さも当然のように、EUやドイツの主張がまかり通るのはどうにも納得いかない。なぜ、それほどまでギリシャが悪者にされなければならないのか理解に苦しむ。そもそも、リーマン・ショックに発する2008年前後の経済ショックは未だに立ち直っていないが、その根本原因は略奪的ローンと呼ばれたサブプライムローンにある。
サブプライムローンに関しては、アメリカが中心であるが・・・まあ、他にももっといろいろあったが・・・貧困層を標的にしたローン貸付である。しかも、中身はノンリコース・ローン、つまり債務不履行でも資産を手放せばそれでチャラになる。債務の棒引きに近い大技ができた。つまり、ものすごい高値づかみした物件であっても、物件を手放せばどんなに下落した物件であっても残債が出ない仕組みになっている。
そんな仕組みでさえ、さらにその損害を受けた金融機関が、量的質的緩和などを受けアメリカ政府による救済を受けて今のアメリカの好景気がある。
ギリシャはどうだろうか?そもそも、これほどまでの借金を一体誰によって押し付けられたのだろうか?
ギリシャ国民や政府は、ユーロ加入以前と以後でなにか変わったのだろうか?
まさに、国家的サブプライムローンの被害者となっているとしか思えない。しかも、その枠組を作り出した連中は全く姿が見えない。おそらくは、一般国民など全く知らないことだろう。
このままでは、略奪的ローンと呼ばれた国際的貸付が、ギリシャを骨髄までしゃぶり尽くすだろう。そんな事実を前にして、どうしてもEUやドイツの肩を持つ気にはなれない。
賛成しようが反対しようが、いずれ近いうちに破綻することは目に見えている。賛成すれば、預金流出。反対すれば現金不足によるデフレ・スパイラル。どちらにせよ、極めて厳しい未来しか予見できない。
というよりも、最近は、強きを助け弱きをくじくみたいな風潮があってすごく嫌な思いをすることが多い。弱き者たちもそれを助長していることがありいたたまれなくなる。