どんな植物でも自然界では弱肉強食世界に~
園芸をしている人なら、この時期は色々と草本を脅かす害虫・・・・いや自然の天敵が多い事をご存じだと思います。
しかしそれは園芸で自宅に植えたり、畑に植える野菜・果物の苗などに限った事ではありません。そう自然界でも普通にある事ですが、目にしていない(気がつかない)だけです。
いわゆる雑草と呼ばれる草本類でも、害虫は沢山着きます。写真などは良い例です。
< Vicia sativa subsp. nigra >
マメ科ソラマメ属の、「カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)」(Vicia sativa subsp. nigra)の伸びかけの芽、しかも一番先の柔らかい枝部分に多量に集合したアブラムシ。
このアブラムシ(上科)は、有性生殖の中でも単為生殖する昆虫ですから、雌だけでかなりの数を増殖します。そして植物の繊維束に口針を刺して液を吸い取る。その為に写真の様に一カ所に集中して集まって吸われると、植物としてはその先の伸びが悪く、成長しません。場合によっては枯れる事もあります。
元々このアブラムシの一匹自体は脆弱な昆虫であり、他の昆虫類に補食されやすい傾向もあり、こうして集団でいる事が多いのかも知れません。また蟻などと共生し身の安全を守る習性のある種もいます。
しかし家で植えている植物がこんな姿になったら、一気に薬を播いてやるのですがぁ~。
さて因みにこのカラスノエンドウは花が咲いた後にサヤエンドウの様な小さな若き豆果が出来ます。それは食用になるので、この時期沢山採り集めれば十分に食べ応えがあり、茹でて塩やマヨネ-ズで食べると美味しいです。
また黒い種子も煎って食べられますが、米粒の半分以下ですから集めて食べるには少々苦労します。鳥にとっては良き餌になりますし、秋にかけてはこぼれた種子を小鳥が啄みに来ます。そんな姿をよく見かけます。
さて自然界でもアブラムシはどんな植物にでもこうして集まり、弱肉強食の第一歩がここから始まるのです・・・・。
りんごいちご
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