通変星の【偏官】は
ジャイアンみたいな星だ。
【偏官】は
【比肩】から数えて七番目で、
自分自身である【比肩】を
強烈に剋するところから
【七殺】の異名を持つ。
はて?
自分自身である【比肩】を強烈に剋する
とはどういう性質なのだろうか??
「剋する」というのは
「コントロールする」と
私はよく言い換える。
「自分自身を剋する」というのは
つまり、
「自分自身をコントロールする」ということ。
ひとりよがりにならないように、
わがままになりすぎないように、
我を張りすぎないように、
自分自身を律するのが
官星(偏官・正官)の働きだ。
官星(偏官・正官)は
財星(偏財・正財)から
生じる。
財星(偏財・正財)は
他者のことを指す。
自分自身の想いだけで
生きていくのではなく、
他者へ配慮を払うことが
官星の質となる。
他者への配慮、
もう少し踏み込んで考えると
他者のために動くということだ。
【偏官】は自分独りで
他者のために動く星だ。
自分の力だけで
他者を助けるということは
自分を維持しつつ、
その上、他者のために力を尽くすのだから
その力は強力でなければ
機能しない。
自分一人で
他者を助けることができるだけの
大きな力を持つ【偏官】は
ルールや制度などお構い無しに
(誰かのための)自分の正義を
貫くことができる。
ルールや制度は
集団、社会を維持する仕組みであると同時に
個人をいろいろな危険から
保護する仕組みでもある。
そのルールや制度よりも
困っている誰かを助けることを優先し、
危険も顧みず飛び込んでいくのは
「七殺」らしさだなと思う。
冒頭のジャイアンに戻る。
映画に出てくるジャイアンは
みんなが諦めるようなピンチ、
誰もが怯むような危機において、
絶対に諦めず、仲間を必ず助けに行く。
まさに【偏官】の
陽転(良いところが出ている状態)だ。
一方で、通常のテレビアニメでのジャイアンは
「俺のモノは、俺のモノ、
お前のモノも、俺のモノ」
力ずくで周りを従えるガキ大将だ。
自分だけでなく、
他者を助けることができるほどの
大きな力も
平和な日常では持て余されて
暴力的なガキ大将となるわけだ。
こっちは【偏官】の
陰転(悪いところが出ている状態)だ。
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