練習後に体育館の出入り口の鍵を掛け、車を置いてある駐車場に向うほんの数分。
チームの子と肩を並べながら雑談を交わしたり、その日の練習内容に関しての質問に答えながら歩きます。
先日も昨年の夏に入部したばかりのTちゃんと話をしながら、歩いてました。
「ゆみさん、なんだかどんどんアタシバレーが下手になってきてる気がするー」
Tちゃんは昨年の入部以来、間違いなく18人いるメンバーの中で1番の出席率を誇ります。
高校生の頃に部活でバレーを経験して以来、15年以上のブランクのあった彼女ですが、元来の素直で勝気な性格と運動神経の良さも手伝ってこの半年程で見違えるほどに上達してきています。
そんなTちゃんが真剣な表情で言います。
「前は(入部したばかりの頃は)ただ楽しかったけど、最近は何をやっても上手く出来ない。悔しくて仕方がない」
黙って彼女の話を聞きながら、内心、私は『やた♪』とニマニマ(`∀´)
実はここ何回かの練習は参加人数も少なく、監督・コーチが休みが続いた為通常のメニューはせずに参加したメンバーの以前から気なっていた悪い癖の修正を私が指導しています。
Tちゃんと共に同じ悪い癖を指摘した経験の長い、ちーむ最年長のYは1度目に何故それが悪いのか、修正するべきなのかという理屈の方をTちゃんと一緒に説明し指摘したことを、2度目の練習時には自分なりに解釈し自分自身の悪い動きの理由を分析してきています。
Tちゃんの方はまだまだ自分に余裕がなく、言われたことを言われた通りにしようとするだけで精一杯。
アップの対人パスの時点から、私に注意されたことを一生懸命実行しようとしています。が、なかなか思い通りには出来ない。
そんな練習が何度か続き、勝気なTちゃんにとってただ楽しかった練習が、『ただ楽しい』ものではなくなった。
その証に『悔しい』という感情が生まれてきたことに私は喜びました。
『全然上達出来てない』
Tちゃんが顔をしかめて呟き、私の顔をみつめます。
『上手くなってるよ!Tちゃんはね、ちゃーんと上達してるの。だから私も監督もあれこれTちゃんに要求するのよ?』
私の言葉に意外そうなTちゃん。
念のため書きますが、普段から私はメンバーのプレーに関して注意もしますが、出来るだけ誉めることもしています。
『前は(入部当初は)出来ていなくても、とりあえずボールに触ったとか上げられたというレベルでこっちも(指導側)細かい指導はしなかったけど、今のTちゃんは出来なかったことがドンドン出来るようになってるの。
だから、指導も細かく具体的にするし、何より自分で考えることを要求してるでしょ?
これはね、上達してなきゃ出来ないの。
大丈夫、Tちゃんは上手くなってるよ!自信を持ちなさい』
Tちゃんは私の言葉にちょっと安心したように笑顔に。
言われたことだけをしていれば良かった状態から、少しづつ欠点や自分のミスを自分で考え、自分で修正する。という指導を私自身が目指しています。
初心者やそれに近い経験しか持たない選手にはこれってかなり難しいことを要求しています、我ながら。
長い経験を持つ選手でさえ、自分で考える習慣のない人にとってもかなり厳しいものかも知れません。
でも、この1年すこーしづつ伝え、指導してきた中で僅かずつではありますが、1人1人のプレーに私の言葉がピタっと嵌り込んできたときの気持ちよさ。
またそれを実感した本人達が『ユミさん、出来た(判った)!!』と表情を輝かせる回数をどうやって増やしていくのかを考え学んでいくのかが私の役目であり、楽しみです。
・・・・・・・って、自分が一番勉強&修行を要するんですけどねヽ(;´Д`)ノ
なんつったて口先番長ですから!?