なにそのラブラブなんちゃらって。
いや、なんちゃらじゃなくて~。「ラブラブ!大須先生との
作戦名はどうでもいんですけどー。セッティングは七江に任せるから。私はシャッター押すだけね。それでいいなら、別にいいけど?
本当!?ありがとー!いつも頼んでばっかでごめんね。。
今度はコケんなよ!
あ、それ今言うー!?
じゃあ早く行こーよ。先生帰っちゃうかもしれないし。
え!?ちょ、ちょっと待って‼
なに?
まだ、、心の準備が。。
カメラ持ったー?
え?ねぇ、ちょっときいてよー。まだ心の準備がぁ
今忘れてたでしょ、カメラ。
そ、そんなことないよー。
(ばれてる…。)
体育館に近付けば近付く程、七江の心臓はこれでもかと言うほど激しく打ち付けてくる。痛いほど静まり返る誰もいない体育館に、その音だけが響いているようで七江は益々体を強張らせた。
先に用具室へ行き、バスケットボールを一つ拝借。~バスケットボールを添えて~の重要な役割を果たすこととなる一個。見映えの良いものを慎重に選び出す。
ついに体育教官室の前、なかなかノックできずにもじもじする七江は、背中を押してもらいようやく決意を固めた。
トントン
失礼しますっ。あれ?あのー
あら?大須先生?
あ、はい。。
向こうの職員室で書類作ってるんじゃないかしら。コピー機とかこっちにはないから。
あ、そうなんですね。ありがとうございました。失礼します。
七江イコール大須先生となっている事実に、一気に顔が真っ赤になってしまった。そんなに体育教官室に通ったのかと頭を巡らせてみたが、通い詰める自分の姿が止まらずにドンドン流れ出てくる。恥ずかしいけど、それは確かに七江を幸せにしてくれる素敵な思い出たちなのであった。
また つづく。