ワシントン大行進 2020 | Blackbyrd McKnight プログレッシブ・ファンク・ロック・ブログ

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伝説のギタリスト、ブラックバード・マックナイト。その一環した職人気質な音作りとは裏腹にお茶目なブラックバードの一面を、日本生まれの日本育ち、ミセス・マックナイトがご紹介します。

ジョージ、行ったみたいです、ワシントン大行進。

 

 
先日、ジョン・ルイス下院議員について書いたブログの中でも少し触れましたが、ドクター・マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの有名なスピーチ、”I Have a Dream"から57年という年月が流れ、自由と平等を求める人達がまたワシントンDCに集まりました。
 
今年のワシントン大行進は大きなうねりの中、開催されました。日本でも報道されているので、ファンカティアの皆さんはすでにご存知のことと思いますが、ジョージ・フロイド氏の殺害に続いて、またウィスコンシン州でも、警官による発砲で黒人男性が重体となる事件がありました。
 
事件があったこの街からほど近くを本拠地とするプロ・バスケットボール、NBAのミルウォーキー・バックスがプレーオフ開始の時間になっても現れず、試合は中止、人種間の不平等に抗議してのボイコットと表明しました。翌日、同じくミルウォーキーを本拠地とする大リーグ・チーム、ミルウォーキー・ブリューワーズも試合をボイコット、ロサンゼルス・ドジャースやシアトル・マリナーズなども、それに続きました。NBAは予定されていたプレーオフの全試合を延期、一時は残り全てのゲームをボイコットすると表明するチームもありましたが、リーグと選手代表との話し合いの結果、選手達が希望する抗議活動が認められたようで、プレーオフの再開は決まりました。
 
今回のボイコット運動が始まったのは、以前のブログでもご紹介しましたが、4年前、プロ・フットボール、NFLのサンフランシスコ・フォーティーナイナーズのコリン・キャパニック選手が、警官による黒人への暴力に反対するため、国歌斉唱時に片膝をつく活動を始めた日でした。この4年の間に、アメリカは大きく変わったと感じます。キャパニック選手は国旗を侮辱していると大きな非難を浴び、NFLボイコットが起き、最終的に彼は契約を解除されました。それが、たった4年で、選手がボイコットする側になったのです。
 
しかもこのキャパニック選手の膝つきが大きな社会問題とまでなっていたあの頃、まるでそんな事はこの国で起きていないとでも思われるくらい蚊帳の外だった大リーグのチームが加わった。それよりも、衝撃的だったのは、大リーグ以上に膝つきとは無縁だった、プロ・ホッケーNHLのボイコット。ホッケーと言えば、白人ファンが大半を占めるスポーツです。大リーグのボイコットはあくまでも各チームの判断だったのに比べ、NHLはリーグがプレーオフを延期、すごい事だと思いました。少し前に、NASCARが南軍旗を禁止した件についてもご報告しましたが、時代が確実に変わろうとしているのを感じます。
 
今年はパンデミックの影響で、大リーグが毎年実施する4月15日の”ジャッキー・ロビンソン・デー”にゲームがありませんでした。人種の壁を破り、黒人初の大リーガーとして活躍したロビンソン選手の勇気と努力と人となりを称えるため、選手やコーチ陣が全てジャッキーの背番号42を背負う。MLBが設定した今年の”ジャッキー・ロビンソン・デー”は、8月28日、57年前、”I Have a Dream"とキング牧師が語った日です。
 
いつの時代も何かが変わる時、それは当事者だけで成し遂げるものでは無い。黒人の、女性の、同性愛者の、移民の、障害者の、マイノリティと呼ばれるグループの人権のため立ち上がり戦う人達の肌は様々で、言語も、宗教も、政党も関係ない。コリン・キャパニック選手の抗議活動の4周年、ジャッキー・ロビンソン・デー、そしてワシントン大行進、アメリカの夏は静かに終わろうとしているけれど、この大きなうねりは止まらない。