その歴史を通じて、
多くの国々を侵略していくことになりますが、
神の国である彼らの侵略行為は、
全て正義であり、善でなければなりません。
彼らが侵略を正当化してきた logic については、
今までの blog で幾つか書いてきましたが、
今回はもう一つ、もっと根本的な、
侵略を正当化する考え方を書いてみたいと思います。
それは、「悪役の創造」です。
神の正義を盾に取る侵略者達は、
この この悪役創造の logic を、
実は、聖書の創世記の始めの方に記されている、
「失楽園物語」
から引き出したかも知れません。
ここは説明を要するところなので、
今回はこの件について、
順を追って考えてみたいと思います。
まず、創世記の第一章では、
神は全被造物を創造し、
その全てを良しとされた、と書いてあります。
ところが、第二章では、
また別の創造物語が展開され、
神は Eden の園を創り、
そこに Adam と Eve を住まわせた、
と書いてあります。
そして、その Eden の園の中央に、
唐突に、
「善悪知るの木」というものが出てきます。
その善悪知る木の実は、
見るに良く、食べるに良く、
賢くなるのにふさわしく見えたそうですが、
神は Adam と Eve に対し、
その木の実は取って食べてはならない、
と言われました。
しかし Adam と Eve は、
蛇にそそなかされ、神の戒めを守らず、
その木の実をとって食べます。
それが堕落となり、
地上に悪がはびこる原因になったと言われています。
以上の内容が、「失楽園物語」の内容ですが、
実を言うと、この物語の中には、
注意しなければならない点が幾つかあるのです。
その一つは、
この、聖書に書かれている善悪とは、
道徳的観点から見た善悪とは意味が違っている、
ということです。
神は、わざわざ Eden の園の中央に、
見るに良く、食べるに良く、
賢くなるに好ましい木を置いて、
その木の実を「食べるな」と言ったのですが、
そんな美味しそうな木の実を園の中央に置いた神はには一切落ち度は無く、
木の実を食べた Adam と Eve が一方的に悪いというのです。
この、人間堕落の後、神は、
幾つもの聖書の物語の中で、
数多くの人々を殺しますが、
殺した正義の神は常に善であり、
殺された人間が悪いのです。
神がなすことであれば、
何をなそうとそれは善であり、
問答無用で神には絶対服従で、
逆らってはいけないのです。
これが、聖書で言う「善」について、
知っておかなければならない一点です。
そしてもう一点、というか、実は、この、
創世記二章の「失楽園物語」に書かれている内容には、
決定的な問題点があるのです。
この点は更にに大事な内容だと思うので、
もう一度聖書の話を追っていきながら良く考えてみたいと思います。
ここでは、一切の解釈を抜きにして、
聖書に書かれている文字を追って、
この「失楽園」について考えてみましょう。
人間が堕落したのは、
善悪の木の実を取って食べたからだということですが、
この、善悪の木自体は、
当然、人間が堕落する前から有ったわけで、
そうでなければその木の実をとって食べることなどできません。
ここで、素朴な疑問が湧くのですが、
この「善悪の木」の「悪」とは、
どこから出てきたんでしょうか?
聖書によれば、この世界を創造したのは、
唯一なる神だと言われています。
神が唯一の創造主で、
善悪の木も神から創造されたというならば、
堕落以前に既に「悪」という概念は既に存在していて、
それを創造したものは、
他ならぬ「神自身」ということになってしまいます。
聖書の記述を文字通り受け取れば、
神は創造の段階で「悪」既にを創造していた、
という理屈にならざるをえないのです。
ということは、、
神自身が、悪をも創造した、ということになれば、
聖書の神は、自ら創造した「悪」との、
自作自演の戦いを展開してきたことになってしまうのです。
たしかに、正義という言葉は、
その対義語となる悪の存在を求めます。
例えば、
仮面ライダーにショッカーという悪役が出て来なければ、
ライダーは、
違法改造バイクを speed 違反で乗り回して時々器物破損をする一人暴走族野郎、
しかも変態コスプレおやじになってしまいます。
Spiderman とかも、日本語で言うなら「蜘蛛男」で、
変な格好してますが、悪役と戦うことの故に、
世間から脚光を浴びることができるのです。
悪役の出現は、
Hero が正義の味方として輝き、
賞賛を受ける為には為に欠かせない Item なのです。
聖書においては、神から選ばれた Israel 民族が、
正義の味方、善の側に立ちます。彼らは、
正義の戦いと称しながら何度も侵略戦争を繰り広げ、
悪役の立場に立った他民族は、
無惨に殺されてしまいます。
選民達の、自己都合による正義の戦いの故に、
何人もの人々が死んでいくのです。
「神と正義の国 America」は、この、
聖書に書かれた論法を、
非常に上手く、実体版として応用したようで、
今に至るまで、この国が起こした
「正義の戦い」
の故に、多くの人々が死んでいきました。
America という国は、
強大な軍事、経済面もさることながら、
自己を正当化する理論武装を固める点においても、
世界最高峰と言えるでしょう。
侵略を正当化する一流の logic。
「悪役の創造」
そして、この手法こそが、
America の日本侵略に際して、
非常に有効に活用された手段でした。
実は日本は、開国以来、
キリスト教を受入れず、
多神教の伝統を受け継いだ民族として、
悪役に仕立て上げる周到なお膳立てができた上で、
America 合衆国の演ずる
「正義の hero 物語」
の舞台に引き上げられてしまっていたのです。
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