最近ちょっとブログ更新が滞りがちなのですけど、飽きたわけでもネタがないわけでもない。
ただ単に毎日長時間労働してるんです・・・
逃げたい。
この、違う世界に入り込んでしばし夢見心地で過ごすと言うのが読書の醍醐味なのに、それも時間的にできないとなると、だんだんストレスが溜まっていくよな〜〜
その中でもやっと読めた本。
前回『明治乙女物語』の登場人物にもなっていた会津の英雄・山川浩(大蔵)さんと弟の山川健次郎さんを深ーく掘り下げた本ですよ!
ドラマ『白虎隊』ではこんなシーンあり。
これは戊辰戦争時、持ち場の戦地から引き揚げてきて鶴ヶ城に入城する際、彼岸獅子のお囃子を連れて敵を欺いたエピソード。
このニヤリ顔・・・いい感じですな。
智謀の人でした。
相変わらず会津愛に溢れかえった中村彰彦さんの著書です。
この本は小説ではなくて(わたしは小説の方がどっぷり浸かれて好きなんだけど)各種史料に基づく歴史の考察として書かれていました。
めちゃめちゃ詳しいです。ヒーもうお腹いっぱい。。
弟の山川健次郎さんは、アメリカに留学して理学博士となり、東大・九大・京大の総長を務めた秀才。
戊辰戦争では、白虎隊だったんですね。
飯盛山で悲劇の自刃を遂げた白虎隊は白虎士中二番隊なので、健次郎さんの所属はそうじゃない方の白虎隊。
しかも年少だったので、ほんのちょっとだけ参戦したくらいだったらしい。
お二人の生い立ちから浮き沈みの激しい人生を経て、晩年になるまでの軌跡を丹念に書いてあるのですが。
総じて言うと、本当に頭の良い家系でした。
生まれつきIQが高いのかな?などと想像してましたが、育ち方にも理由があるんじゃないかなあ・・・
兄弟の母、「唐衣」さんが、
冬の夜などは兄弟や召使の男女を集めて、太閤記、信長記などの軍記物や水滸伝などの小説を毎晩二時間ずつ読んで聞かせてくれた
とありましたので、この幼少期の体験がその後の人生を豊かにしたんじゃないかと想像してます。
「召使」が入っているのがすごいですね。
今も、親が子に読み聞かせをするのが推奨されてますしね。
(すいませんわたしは自分の子供に読み聞かせなんてしなかったな・・・でも、昔から物語にドハマリしてトランス状態の親の姿を見ているせいか、娘たちもよく読んでますね)
でも、健次郎さんの秀才ぶりは常軌を逸しています。
東大総長とはそういうものか。
なんと彼、17歳になるまで九九ができなかったらしい。
というのは、家老の家系の男子たるもの、算盤やら何やらの計算なんてやらなったのですね。数学は町人がやるもので、武士がやるものではありませんでした。
それ以外の科目は、藩校日新館では超優等生だったのですが。
健次郎さんはアメリカ留学して、エール大学附属理学校を受験することにします。
受験科目は、算術・代数・幾何・三角関数・英語・地理・アメリカ史・ラテン語。
渡米後1年半でこれらを勉強して合格するんだから、怪物ではなかろうか。
(しかもラテン語はその存在すら初めて知ったらしい。そこから勉強して受かるものなの?)
妹の山川捨松さんもアメリカ留学していますし、実はもう一人の妹の山川操さんもロシアに留学してフランス語を身につけ(なぜロシアでフランス語なんだと思いましたが……)帰国後に宮内庁に入り昭憲皇太后にお仕えしました。
古武士みたいな会津藩にいながら、教育に関しては全く垣根なく、広い視野で考えていらしたみたいです。
このギャップがとても不思議。
戊辰戦争では薩長土肥に賊軍扱いされましたが、個人レベルでは、敵味方関係なく友情が結ばれていったのも心温まる話です。
例えば長州の前原一誠や、土佐の谷干城とか。
どちらも戊辰戦争敗戦後に山川家と深い絆が出来た人です。
こういうエピソードを知ると、戦争ってもしかして憎しみから起こるのではなくて、共同体とか民族とか国家とかの損得勘定に民衆が踊らされて起きるんかなあ・・・などと考えていました。
〜おまけ〜
藤子不二雄A先生の訃報が・・・
A先生の結構エグい漫画が好きでした。
(昔からダークな漫画をよく読んでたんだなぁ自分)