※※※本編の内容・ネタバレを含んでいます。ご注意ください。※※※


ジャックジャンヌ新人公演の感想はこちら 











みなさまこんばんは♪
満です!


冬公演『オー・ラマ・ハヴェンナ』。
欲望と快楽の街・ハヴェンナ。
この街で最も汚らわしい仕事、ヨモギ売りをするハヴェンナ色の女・チッチ。
バーの歌姫でありながらハヴェンナを嫌い、この街から出て行きたいと願う女・ルキオラ。
正反対のふたりは友達だった。
ヨモギ売りを嫌悪しているルキオラに、チッチは己の職業を打ち明けられない。
また、ルキオラは劇場スター・フギオーに恋しているが、彼はチッチの客でチッチを想っている。
友情の裏には、様々な秘密が。
いつ壊れてもおかしくない関係だが…。

 ルキオラを傷つけたくない、嫌われたくないために、チッチがヨモギ売りであるのを隠し、バレそうになって肝を冷やす様子は希佐ちゃんを彷彿とさせました。
ルキオラはフギオーを、フギオーはチッチを、ヨモギ売りの店のボーイのジレもチッチを好き。
一方、人気ホストのミゲルは軽薄なフリをしているけど本気でルキオラが好き。
『オー・ラマ・ハヴェンナ』は切ない五角関係の恋物語でもあります。
ハヴェンナは華やかな街だけど、その裏には影があり、大きな貧富の差もある。
出稼ぎでやって来る者もいれば、ルキオラのようにハヴェンナに嫌気が差して出て行きたいと思う者もいる。
チッチを愛していても、彼女を連れ出して逃げる財産を持たないジレは苦しむ。
チッチとルキオラの友人関係も危うさがあり、バラバラになる可能性もあった。
それでも、ふたりは互いを赦し合い、絆を強固なものにした。
他の者たちも、それぞれの望みから一歩踏み出していた。
どうしようもない現実でもがく登場人物たちの脆くて強い生き様が見えてくるようだった。
最後のチッチとルキオラのデュエット曲は名曲でした…!


◇立花希佐(CV/寺崎裕香)
冬公演ではアルジャンヌ、チッチ役。
ハヴェンナでヨモギ売りをするチッチは、ハヴェンナの外部出身者。
なぜハヴェンナへやって来たのか、ヨモギ売りをすることになったのか謎に包まれていた。
ラスト間近で"ただヨモギ売りをやってみたかった"という理由が分かって序盤の無垢な少女チッチが思い浮かんだけど、ルキオラと和解したあと再びヨモギ売りをやる姿を見ると…。
なんというのかな、良い意味でチッチの多面性が見えたというか、ちょっとダークさがプラスされて終幕したのが個人的に好きでした。

ところでチッチ役はアルジャンヌ。女性役です。
ここで全力で女を演じたら、自分が女であることがバレるかもしれない危機感が希佐ちゃんに付き纏います。
このハラハラ感はめっちゃ伝わってくるし、たしかにあまり女の子らしく振る舞ったらすぐバレちゃいそうな気がしました。
男性のみで構成されたユニヴェールに、希佐ちゃんは男性の振りをして入学した。
だけど、[舞台に賭ける想いだけは偽りたくない]と迷いや不安を振り切れたのがカッコよかった!
特に、同じ舞台に立つ仲間たちや舞台を見てくれるお客さんたちの気持ちを考え、自分の恐怖心ではなく他者の想いがトップにくるのが希佐ちゃんらしくて温かい子だと思う。


◇織巻寿々(CV/内田雄馬)
冬公演ではジャック、ジレ役。
ジレはヨモギ売りのポスタルチアで働く男で、チッチに想いを寄せています。
愛する人にヨモギ売りなんてさせたくない。しかし、地位も財産もない自分にジレンマを感じて複雑な心情を抱いている。
ヨモギ売りを辞めさせたいけど、チッチが働いている間は仕事仲間として共に過ごせることにささやかな喜びを感じもする。
一見相反する気持ちが心の中でぐるぐる渦巻いているところがいいなぁと思った。

でも、スズくんは自分と正反対の役を演じる難しさに直面し、ジレのような役は希佐ちゃんや創ちゃんの方が上手く演れると思って悩んでいました。
それでも最終的には、
[自分は自分にしかなれないから、自分にしかてきないことをやる。誰にも負けない武器を作る]
と、希望に満ちた結論を見つけ出す。
ホント良い言葉…!!
スズくんはザ・主人公、ザ・ヒーローだよ。
何があっても前に進んでいける人だと思う。


◇睦実介(CV/笠間淳)
冬公演ではジャック、神父役。
最も台詞が多いのが序盤・中盤は少しという、出番が少ない役をすることになったカイさん。
きっと根地先輩はカイさんをジャックエースではなく出番も減らすことで、カイさん自ら目立ちたい・輝きたいと奮起させたかったんたと思う。
秋公演があってから、フミさんは自由になり新たな表現をするようになった。
ジャックエース・カイとアルジャンヌ・フミのコンビが解消されたことで、カイさんは自分の役目が突然なくなったと気落ちしてしまう。
カイさんはまるで自分には人を引き立てる器以外に役目がないみたいに言うんだけど、カイさんは相当!相当!魅力的です!!
逆になぜ自己評価高くないのだろうと思うくらい。
でも、器の役目から解放され、白田先輩をはじめ仲間たちからの心からの激励を受けて、はじめて自分がやりたいことをやると動き出して良かったです。
序盤の観客を惹き込むムード満載の演技は素晴らしく、重要なラストシーンの締めくくりも担って新しいカイさんが見られました。


◇白田美ツ騎(CV/梶原岳人)
冬公演ではアルジャンヌ、ルキオラ役。
父親は大富豪でヨモギ売りの店ポンタルチアを経営しているが、いつも愛人のドミナを侍らせている。
捨てられた母親は亡くなり、ひとり残されたルキオラはひとりでバーで歌を歌って生きてきた苦労人。
父の愛人がヨモギ売りの女だったことから、ヨモギ売りを嫌っているし、ハヴェンナから逃避したいと思っている。
辛いことが多かったと思うのですが、ルキオラの歌は本当に綺麗で、ハヴェンナに来たばかりで心折れそうになっていたチッチの心を癒やし、ふたりは友達になった。
チッチといるときのルキオラは年頃の女の子らしくはしゃいで可愛らしかった!
ふたりで一緒にいるときが一番、ふたりが穏やかでいられたように思います。

フギオーがヨモギ売りの客で、そのヨモギ売りがチッチと分かったとき、必死で謝るチッチにルキオラは赦したい気持ちと赦せない気持ちで揺れ動いた。
ふたつの気持ちで揺れるていると語るルキオラは素直で正直で、でも赦したい気持ちの方が強いと伝わってきた。
もういちど思いの丈を打ち明けたチッチを包み込み、"嘘をつかせてしまった私を赦してくれる?"とチッチだけを罪人にしなかったルキオラの優しさがなんとも…心に染み入りました。
あなたが何者でも赦すとルキオラは語りかけますが、マイクに入らない小声で白田先輩も希佐ちゃんに"お前が何者だろうが赦すよ"と囁いてくれたシーンがもう…もう…、泣きそうになった。
てかこれって白田先輩、大体希佐ちゃんの正体察してるよね?
一人目攻略はちょうど白田先輩からいこうとしてるんだけど、ここからどうなってくのか気になるな。

そして冬公演では、もうじきユニヴェールを巣立っていく3年生たちに代わってクォーツを牽引する役目を、白田先輩は託されます。
人と距離をあけていた白田先輩は、偉大な3年生たちのようにはできないとプレッシャーを感じるも、それぞれ与えられた課題に悩み苦しむ仲間たちに激励の言葉をかけていく姿はもう既にリーダーの姿だったと思う。
冬公演を通して、白田先輩の成長物語も描かれていてこれにも感動した。
舞台上でも舞台裏でも感動させてくるジャックジャンヌなのであった。


◇世長創司郎(CV/佐藤元)
冬公演ではジャック、フギオー役。
前回結果を出した創ちゃんは、華やかな劇場スターで、チッチをハヴェンナから連れ出せる強者フギオーを演じた。
気品がありつつも色気があって、魅惑的なフギオーをそれはそれは素敵に表現していました。
創ちゃんカッコよすぎるのよ…!
絶対ファン増えただろうな〜!
役どころ的にフギオーはチッチと絡みが多く、特にヨモギ売りの場面はふたりが大接近。
チッチが後ろからフギオーに腕を絡めるところは、稽古中に創ちゃんが照れまくってなかなか稽古が進まない事態に。笑
意識しちゃって顔が赤くなったり台詞が覚束なくなる創ちゃんが可愛かったです。
もちろん本番はばっちり決めて、今回も個人賞獲れました。おめでとうっ!
それにしても、劇中のポンタルチアの部屋でのチッチとフギオーのスチルがものすっごく色っぽかった〜!


◇高科更文(CV/近藤孝行)
冬公演ではジャック、ミゲル役。
1年の頃からずーっとアルジャンヌ、女役だったフミさんがジャック役をやるというのは、意外だけどしっくりくるものもありました。
華々しい紅薔薇みたいな彼にはアルジャンヌが似合っていたけど、フミさんはとんでもなくカッコイイ男ですから!
ハヴェンナのホストクラブNo.1、ミゲルもとてもハマって輝いてました。
新境地を開いていくフミさんがイキイキしていて良かった。

ルキオラを本気で好きなのにチャラく振る舞ってしまい、からかっているだけだと思われているのが切ない。
チッチの秘密も知っていて、ふたりのために何度もフォローしてバレないよう気遣ってくれてすごく優しい人です。
ルキオラと結ばれるエンドも見てみたかったな。


◇根地黒門(CV/岸尾だいすけ)
冬公演ではジャンヌ、ドミナ役。
大富豪の愛人でポンタルチアの女将。
ルキオラから父親を奪い、人を見下した態度を取っている…という、いわゆる悪役のような立ち回りを前半まではしていました。
ルキオラに意地悪に接しますが、ルキオラの母親が死んだと聞いて本心から同情を垣間見せる。
実は、ドミナもかつてはルキオラと同じ境遇ー奪われる側だった。
どこかでルキオラに自分を重ね、ルキオラから奪った側なのに同情もしている。
結局、チッチをヨモギ売りから解放しようとフギオーが連れ出すのを目撃してもそのまま見逃してくれたし、意見の相違が露見した大富豪と真っ向勝負するし、自分の欲に忠実ではあるけど、奪われる側だった少女の頃は純粋だったんじゃないかと思いたくなる何かがあった。
善人とか悪人とか一言で片付く人間ではなく、矛盾しているのがドミナの魅力だと思う。
(ちなみにドミナの過去については稽古中、希佐ちゃんのアイデアにより役が深まった。希佐ちゃん天才。)

最終公演に向けて、各自バージョンアップするための課題を与えた根地先輩。
相変わらず革新的なことをやる彼だけど、今回はじめて根地先輩の過去がちらっと見えた気がした。
ルキオラがドミナに激怒するシーンで、根地先輩は圧倒されて台詞を飛ばしてしまう。
彼いわく、大事なことを忘れていた、そして思い出すこともあった、と。
ドミナがルキオラに自己投影きたように、おそらく根地先輩もルキオラに自己投影したのかもしれない。
だとしたら一体どんなしんどい過去を持ってるの根地先輩…。
これは個別√覚悟決めとかなきゃだ。




というわけで、冬公演も無事にクラス優勝、希佐ちゃんは個人賞金賞いけました!
このあと最終公演の配役発表で希佐ちゃんが主役に選ばれるのか、選ばれるとしたらどんな役なのか、ハラハラとワクワクが止まりません。
そしてなんといっても次回から、ついに個別√突入です!
最終公演と彼との恋、どんな展開が待ち受けているのか。
ところで希佐ちゃんの秘密って、まず白田先輩はなんとなく感付いてそうだし、フミさんもまるで秘密を知った上での発言をしてたし、根地先輩も大事に何かを見落としてる気がすると言ってたから、この三人は個別√ですんなり受け入れてくれそう。
スズくんは一番早く、希佐ちゃんが本物の女子っぽいと感じていたから、まさかほんとのほんとに女と知ったら驚きはするだろうけど良い線いってるよね。
創ちゃんは最初から秘密の共有者、個別√から夢も恋も実らせていく彼を見たいです。
カイさんは少し天然なところもあるから全く気づいていなかったりして…!?女と打ち明けたときのリアクションが一番楽しみです。




秋公演終了後から冬公演終了までのプレイ時間、約4時間38分



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