“GOAT” | Blackbyrd McKnight プログレッシブ・ファンク・ロック・ブログ

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伝説のギタリスト、ブラックバード・マックナイト。その一環した職人気質な音作りとは裏腹にお茶目なブラックバードの一面を、日本生まれの日本育ち、ミセス・マックナイトがご紹介します。

“GOAT”、直訳するとメーメーヤギさん。

 

とは言っても、我が家のブログに突然ヤギさんが登場するわけもなく、本日題材となるこの言葉”GOAT”、”Great Of All Time”の頭4文字をとったもので、その道で最高の人と言う意味で使われる。

 

先日引退発表したセリーナ・ウィリアムス。彼女の最後の試合となったUSオープンには、この”GOAT”のプラカードを持った人がたくさん押し掛けていた。

 

本当に、彼女が”GOAT”と呼ばれることに異論を唱える人はいないはず。残念ながらこの現実社会、まだまだ偏見はなくなっていないけれど、彼女は確実にテニスと言うスポーツを取り巻く環境を変えた。黒人の女の子たちはもちろんのこと、違う人種の女の子はもちろん、男の子たちも皆、彼女のようになりたいとラケットを握った。また自分自身はスポーツをしなくても、彼女の頑張る姿に励まされた人は多い。

 

もちろんテレビでだけど、彼女の最後の試合が観れて本当によかった。でも、ほら、あのフットボール界の”GOAT”、トム・ブレイディは、ワンシーズン休むこともなく、もうすでに復活しているし、リタイヤメント・フラウド・ドッグの異名を取る我らが”GOAT”、ジョージ・クリントンに至っては、引退すらしていない。この異名についてはこちら。

 

 

”GOAT”ともなると、そう簡単には引退できないんだよね、きっと。そう、セリーナだって未来の事は誰にもわからない、だから彼女はセリーナ・ウィリアムス。

 

セリーナが戦ったUSオープンのセンターコートの名称は、アーサー・アッシュ・スタジアム。アーサー・アッシュは、黒人テニス選手の先駆者と言われるプレーヤー。彼が子供の頃は、まだ人種差別が当たり前の時代、利用できるコートは黒人専用コートのみで、対戦相手も黒人だけ。公民権運動の高まりとともに、少しずつ垣根が取り払われていく州もあり、より幅広い活動のためセントルイスに転居、そこから彼の大会人生が始まり、四大大会でシングル優勝3回、ダブルス優勝1回という、素晴らしい成績を残した殿堂入り選手。

 

そんな偉大なミスター・アッシュが言った。

 

"Racism is not an excuse to not do the best you can. (人種差別は、君がベストを尽くさない言い訳にはならない)"

 

人間は弱い生き物だから、言い訳を探してしまう。人種差別だけでなく、よくある些細なことまでが、全てできないことの、もしくはやらないことの言い訳になる。あれがない、これがあったら、でも、そうじゃないんだよって、教えてくれる名言。

 

“GOAT”は一人ではない。“GOAT”はいつの時代にもいる。何もテレビや雑誌、大きなスタジアムの中で探さなくても、自分のすぐ側にいる人かもしれない。“GOAT”と呼ばれる人たちもみんな、彼らの“GOAT”がいて、憧れ、目標とし、努力を重ね、そして新たな“GOAT”が生まれる。

 

自分は、なんて素晴らしい時代に生きているんだろうと思う一戦だった。ありがとう、セリーナ。そしてゲーム終了後の、ちょっと遅くなった晩御飯はこちら。

 

 

エビのシシカバブ、レンズ豆ライスのカレーピラフ、アボカドとビーンズのサラダ、そしてラタトゥイユ。翌日の活力になってくれました。