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キプロス議会は預金課税法案を否決!|蛙の目
>会談の結果や具体的な内容は明らかになっていないが、ロシアがすでに融資している25億ユーロ(約3000億円)の返済期限の延長や追加融資を話し合ったとみられる。
>キプロスでは銀行預金の約3分の1をロシアの法人や個人が占め、経済的な結びつきが強い。2011年末にはロシア政府から25億ユーロの支援融資を受けた。サリス財務相は21日のロシア側との会談で、16年に迎えるこの融資の返済期限の延長を求めたもようだ。
米・ウォールストリート・ジャーナルによると
>サリス財務相はさらに、ロシアから追加融資を受け取る見返りにロシア側にキプロスの国営ガス会社や銀行の株式を譲渡する新たな提案をした可能性がある。
>ロシア国営ガス会社ガスプロムの系列銀行も19日、キプロスの大陸棚のガス鉱区の開発権を得る見返りに金融支援をする可能性を示した。
ロシアン・マフィアやロシア新興財閥がロシアが資本主義化する過程でキプロスの銀行を舞台に蓄財とマネーロンダリングを繰り返してきたわけだが、リーマンショック以後、ロシアの新興財閥も苦境に陥った。そのときに国家(プーチン)に忠誠を誓った財閥だけが生き残った。プーチンは徹底した弾圧を行った。特に天然ガスの国有化を進めるためにガスを扱った新興財閥つぶしには容赦がなかた。
(参考)
ロシアの新興財閥 - Wikipedia
そう、プーチンの世界戦略の中のエネルギー政策が推し進められていたわけで、その中でキプロスの銀行がなんらかの役割を果たしていたのだろう。
今アメリカがすすめるシェールガス革命で世界のエネルギー問題の図式が変わろうとしているが、この時期にキプロスの金融危機が表面化したことには隠された意味があるに違いないと思う。
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(資料)
その頃のことはAFP BB NEWSでニュースをスクラップしていたのでリンクしておく。実は同じ頃イギリスで元KGB工作員でプーチンの政策(主にチェチェン問題について)に批判的であったリトビネンコが何者かに放射性物質を飲まされて殺害されるというセンセーショナルな事件も起こった。
ユコス問題 Snapshot
エネルギー問題 Snapshot
元スパイ殺害事件 Snapshot
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どこがキプロスを追い詰め、EUならびにアメリカ、ロシアなどの各国の思惑や利害がどのように絡んでいるのか複雑すぎてまだよく見えないが、追いかけていくと見えてくることがある。
今回も少し腰をすえてニュースを読んでいこうと思う。
それにしても肝心のキプロスの人々が置き去りにされて事態が進んでいることに危惧を覚える。
アイスランドで国民が選んだ道を思い出してほしい。といっても、このことがメディアで語られることがあまりに少ない。
Too Big to fail.
(大きすぎて潰せない)ということをリーマンショック後の金融危機の時によく耳にしたが、今回はToo Small to fail.ということもいわれている。
それはおかしな話で、国家として今までと違う道を歩みだす決意をすれば救いようはいくらでもある、小さいのだから。
私たちにとってもこれからの世界経済のあり方を考えるよい機会なのである。むしろToo Bigなところが根本から変革するのは難しいわけで、金融経済による世界支配の枠組みからの離脱が案外生き残る道かもしれない。
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【その他関連ニュース】
独連邦債下落、キプロス債務問題解決への期待で | ビジネスニュース | Reuters
キプロス議会は19日、国際支援を受ける条件である銀行預金課税法案を否決した。同国はロシアに新たな融資を求めた。
コラム:キプロスの預金課税が正しい理由 | コラム | Reuters
EUがこうした措置に踏み切ったのには、やむにやまれぬ事情が2つある。1つは、キプロスが1990年代にロシア人にとってのオフショア金融センターとして生まれ変わり、不透明なタックスヘイブン(租税回避地)の世界リストで上位に入っていたことが挙げられる。国際的な圧力が増す中、キプロスは2004年にEUに加盟するため、オフショア課税の枠組みを廃止したが、同国の銀行への疑念はぬぐえていない。
今回のEUの支援策を支持する第2の理由は、モラルの観点というより経済的な打撃といった観点だ。2008年当時のアイルランド人やスペイン人、ギリシャ人に尋ねてみればいい。1回限りの家計への非常に厳しい影響か、5年にわたる経済低迷のどちらがいいかと。はっきり答えられる人は少ないだろう。 こんな選択は誰もしたくないし、キプロス国民には選択肢が与えられているわけでもない。しかし、こうした短期型の厳しいショック療法には前例がある。アイスランドだ。 アイスランドでは2008年、銀行が経営破たんに陥り、オンライン口座にあった英国人やオランダ人の預金も消滅してしまった。アイルランドやギリシャとは違い、アイスランドは政府の資金を投入して銀行を救済する道を選ばなかった。


