マゴット・ブレイン50周年 | Blackbyrd McKnight プログレッシブ・ファンク・ロック・ブログ

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伝説のギタリスト、ブラックバード・マックナイト。その一環した職人気質な音作りとは裏腹にお茶目なブラックバードの一面を、日本生まれの日本育ち、ミセス・マックナイトがご紹介します。

って、皆さん、ご存知でした?と言うか、知らなかったの、我が家だけかもしれません。

 

先日、ブラックバードのフェイスブックにメール下さったジャーナリストのエリック君、通称NPR、National Public Radioの音楽部門を担当されている方で、今年NPRは50周年、そこで同じく50周年のマゴット・ブレインをテーマにした番組を作るので、ブラックバードにインタビューしたいとの事でした。

 

半世紀前にリリースされた曲だなんて、信じられないよ、マゴット・ブレイン。懐かしさとか、古き良き時代とかってノスタルジックな感情とは無縁、いつまで経っても一歩先を行く、なんとも不思議なバンド、それがファンカデリック。

 

 

ブラックバードの他には、もちろん御大ジョージ・クリントンと、リビング・カラーのバーノン・リードにお声掛けしているとか。面白いキャスティングです。放送は7月12日、楽しみですね。

 

エリック君、NPRの50周年をマゴット・ブレインに繋げるくらいですから、もちろん、Pファンクを聴いて育ったブラザーです。その彼が言いました。

 

E:“最初、ファンカデリックを聴いた時、黒人ギタリストが弾く黒人バンドがロックをやってるなんて、すごいことだと思ったんだ。”

 

50年と言うのは長いようで短く、短いようで長い年月です。ファンカティアの皆さんにとってはファンカデリックのあの音は、まさしくファンカデリック、黒人ギタリストが弾きまくる黒人バンドそのものなんですけれども、当時は色んな外野の声がありました。

 

E:“ブラック・ギタリストが白人みたいな演奏するなって言われなかった?”

 

こんな曲が存在するのも当たり前です。

 

 

 

Who says a funk band can't play rock?
Ok. We're gonna play some funk so loud.
We're gonna rock and roll the crowd.
Just watch them dance, watch them dance.

 

ファンクバンドがロックをやっちゃいけないなんて、誰が言ったんだ?

いいよ、俺たちがファンクを超大音量でやるからさ。

観衆をロックンロールするのさ。

見ろよ、みんなが踊るのを。そう、みんなが踊るのを。

 
Who says a funk band can't play rock?! / Funkadelic
<日本語訳:Mrs. McKnight>
 

子供の頃、真っ先にビートルズを聴き始めたブラックバード。周りのブラザー達から、相当、バカにされたみたいです。なんで白人の音楽なんて聴いてんだよってとこでしょう。

 

Black Lives Matterに関するブログでも度々出て来たように、人種差別が法律の名の下認められていた時代は、何百年も前の話ではありません。一部の人間が作り上げた差別の構図が、音楽と言う、万人を癒し、励まし、明日の活力を与えることの出来る、尊く、美しいものまで歪めてしまう。マゴット・ブレインが世に出た当時のアメリカが、エリックの発言から読み取れる。

 

笑いながら話す二人でしたが、その裏にはとても深く重いものがあり、マゴット・ブレインの50周年を迎えた今でさえ、まだ、その影が暗く長く伸びているのを否定できません。でも当時、ブラックバードをからかったブラザー達も、その内、ビートルズを聴き始めたように、音楽には人の心を動かす限りないパワーがある。やっぱりPファンクの永遠のテーマは本当だったんだ。音楽が世界を平和にする。道のりは長いけどね。

 

そんなことを考えさせてくれるインタビューでした。