※※※本編の内容・ネタバレを含んでいます。ご注意ください。※※※


みなさまこんにちはふんわりウイング
満です(◍•ᴗ•◍)✧*。

蛟編に続けて、『華アワセ 姫空木編』の感想記事をupしていきたいと思いますまじかるクラウン
順調に華アワセに沼っています•̀.̫•́✧
よろしくお願いしますぽってり苺

⚠前回の蛟編のストーリーの内容にも触れている箇所があるので、未プレイの方はご注意ください











































































姫空木(CV/立花慎之介)
月光組を率いる五光のひとりで、華詠。

ドストエフスキーの罪と罰のエッセンスを少しばかり感じるような心に残るお話だった。

ちなみに蛟編の姫さんの感想はコチラ↓
 






前回の蛟編では、ヤンデレ&メンヘラ感のあった姫さん。
今回の姫空木編では、姫さんの過去がかなり詳しく描かれていました。
それがもうしんどみMAXで、これは彼がヤンデレたりメンヘラったりするのも分かる、そんな内容でした。

姫空木編だから、今回の姫さんはグッドエンドなのですが、
インパクト大すぎる蛟編 姫空木ルートも彷彿とさせるストーリーの流れが秀逸で、ちゃんとハッピーエンドになるけど、前回の姫さんのキャラも壊れてないというか、上手く保持されていて凄いなぁと感嘆しました。
具体的にいうと、姫さんのヤンデレみがグッドルートでもあったこと。
そして特筆すべきは、窓の外から覗く姫さん(字面がすごい)と窓の内側にいるみことちゃんのシーンが繰り返されるのですが、めちゃくちゃ幸せな使われ方をするんです。
姫さんは人の水(生命力のようなもの)を操れる超能力があり(だからみことちゃんをお人形化できたんだね)、人の魂を吸い取ってしまえる。
そんな姫さんは幼い頃、誤ってマツリカという女の子の魂を吸い取って身体に戻せず、結果マツリカちゃんは死亡。
しかし、マツリカちゃんの魂は現世に残り、姫さんに憎しみをぶつけ、元に戻るために代わりの器を見繕うよう、姫さんに命じていた。
…もうこの時点で重すぎるし、これは誰でも耐えられない、正気を保っていられないと思う。
マツリカちゃんにぴったりの器を手に入れるために、姫さんが月光組の水妹を誘い出して誘拐、マツリカちゃんの実姉・花神さんが殺害。
罪に罪を重ねて、姫さんは苦しんでいました。

みことちゃんは姫さんと出会ったばかりの頃、華園から自宅へ一時帰宅しますが、姫さんは一緒に彼女の家には入りませんでした。
みことちゃんは幼馴染の友人たちと食事をして楽しむのですが、友人が帰っていったあとで庭にいる姫さんに気づきます。
姫さんまたインパクトのあることしてる(良き)
…と自分は思いましたが、みことちゃんには彼が寂しそうに、救いを求めてこちらに向かって手を差し伸べているように見える。
助けなきゃ、助けたい。
そういうふうにみことちゃんは思ったみたいです。
家の中に入るよう言いますが、姫さんは決して入らなかった。
そこでみことちゃんは毛布を持ってきて一晩中、彼と一緒にいることを選びます。
ここではまだ姫さんの過去は明かされませんが、罪を抱えた者として、お姫様として生きる呪いに掛かっているからこそ、姫さんはみことちゃんの家に入らなかったんだろうなと思うと心が痛い。

周囲の人のアドバイスから、必ずしも、みことちゃんがお姫様でなくていい、プロポーズをする王子様になってもいいと言われるシーンは印象的です。
この、お姫様と王子様の対比は姫空木ルートでよく使われていますね。
姫さんにとってお姫様でいることは罰に近いのかなと思います。
マツリカちゃんを死なせてしまったことで男性として幸せになることを半ば諦めて、皆に嫌われないお姫様でいることを続けていたのかな。
生前、妹のマツリカちゃんに手を出してしまった花神さんがその後、男性として生きることをマツリカちゃんに求められて喉を潰されたことからも、本人が望んでいないのに異性として生きることは罰というイメージがします。

上記のアドバイスの話に戻りますと、本来、女の子がお姫様でなければならないことはないのですよね。
女の子がいわゆる王子様であってもいい。
その逆もまた同じだと思います。
そして、役割というのは、固定でなくてもいいと思う。
話の軸がズレるようだけれど、人は誰でも男性的なところも、女性的なところも持っているし、どちらでもあってどちらでもない、王子様でもお姫様でもない、ただ"姫空木さん"のことが好きでもっと彼を知りたいと思うみことちゃんに出会えたことは、姫さんにとって本当に幸せなことだね。

心の奥底では、姫さんを独り占めしたいという純粋で歪んだ想いを抱いていた月光組の水妹が、意識を取り戻したあと、自分のことよりも姫さんのことを思いやる水妹として亡くなっていく場面も心に残るものがありました。
どっちも本当で、どっちも純粋な気持ちだったと思う。
人は単純じゃないし、綺麗な部分だけでもドロッとした部分だけでもないし、それでも綺麗な面を見せることを選んだのは人の純粋さを垣間見た気がした。

人の罪を赦し、自分を赦す強さをみことちゃんと共に手に入れた姫さんはもう大丈夫だと思う。
最後の最後、庭にいる姫さんと家の中にいるみことちゃんが向かい合ってハッピーエンドになるところは、私の乙女ゲーム史の中で屈指の名シーンになりました。
姫空木ルート、深いお話でした。