隠れショウコふぁんのブログ -24ページ目

夢追い人 17 <涙 そうそう>

  << 涙 そうそう >>


駅前の地下街を歩いていると  いつものように


ストリートミュージシャンの若者達が座り込んで 歌っている


こう言っては何だが・・・ 彼らの歌を聴いて


今まで 心を奪われたことが無い


大昔、少し音楽の道をカジって  耳だけは肥えてしまっている


ボクの心の琴線に触れる  ストリートミュージシャンに出会ってみたいと


常日頃から思っているのだが  なかなか出会えないものだ



ある日 終電の時刻が迫って  焦りながら地下街を歩いていると


初めて聴く 歌声が耳に入ってきた   その透き通った美しい歌声は


数年前  あなたとの時間が止まった時   まさに 死ぬほど聴いた


「涙 そうそう」 を 歌っていた   ギター1本で シンプルなアレンジながら


切々と歌う 彼女の 歌声は   あっというまにボクの心の琴線に響き渡り


急いでいたボクの足を  完全に止めてしまった


たぶん 沖縄から来たであろうことを  すぐに  想像出来てしまう


美しく  整った  彼女の顔立ちが   彼女の歌う 


 「涙 そうそう」 を  よりいっそう引き立たせていた


ボクが 今まで聴いた さまざまなミュージシャンたちの 「涙 そうそう」 の中で


彼女の歌ほど  ‘愁い‘ を感じたことは無い


フッと 我に返ったボクは 後ろ髪を引かれる思いで 急いでその場を後にした



何とか 間に合った終電電車の中で  流れる車窓を見ながら


ボクの心の中は  彼女の 「涙 そうそう」 が 何度も何度も繰り返され


ボクは  いつのまにか  涙を流していた・・・・


「恋しくて  恋しくて   君への思い  涙 そうそう


逢いたくて  逢いたくて  君への思い  涙 そうそう・・・」




夢追い人 16 <欲>

  << 欲 >>


昔   ある病気にかかって


人間の3大欲のひとつを  長期間


失っていた時期がある


それは  端から聞くと


気の毒の話で


特に  男として生きる上で


最大の楽しみを 失うことと等しいことだ


しかし  考えようによっては


この 欲 を  失うことによって


俗に言う   煩悩  を


捨て去り  悟りの境地に ほんの少し


近づけたかもしれないと思う



その後  数年たって


あなたと出逢い


心底枯れ果てていた   


愛という名の人間の心と共に


捨て去っていたはずの  煩悩という名の 欲が


同時に甦り  ボクを喜ばせると同時に苦しめ始めたのだった


愛とは


まさに  諸刃の剣であった


 



 



夢追い人 15 <香り>

  << 香り >>


よく通る 地下街に


最近出来たらしい  若い女性向けの店がある


店の前を 通るだけで


体のどこかが  溶けてしまいそうなくらい


甘い香りに  正直ボクは 


何なんだ この店は!!


と いつも イラッとしていた




ボクが勝手に思っていることで恐縮なのだが


ボクの心の友というべき女性がいる


彼女のブログで  じつは その店が


彼女が日ごろ好んで利用している店だったと


最近気が付いたのだ


今 大変な思いをしている 彼女に


ボクは何もしてあげることはできないが


彼女が好きらしい


その店を知ることだけでも


ボクの 彼女に対して せめてもの恩返しだと思い


甘い香りに戸惑いながらも  思い切って


ボクは 店内に突入した


ギャル風の 女性店員さんが


「彼女さんへの プレゼントですか?」


と聞いてきた


「そんなん  いねえよ」


ボクは心の中で つぶやきながらも


彼女のことが 一瞬 頭をよぎり


「どれが 一番人気があるんですか?」


と聞き返してしまい  店員さんのセールストークに火が着いて


一時間も付き合うことになってしまった・・・


 

そのお陰か  あれだけ嫌悪感を抱いていた


あの店を  少し


好きになったような気がする