アカデミー賞最有力!サンダンス映画祭最多4冠!話題の泣ける映画。
2014年製作のフランス映画『エール!』のリメイク。
ずっと支え合ってきた家族が互いに自立し、
それぞれの夢に向かって新たな一歩を踏み出す。
相手を思うこと、寄り添うことは、依存することとは違う。
112分あっという間。誰にでもおすすめできる音楽映画。
ここまでMarvin Gaye (マーヴィン・ゲイ) を推してくるのは予想外でした... 笑笑
タイトルの「CODA(コーダ)」は、「Children of Deaf Adults = “耳の聴こえない両親に育てられた子ども”」のこと。
音楽用語のコーダ (楽曲の終わりを表す音楽記号) とのダブルミーニング。
登場するろう者は、実際に耳が聞こえない俳優が演じており、その家族の人間味のあるキャラの強さが、この作品の魅力の一つ。
主人公ルビー (Emilia Jones/エミリア・ジョーンズ) の葛藤や不安。
「家族の犠牲になるんじゃねえ!」 と言った兄貴 (Daniel Durant/ダニエル・デュラント) の熱量と決意。聴者に負けたくないプライド。憎まれ口を叩きながらも妹を後押しする姿に愛を感じる。
母親 (Marlee Matlin/マーリー・マトリン) は、終始自分中心で、ルビーの人生考えてるのかなと、中盤はイライラさせられたけど、「ろう者であって欲しかった。」の本音の言葉を言わせるための嫌な役回りということで、一応納得。
父親 (Troy Kotsur/トロイ・コッツァー) が、ルビーに寄り添い、歌声を、才能を、本気を感じとろうするシーンは、ハイライトの一つ。ルビーの歌声のすばらしさをろう者が完全に理解することは、どうやったってできないんだけど、それでもなんとかしようとする父と、届けたい娘。ウルッときた。
性にオープンなこちらの家族。手話での下ネタは初体験。笑 下品だけど、ちょうど笑えるレベルで、なんかリアル。笑笑
合唱部顧問のV先生も巻き舌で、出オチかと思ったけど、重要ポジ。こちらもあくの強い素敵なキャラ。笑笑
黒音好きにとっては、音楽だけ切り取っても楽しめる。
Marvin Gaye (マーヴィン・ゲイ) とTammi Terrell (タミー・テレル) のソウルクラシック“You're All I Need to Get By”(1968) が、物語の中心。合唱部のメンバーで、これまたマーヴィン・ゲイの“Let's Get It On” (1973) だったり、The Isley Brothersの“It's Your Thing” (1969) をアカペラカヴァー。学生コーラスって感じで青春♪ ポップス歌唱であることは、ご承知置きを。
合唱部の発表会では、長い時間の無音演出に、耳が聞こえないことを追体験させられる。
ルビーのやりたいことを理解することが、どれだけ難しいことなのか痛感するし、その溝をどうにか埋めてやろうとする父に、やっぱりグッとくる。
理解し合うこと、支え合うことを改めて考えさせられるあったかくてやさしい傑作。鑑賞後感No.1‼︎
-あらすじ-
海の町でやさしい両親と兄と暮らす高校生のルビー。彼女は家族の中で1人だけ耳が聞こえる。
幼い頃から家族の耳となったルビーは家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。
新学期、合唱クラブに入部したルビーの歌の才能に気づいた顧問の先生は、都会の名門音楽大学の受験を強く勧める。が、 ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられずにいた...
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