姉とザビエル | 強いことは優しいこと。

強いことは優しいこと。

2017年34歳で乳がんになった私の思うこと。
徒然なるままに。
日々変わるであろう私の気持ちと、変わらないで欲しい普通の毎日を。

なんか変なタイトルだけれども、姉はザビエルと一緒に表れた。

 

私は三姉妹の真ん中で、幼い頃は人見知りの甘えん坊で育ち、

大きくなってからは奔放に自由を謳歌して生きてきた。

昔からしっかりちゃっかりしてる姉と、

よく周りをみて空気を読む末っ子特有の穏やかな妹に囲まれて育った。

 

都内に住む私の家族は今回の手術の時もちろん駆けつけると言っていたが、

私がそれを遠慮した。

 

それは嫌だったからでは無くて、悲しい気持ちにさせたく無かったから。

母は自分の事よりもきっと辛かっただろうし、姉や妹にもそれぞれの生活がある。

 

わたしは私で今回の入院を静かに終わらせて、落ち着いた頃に会いたかったから。

 

だが姉は颯爽と表れた。

出張が多い姉らしい大分名産の『ざびえる』というお菓子と、卵の形の和菓子。

綺麗な花束、そしてハロウィンに因んだデビルのぬいぐるみと共に。

 

なんか色々チョイスがおかしい。

大阪旅行だからとヒョウ柄の靴下を履いたり、少年漫画のシュートのTシャツを着てキャンプに来たり・・・

昔からなにか変なモノが好きな姉らしいチョイスだけど・・・

全てがお茶無しでは喉に詰まるし・・・

デビルなんて病院で縁起悪すぎだし・・・

 

でもそんなお見舞いのボキャブラリーとは反対に神妙な顔で病室に来てくれた。

姉は昔から人の話を聞くのがとても上手で、話を汲み取りながらもしっかりと意見もくれ、

そして意思も尊重してくれる人だ。

そんな姉だから今回も私の気持ちをうまく引き出し、そして吐き出させてくれた。

 

都内から新幹線に乗り、駅からさらにバスで1時間も掛かる距離を1時間にも満たない滞在で帰って行った姉はカッコよかった。

 

お姉ちゃんの好きなアーティストを好きになって、

お姉ちゃんの持ってるモノが素敵に見えて真似したかった昔。


お姉ちゃんみたいに人の話を静かに聞けて、

お姉ちゃんみたいにユーモアに溢れる人。

 

そんな人になりたくても今更なれないかもしれないけど、変わらず大好きではいれる。

私の姉はかっこいい。

 

お姉ちゃん。

あまり容姿に頓着の無いお姉ちゃんに、

容姿ばかりを気にする私からのアドバイスです。

その日本人離れした長い手足とエキゾチックな顔をもっと活かして、北欧に婿探しに行こう(笑)

 

姉と妹には私と同じ不安な思いを抱いてほしくない。

いつか遺伝子の検査をとは考えている。

ひょうきんなのに臆病な妹の不安を少しでも減らせる様に。

とてもデリケートな事だと先生が教えてくれたけれど、

姉妹の心配と一緒に私の心の不安を拭えるかもしれないメリットもある。

 

たった3人の姉妹。

寝る間も惜しんで働いて、女で1つで立派に学校まで出してくれた母と、女4人で笑って泣いて貧乏しながら一生懸命生きてきた。

 

これからも笑って、怒って、喧嘩してまた笑うんだ。