高校生でいっぱいの鹿児島のスタバ

 

今年度に入って、2度目の関東入り。

 

というのも

 

いよいよ少子化の影響は大学の入学定員割れは4割の大学で常態化。募集停止に追い込まれるところや入学定員の削減に踏み切る大学が出てきている。

 

わが社は広報コンサルが仕事であるがどうしても募集広報寄りの仕事が増えてきており、鹿児島でのんびりしておられなくなった。

 

さて

 

そんな中で元気な大学を探して戦略を知るということも大切になって来ているが、最近のGoogle検索はAIで賢くなっており、ターゲットになっている高校生にどのようなWEB広告が配信されているかは見えずらくなっている。
 

その点SNSを使った広報は見えるので戦略を探るのに参考になる。

 

でもやはり情報の収集はリアルでも聞きするのが一番。

 

というわけで

 

今時点で気になる大学は以下の大学。どうして気になるかも書いておく。以前から注目している大学は上げていない。(機会を改めて書くことにする)

 

敬愛大学 情報マネジメント学部新設。これまで文系大学ながら数理・データサイエンス・AI 教育プログラム認定制度でリテラシーレベルと応用基礎レベルで認定されており、副専攻として「AI・データサイエンス」を置いている。

https://www.u-keiai.ac.jp/

 

北陸大学 文系の大学としてデータサイエンス教育に力を入れており、数理・データサイエンス・AI 教育プログラム認定制度ではリテラシーレベルで、特に優れたプログラムに与えられるプラスの認定を受けています。学生たちの活躍が著しいです。

こちらのxアカウントで活躍がわかります。

https://x.com/shintajiri

 

フェリス女学院大学 苦戦が続く女子大にあって、女子教育の老舗であるフェリス。4月からフェリス女学院中高の出身で女性史・ジェンダー研究が専門の小檜山ルイ学長が就任。これまでの3学部をグローバル教養学部1学部に統合して、女社会で活躍できる人材育成を目指しています。「ジェンダーとキャリア」「データサイエンス」「デザインと表現」の副専攻を設け、どの学科からでも履修できるようにしている。フェリスの強みである「音楽」や「英語」「キャリア」などがどの学科からもとれるようになっており、社会に出てから役立つリベラルアーツとして注目される。

https://www.ferris.ac.jp/

この大学は広報課のInstagramが元気だ。

https://www.instagram.com/ferrisuniv/

 

京都文教大学 森正美学長のもと、地域貢献活動、高大連携がかなり実績をあげている。今年度入試において通信制で学んでいる高校生を対象とした通信学習経験者推薦入試」を始める。

https://www.kbu.ac.jp/.../pdf/about/book/guide01.pdf...

こちらの大学はxを使ったSNS広報が元気。

https://x.com/KyotoBunkyoU_PR

 

東京都市大学 探究を通じた高大連携の動きが始まっているが、その中で注目せれるのが東京都市大学の探究学習イベント OPENMISSIONだ。

https://www.comm.tcu.ac.jp/nyushi/openmission/

 

 

さらにこれからどんどん調査をして、できれば取材してレポートしていく。

 

 

 

 

 

前回からの続きです。

 

 私立大学は規模によって大規模大学(収容定員8000名以上)、中規模大学(収容定員4000人以上8000人以下)、小規模大学(収容定員4000人未満)と3つに分けられますが、まずこの3層を境にして、それぞれのクラスターには大きな差があると思われます。そして、それぞれの境目で起こる小さな変化が、全体に大きな影響を与えます。

 

 複雑系の科学でいうところのバタフライ効果(>力学系の状態にわずかな変化を与えると、そのわずかな変化が無かった場合とは、その後の系の状態が大きく異なってしまうという現象。カオス理論で扱うカオス運動の予測困難性、初期値鋭敏性を意味する標語的、寓意的な表現である。)のようなことが起こります。

 

学生募集の場合、ファクターが多すぎて、一つの外部要因の変化や広告やイベントなどのキャンペーンの効果を測定することは、困難ですが、確かなことは、大規模大学の入試別獲得目標が変わるだけで、日本全体の入試の様相は変わってしまいます。

 

 最近では学生の都市圏への集中を避け、地方を活性化するためにとられた定員抑制政策が思い出されますが、果たして地域起こしということへの貢献があったのかはわかりませんが、ブロック内の小規模大学の定員割れ解消には一時的に貢献しました。その時に、次を見据えて大学改革を行うべきでしたが、どうもそれができた大学は少なかったようです。それよりも、大きな規模でコロナ禍がやってきましたので、学部によっては大きな痛手をおいました。それが、昨年、今年の定員割れ大学の増につながっているようです。といっても、皮肉なもので、地方大学ではコロナ禍の影響で他県への流出が減り、受験生が若干増加した大学もみられます。大学の分散化を進めたのは大都市圏大学の定員抑制策ではなく、自然災害であるということです。これはデータで実証する必要がありそうです。

 

・定員抑制策は学生の地方分散化と大規模大学の教育の質向上に貢献したか

・コロナ禍で地方分散が進んだか、オンライン教育は教育の質向上や教育方法の転換に寄与したか

 

受験業界で言われていることと目の前の自大学のミクロなデータの変化に違いが起こっていないかという視点で見ていき、仮説を立てること、それを検証することで受験生のニッチなニーズをつかみます。

 

年内入試の結果が出始めた今は大学関係者は自大学と自分の将来について関心が高い時期で、SNSでの本音の発信も垣間見えるます。しかし、言っているだけではだめで、まず動き出さなけれなりません。

 

学生募集を成功させるためには、TOPの意識改革と教職一体の組織改革がないとうまくいきません。出発点でをこれをやらないとほぼ失敗します。

 

小規模大学は、TOPが動けば小規模だけに小回りが利きます。改革のスピードも上げられます。危機の時代には案外有利なのです。

 

続く

 

 

 

参考

令和4年文部科学省大学規模別一覧

https://www.mext.go.jp/content/20230322-mxt_jyohoka01-100012481_21.pdf

 

 

 

 

昨日書いたことの続きです。

 

相転移について書きました。引き続き、そのアナロジーで考えてみます。

 

水の状態で例えると自由度が固体、液体、気体では違います。

 

このことからもう少し進んで考えてみます。

 

水の状態図

 

 

 

高校で習う物質の三態図です。固体相、液体相、気体相で水分子のふるまいは劇的に変わります。

 

水分子の構造

 

 

 

これと同じように、大学全体は、成り立ちや歴史、建学の目的などによって、独自の発展をしてきました。しかも大学誕生以来、数は増え続け、形態も多様化しています。志願者と受け入れの需給のバランスも大きく変化しました。

 

それを大学の属性あるいはペルソナごとにカテゴライズしてクラスター化できたとして、それぞれのクラスター間には、相とも呼べる状態の大きな違いがあるのではないかというのが、今回の私の発想の出発点です。

非階層的手法のイメージ図

ところが、大学の募集戦略を語るときに、この状態の違うクラスター(簡単には大規模大学と中規模大学そして小規模大学)を区別せずに語られることが多いのです。そしてボリュームゾーンである中規模大学が取っているマーケティング戦略があたかも小規模大学でもとるべき戦略のように語られます。もっと言うと、広告媒体社(教育情報会社とも言いますが)は、同じフォーマットの商品を売る方が楽に収益を上げられますから、小規模大学に個別に向き合ってくれません。

 

小規模大学の場合は、その小回りを生かした対面プロモーションに力を入れるべきです。きめ細かな訪問やイベントなどを行うのが有効です。その際、今ならCRM を取り入れたone to oneマーケティング手法がベスト、そしてこれが事務DXになりますので、構築には文科省の補助金が活用できます。

 

まだまだ小規模大学の募集戦略についてはやれることが残っています。小規模大学でうまくいっている事例を、徹底して研究すれば、勝ち筋が見えてくるはずです。

 

次は、勝ち筋について書いてみようと思います。