文の書き方を(4)で確認し、その後は過去問を調べてポイントを学んでいきました。
択一式問題は(5)のみでしか対策はしませんでした。
あとは(6)や(7)の雑誌をできるだけ読み知識を増やしていきました。
自分としてはかなり勉強したつもりで、試験終了後も一応の手応えはありましたが、結果は不合格。
このあとこの年度の論文を添削してもらってわかったのですが、技術の引き出しが少なすぎるのが敗因だったと思います。
【平成26年度】
基本的には前年度と同じ勉強内容です。
論文の書き方を学ぶために他の本も読んでみようと思い、(2)を読みました。
この本はAPECさん主催のSUKIYAKI塾での内容そのもので、合格するには何が必要がかよく分かる内容でした。
そして、合格するにはとにかく知識が必要だと思い、(6)や(7)の雑誌をさらに読み込みました。
また、この年はSUKIYAKI塾主催の出願対策講座も受けました。
今だからこそ言えるのですが、この試験では他の方に文書を読んでもらって添削を受けるというのが重要な要素になります。
何をアピールして書いていくのかがわかり、非常に参考になりました。
この年度はまさかの択一式問題での足切りでした。
前年度満点で、簡単と思って論文に重きを置いていたのですが、電気設備以外の分野で得点が伸び悩んでしまいました。
択一で落ちたのはショックでしたが、さらにショックだったのは課題解決の問題がC評価だったこと。
論文の書き方について、根本からやり直さなければならないと思ったのでした。
【平成27年度】
前年度のC評価からの挽回のため、この年はSUKIYAKI塾の筆記試験対策講座を受けました。
SUKIYAKI塾のやり方というと、何といっても骨子法です。
ボトルネックをはっきりさせて、なぜこのような解決策があるのか?なぜこの解決策を選んだのか?という形で進めていきます。
非常にシンプルでわかりやすい方法で、私にはやりやすい方法でした。
さらに、この年は自分でキーワード集を作りました。
電気設備に関係のあるキーワードを(1)などから調べ上げ、200以上のキーワードについて150字程度にまとめました。
これは論文を書くいい練習になりました。
そしてこのキーワードを上手く論文に入れることを考えて論文を書いていきました。
この年度も択一式で落とされてしまいました。
やはり電気設備分野以外の問題で苦戦してしまいました。
この年度から足切りに遭うと論文が採点されず、それなりに自信があった論文も評価されないままになるという悔しい結果に終わりました。
【平成28年度】
この年度は異動で結構忙しい部署に行ったというのがあり、なかなか十分な勉強ができませんでした。
勉強法としては前年度と同じやり方で、キーワード集をもう一度まとめて、何度も読み返していました。
この年度を振り返ると大きかったのは、業務の知識がそのまま論文での表現に役立ったということ。
これまでの技術者としての見方だけでなく、一般の方からの見方という要素が身に付いたと思います。
この年度の課題解決能力問題では、『太陽光発電を普及させるための課題を4つ書け』というのがあり、私は(1)太陽光発電の電力の品質、(2)系統連係保護、(3)FIT価格の下落、(4)建築基準法の大規模開発に当たるという4点を書きましたが、このうち(3)(4)についてはこれまでの頭では出てこなかった内容と思います。
この年度は択一式問題も切り抜け、ついに筆記試験に合格。
専門科目の論文はB評価だったのでギリギリだったと思いますが、対策を講じていた課題解決問題でA評価を取れたのが大きかったです。
一次試験祝賀会で『忙しい人ほど技術士試験に合格する』と聞いたことがありましたが、本当にそうかもしれないと思ったのでした。
■技術士第二次試験合格のポイント
技術士試験が他の資格試験と決定的に違うのは、正答が一つではないというところです。
また、1つの問題の中で広範囲な知識が求められ、さらにその知識の展開力が求めれます。
以下の3つを特に意識するべきかと思います。
(a) 広く深い知識を身に付ける。
技術士の試験問題というのは意外とシンプルです。
電気電子部門の電気設備では、再生可能エネルギー、省エネ、建物の耐震化、BCPなど、よく扱われるテーマが多いです。
これらについて、さまざまな角度から、またより深い知識を持って論文を書く必要があります。
対策としては、専門書で知識を増やすのはもちろん、雑誌や新聞から最新の動向を気にしておく必要があります。
(b) 広い視野を持つ。
(a)と似ていますが、専門知識ではない部分の内容にも注意を配る必要があるかと思います。
技術者としての視点だけでなく、利用者の視点というのを考えてみるべきでしょう。
(c) 課題解決能力問題では『なぜこの手段を選択したのか?』という明確な理由を持つ。
これについては、(2)の本に詳しく書いてあります。
現状→ボトルネックの抽出→改善方法の検討→改善方法による効果と課題という流れで考えていきます。
『なぜそうなるのか?』というのを考えるのが技術者として必須の事項でしょう。
■感想
この試験が他の資格試験と大きく異なるのは、『試験官の評価』が試験の結果に関係するというところです。
よい回答というのは内容的に合致していることは当然ですが、その視点、改善策の精度、さらには論文自体の体裁などすべてが評価の対象に含まれるということです。
独学で合格する方もいるとは思いますが、やはり何らかの形で添削を受けたり、他の方に論文を読んでもらうべきかと思います。
有料の講座もありますが、SUKIYAKI塾のように無料の講座もありますので、積極的に活用するべきかと思います。
努力した分がなかなか表面化されない試験だと思いますが、周りの方の意見を多く取り入れ、合格論文作成の技術を身につけていく勉強をするべきかと思います。
合格論文作成のために必要なことを十分意識して勉強すれば合格が見えてくるはずです。