小説 ♪絶唱♪ -35ページ目

小説 ♪絶唱♪

ドキメンタリ-風小説絶唱
epilogue《エピローグ》小説それから
第3部 こころ 75歳になった男が感じる天の役事
第2部 共鳴太鼓 未来を背負う若き世代の物語
第1部 やまぶきの花 戦後まもなく生まれた男が生きた昭和、平成、令和の物語。

  

前回のあらすじ

 3月25日午後東京地裁が文部科学省の主張を認め世界平和統一家庭連合(旧統一教会)解散を命じる決定をしたというニュースが入ってきた。

 「事実上の宗教弾圧だ」と非難するのは新興宗教団体「幸福の科学」。文部科学省の解散請求は信教の自由を侵害しているとし、「『民法上の不法行為』を理由に(解散命令の)適用範囲が不当に拡大される恐れがある」と危惧した。創価学会は解散請求への賛否について「回答は控える」とした上で、「信教の自由を厳守する観点から、宗教に対する公権力の行使は慎重であるべきだ」との考えを示した。

 同じ家庭連合の信者で十数年間拉致監禁され、偶然にも発見された後藤徹氏の実録告白文を読み切った。どこかもわからない施錠だらけのマンションの一室。親族からの突然の監禁が事件の発端だった。12年5ヶ月にわたる監禁から、餓死寸前での生還と、民事案件という不利な状況から全面勝訴を勝ち取った裁判の軌跡を明らかにする自伝。創藝社発行死闘監禁4535日からの生還 『死闘』後藤徹著(税込み1650円)だった。本田は3月25日の東京地方裁判所の文部科学省の主張を認め世界平和統一家庭連合(旧統一教会)解散を命じる決定をいたという裏側にもっと大きな事実が進行していたのを知った。『脱会屋』という存在があり、役割り分担もプロ並みに洗練された人たちがいたということを知った。弁護士もキリスト教の牧師も!!

 

 ちかくの公園の桜が満開を迎えた。今日は小さな子供たちの親が集まって桜を見ながら野外での食事会をするらしい。男性陣はそろって会社勤めで不参加らしい。

四月年度代わりとあって様々なようで多忙なようで数家庭しか参加できないらしい。

本田が同居している孫も野外で遊びながらしめるとあってウキウキしているのが

数日前からわかった。桜、桜吹雪・・・。子供でなくても大人でも心躍る一時でもある。灰色の冬景色のなか、葉っぱも無い小枝に蕾が膨ら一夜にして大木全体のピンクの花が朝日に輝い光る。遠くからみると木々がさんざめきわたっているような一瞬。

 職場の同僚との話題の一つにと思って本田は午後出勤のパート勤めの出勤時間を早めて遠回りして桜見物に出てみた。

 昨年まで続いていたサッカースタジアムの熱気は無かった。公園には春風が吹きふけていたが心地良かった。孫たちが何処にいるかと見渡したが余りにも広い駐車場と周辺に人の集団を見つけることは困難だった。駐車場の横の上り坂を歩いて上段の丘に登る。スタジアムの大きなライト設備の塔が見えるすぐ下に桜並木が目に入った。

 本田は子供連れには格好の場所だと思いながら歩いていった。階段を上がりきって右側に子供たち数人と母親たちが輪になって談笑していた。広場の土手の近くでラジコンカーを手に走り回っている女の子がみえた。

 幼児も本田を見つけたのか手を振ってきた。

 

 本田は悲しみの涙がレンズようになった先に見えた桜、喜びで滲み出た涙の先に見えた桜、さらに歯を食いしばって耐えている時に霞んだ目先に見えた桜・・・

 様々なことが思い出されたきた。

 

次回4月12日ころ