千葉ともこさんの新刊、読んだ！
安史の乱を描くシリーズ3冊目ですね。面白かったです〜！
中国・唐。
楊貴妃に溺れて政治が疎かになった唐の玄宗皇帝の時代です。楊貴妃の親戚である楊国忠が権力を掌握して腐敗政治を行なったため国が傾き、安禄山・史思明が反乱を起こしたのが安史の乱です。その被害は甚大で、なんでも当時の唐の人口の三分の二が死亡したとか・・・？（本当かどうか知らないが）
『火輪の翼』のメイン人物は、安禄山の息子である安慶緒と、史思明の息子である史朝義です。世代交代しつつあるのね。
安禄山は洛陽を落として、新しい国家「燕」をつくり皇帝となります。（唐は一応、長安でまだ存続してる）でも重い病にかかり脳に毒が回って、今では暴君と化していました。その父を葬り二代目の燕皇帝となったのが安慶緒。
心優しき安慶緒は戦を終わらせようと奮闘するけれど、政敵に陥れられ「愚鈍」との噂を流される。
苦悩する安慶緒を力強い友情で支えているのが、親友の史朝義です。
が、史朝義の父であり反乱軍の英雄である史思明は息子と相いれず、史朝義を冷たく虐げる。
民を憂えて戦を厭う二人の若者たちの想いは届かず・・・
たくさんの人間関係がありますが、わりとわかりやすくて読みやすいです。
このシリーズにはいつも、凛々しいヒロインが出てくるんですよねー
今回のヒロインは、女力士である呉笑星でした。
女力士だから体が男並みにでっかくて、筋肉も逞しい。体術に優れているのですが、力士は人を殺す職業ではないので、今一つのところでトドメをさせずに墓穴を掘るんだなあ・・・
呉笑星は体はマッチョでも、性格は女性っぽくて可愛いと思いました。今回のヒロインは好感度高かったな。彼女の仲間であり一緒に行動する少年・福も、勇気ある好青年だったし。
戦争なので、惨たらしいシーンはそこかしこに出てきます。呉笑星も福も、あちこちケガしすぎだよ！！大丈夫なの・・・あんな大怪我から快癒するって生命力すごくないか？
ストーリーはとってもスピーディ。アクションシーンが多く、退屈させません
それにしても中国の戦って、いともアッサリと裏切って敵方につくよねえ。忠義とかないのかよ？！これでは誰を信用していいのかわかりませんな。この、敵味方がコロコロ変わって読者が疑心暗鬼になるのもこの話の醍醐味かもしれません。心臓に悪いけど
バッドエンドのような、一縷の望みがあるような・・・
でも、ハー面白かった！とため息がつけるような物語でした
会津中将の春限定酒、ちょっぴり酸味があってスッキリ爽やかで美味しい。