昨日6月19日は、ジューンティーンスと呼ばれるアメリカ合衆国の祝日、昨年制定されたの。奴隷解放を祝う日として、以前から各地でイベントが開催され、P ファンクもよく演奏してたんですよ。
奴隷解放宣言と言えばリンカーン大統領を思い出す方が多いと思いますが、州によって対応はまちまち、テキサス州の奴隷に解放宣言が読み上げられたのは、リンカーンの宣言の2年以上後となる1865年の6月19日、これをもって全州が奴隷解放宣言を行ったと言うことで、テキサスのみならず全米各地でこの日をお祝いする動きが広がったみたいです。
お祝いといっても、当然ながら、賑やかにバカ騒ぎする日ではありません。アメリカはよくメルティングポットと呼ばれるけれど、このポット、まだまだ調理が始まったところ。日本で生活していた時、人権と言う言葉をしっかりと考える機会なんてあっただろうかと考える。今アメリカで、ブラックバードの隣でこの国を見ていると、あの頃自分にとっては空気のような存在だったものが、この国の一部の人間にとっては、命がけで戦わないと手にできないものだったんだと気づく。みんな、スィート・チャリオットを覚えてる?以前のブログでご紹介しました。
https://ameblo.jp/blackbyrdmcknight/entry-10548117155.html?frm=theme
スィート・チャリオットは来ない、どんなに夢みても。戦う、叩きのめされる、また立ち上がる、そして気づく、どんなに頑張ってもスィート・チャリオットは来ないんだって。もう、戻るとこなどないんだ。ブラックバードのご先祖様たちは腹を決めた。子供たちの未来のため、この国に住処を作ると。そんな強く、誇り高き先人のご尽力に思いを馳せ、自分の役割をもう一度見直す、それがジューンティーンス。
そうは言っても、どんな苦しい状況にあっても歌い、踊り、人生に希望を見出してきたご先祖様たちの血を受け継ぐブラザー・シスター達の事、もちろん楽しむことも忘れません。これぞPファンクの真髄ですからね。ロックダウン中の我が家は、ハリウッドボールで開催されたコンサートのテレビ中継を観ました。本日はそのお話を。
アース・ウィンド・アンド・ファイアー、チャカ・カーンなどの大物から、全米初全メンバーが黒人と言うシンフォニー・オーケストラ、我が家は聞いたことも無い若いアーティストまで、ラインナップは多彩です。
ショー開始前、チャンネルを合わせて晩ご飯を作っていると、ジャーナリスト2人が並々ならぬハイテンションで、あるパフォーマーの話をしています。ん、何か聞き覚えのある名前じゃないの?誰だっけ?とブラックバードに尋ねると、
BB :“ ポイズンだよ、ベイビー、ポイズン!”
おおおおおお、それだよ!すっかりジャーナリストたちと同じテンションになってしまっているMrs.、どうやら同年代のようです。この曲名を聞いただけで、もう、踊っちゃいます。
若いファンカティアたちは知ってるのかな?
どうもぱくぱくっぽいけど、ダンスが昔とあまり変わってなかったのに感心。当時、ダンスをやっていたMrs.、もう、そんな面影はどこにもないよ・・・。
このイベント、ちょっと不思議だったんだけど、どこか野外で写したオープニングアクトのパフォーマンスがスクリーンで流れた後、紹介されたトップバッターは、なんと、大御所中の大御所、チャカ・カーン。
“えええええええ!!!!チャカ?????”
と、驚く我が家。ブラックバードが言います。
BB : “これはチャカに失礼だろ。大レジェンドだぜ。でも、なんか、マイルス・デイビスみたいだなぁ。”
何々、マイルスがどうしたって? 尋ねるとこんな答えが。
BB : “僕がさぁ、ハービー・ハンコックのバンド(ザ・ヘッドハンターズ) にいた時、マイルスのツアーのオープニングアクトをやったんだよ。でさ、会場に着いたら、マイルスのトランペットが聴こえてくるんだ。彼、オープニングアクトより先に演っちゃってたんだよ。”
ローカルのショーでは、遅くなるとみんな帰っちゃうと言うことで、早いスロットで演奏したがるバンドが多いって聞くけど・・・。それにしてもオーディエンス、ちゃんと、開始時間に到着していたんでしょうか。
BB : “おかげでさ、あのツアー、マイルスの演奏いっぱい聴けたんだよ。”
早寝だったんですかね、マイルス・デイビス。
さて、話をコンサートに戻しましょう。みんなのお目当、ポイズンはもちろん、EW&F鉄壁の3点セット、ファンタジー〜レッツ・グルーブ〜セプテンバーで大ノリのハリウッド・ボウル。ま、この場合のみんなって、ご隠居集団のことなんですけれども、まぁ、いいじゃないですか、たまには昔の曲もね。お祝いなんですから。