ハローワークに多いクレームとして、「求人票に書いてある条件と実際の労働条件があまりにも違う」というものがあります。
原則論からすると、労働契約というのは一般的に労働者の入社の意思表示と使用者の承諾という意思表示が合致した時に成立します。※
※民法623条
雇用は、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる。
単純モデル
会社の求人票→応募者 (申し込みの誘因)
応募者→応募 (入社の申込)
会社の内定通知書→応募者 (入社の承諾)※
※始期付・解雇権留保付労働契約と言われたりします。
という流れなのです。
ですので、求人票と実際の労働条件が違っていても直ちに違法とは言えません。
この場合、求人票というのは
「申し込みの誘因」
という扱いで申し込みではないのです。
ざっくりいうと、求人票というのは買い物をするときのウインドウショッピングの展示品くらいのイメージです。これがほしいといっても、実際に在庫があるかどうかはわからないし、店側が必ず売らなければならないものでもないのです。
とはいえ、実際に書類審査を通過し、筆記試験を通過し、面接試験を通過しと契約にたどり着くまでに長い期間をかけて行ってようやく労働条件を見てみると、全然求人票と違うではないかということになると、これまでかけてきた労力と時間のことを考えると、今は条件が違ってもいずれよくなるだろうと受け入れてしまうことが多いです。そして、またその求人票は次の犠牲者を生み出してしまいます。
これに歯止めをかけようと、ハローワークでは相談窓口を設けています。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/dl/jobhotline.pdf
一番早いのは最寄りのハローワークが労働局に駆け込むことです。
悪質な場合には、求人票の取り消し。今後登録を受け付けないという対応もしてくれるようです。
ともかく、求職者としては求人票を参考程度にしつつ、実際に選考過程で労働条件をしっかり確認しておくことが大事になってきます。
また、会社側はこのような批判をかわすため、賃金は「月18万円から30万円」というように幅を持たせた書き方をしているところがあります。
しかし、実際には下限の18万円であることが多いです。
このような運用をしていると労働者からはブラック企業認定をされます。誤解を与えないよう気を付けてもらいたいものです。
最近は労働者不足が深刻になってきています。いい条件の求人票を出しておいて求職者を集めようとする会社も出ないとは限りません。評判や信用をしっかりと見極めたうえで応募をしてもらいたいものです。