あなたは、クルド人?日本人?それとも宇宙人??

 

アイデンティティの葛藤。そして、追い打ちをかけるように突然日常が奪われる。

 

受験を控えた十代の少女が、日本の中途半端な難民制度に翻弄されながら自分と向き合う。 

 

 

是枝裕和監督が率いる映像制作者集団「分福」の気鋭の新人監督・川和田恵真監督の 商業映画デビュー作。

 

ドキュメンタリーのようなフィクション、そして社会派と青春映画のハイブリッド!!

 

 

 



* 以下、ネタバレあり。

 

 

「お人形さんみたいね」「日本語上手よ」外国人に対する日本人のテンプレートな褒め言葉、職員の機会的な対応、仲間内でのドイツ人いじり... 

 

いかにも日本人的な対応、当人たちは全く悪気はないんだろうけど、客観的に描かれるとズバズバ刺さる。

 

 

在日クルド人の高校生・サーリャを演じたのは、5カ国のミックスルーツを持つ嵐莉菜

 

高崎映画祭授賞式で拝見したが、小顔でスタイル抜群のViVi専属モデル。「お人形さんみたいね」と発言したおばあちゃんを責めることは難しい。苦笑

 

西洋顔だけど、日本人。WBCで日本中のヒーローになった"たっちゃん"ことヌートバーみたいなパターンもあるが、いじめられたり、人気者になったり、

 

十代なんて、ただでさえ複雑なのに、、、日本人とクルド人の間で揺れ動く。

 

登校前に、アイロンで髪をストレートにする何気ないシーン。女子高生のただのオシャレか、それとも日本人の外見に少しでも近づけようとしているのか... 

 

 

数年日本で過ごして、難民申請不認定。実際にそんなことがあるなら、日本は真剣に考え直すべきだろう。

 

ただ、何でもかんでも受け入れる土壌は、今の日本に存在しない。世間体を気にして、他国にいい顔して、中途半端に受け入れることは、お互い不幸。

 

 

答えが見つからない問題。難しい。

 

 

 

 

 

 

-あらすじ-

 

クルド人の家族とともに生まれた地を離れ、幼い頃から埼玉で育った17歳のサーリャ(嵐莉菜)。 すこし前までは同世代の日本人と変わらない、ごく普通の高校生活を送っていた。

 

 しかし在留資格を失った今、バイトすることも、進学することも、埼玉を越え、 東京にいる少年・聡太(奥平大兼)に会うことさえできない。 

 

彼女が日本に居たいと望むことは“罪”なのだろうか?

 

 

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