宮中は噂のたえない職場にて(二) | あだちたろうのパラノイアな本棚

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読書感想文、映画感想、日々のつぶやきなどなど。ジャンルにこだわりはありませんが、何故かスリルショックサスペンスが多め。

 

 

平安もののシリーズをいくつか読んでいます。何がどういう設定だったかたまに混乱してますが。

 

これは怪異系でした。読みながら思い出した。

女系でつなぐスピリチュアルな家系の生まれで、現在は梅壺の女御に仕える女房の梓子が遭遇する、お仕事&ファンタジーホラー小説です。

梓子は小さい頃から人に見えないモノが見えるので、そこらへんにいる幽霊にも普通に挨拶したりして気味悪がられており、だいぶ変人扱いされています。

梓子が活躍できるのは、変人が大好きな今上帝に気に入られているから。そして、乳母子にあたる多田兼明が、兄のような存在で、梓子をいつも見張っていてくれるから。(かなりウザい過保護さではあるけど)

 

そして、これまた全然恋が進展しないけど、怪異退治の相棒である右近少将・源光影が危ないところを助けてくれるから。

 

このシリーズもなかなか面白いですよお茶

 

この巻で怪異が出現するのは、淑景舎(桐壺)とか淑景北舎の辺りです。

そういえば梅壺とか桐壺とか、弘徽殿とか麗景殿とか局の名前がよく出てくるけど、どういう位置関係?と思っていたら図が載ってました。これは参考になるわ。

 

 

確か梨壺が、東宮さまがいらっしゃるところになるのよね。で、桐壺は東宮妃と仕える女房たちが暮らしているところ、と書いてあったような。

源氏物語に出てくる桐壺更衣とか桐壺帝ってこの桐壺のこと?こんな端っこが何故?

 

と、思考が脇道に逸れたりしながら読んでいましたが、確かに桐壺はこんな端っこなのでいかにも何か怪異が出そうです(勝手なイメージ)。

ちなみに桐壺という名前の由来は、桐の木が植えられているからなんですって。

 

このたびの怪異は、淑景北舎のあたりに”普段はない幻の階段”が現れ、酔っ払ってそこから転げ落ちた殿上人の烏帽子が脱げちゃって騒ぎになった、というのがことの発端です。

当時の男にとって、烏帽子の下の頭を人に見られるのは、裸体を見られるに匹敵するくらい恥ずかしいことなのでした。まあわからんでもないな、その感覚。

 

”幻の怪談”の先に幻の小径が現れますが、もしかして黄泉路に続く道かも?そして、幻の小径を悪用した犯人がエロイムエッサイム的なことをしたりして、一連のミステリー作品に仕上がっていました。最後まで面白く読みました。

 

 

またシリーズとして続くみたいです。

わたしはおせっかい兄貴であり、逞しい武士でもある多田兼明がお気に入りです。にやり

 

 

 

〜追記〜

 

大河ドラマ『光る君へ』見ました。

初回から結構ダークな展開になりましたねー

まあそれくらいのドラマ性がないとねー

 

藤原道兼はバイオレンス枠になったのかガーン

花山天皇がいかにも将来やらかしそうなクソ東宮で面白かった笑い