クルンテープの裏庭で 6 | クルンテープの裏庭で 2

クルンテープの裏庭で 2

バンコクやパタヤの裏庭で遊び歩いて考えたことを自分勝手に…

アメリカ兵の保養地として開発された小さな漁村は

人々の欲望を飲み込んで

世界でも有数の猥雑な歓楽街になった


そんな街のネオンの中で出会い
手をつないでいたシンデレラボーイの笑顔が見たくて
やさしさと取り違えた欺瞞をお金に換えて
夜の宴が露のように明ける頃

ボクは19歳のキミとシーツの海を泳ぐ


深い寝息が聞こえるのかと耳を澄ますけど

少し震えだした肩を見て

脳裏に浮かぶ田舎の風景と
抱えるモノの重たさに押しつぶされそうになり
そっと枕を濡らすキミの傍らで
寝返りをうたれてボクの裸の胸が
キミの涙で濡らされる前に
シーツから抜け出してしまう臆病な偽善者


閉められたカーテンから

まばゆい光がこぼれ洩れないように
そっとベランダへ逃げ出し

まだ朝だというのに、すでに暑い外気にまとわりつかれながら
見えるはずの海を探し
紫煙をくゆらせる


突然開いたガラス戸の隙間から
ミネラルウォーターの入ったグラスを突き出し
日に焼けるとつぶやくキミの手を引っぱり
半身になって突き出された頬にキスをする


もう一度、貴方を感じたい

同じ海を見つめながら

娼婦のように囁くキミと

再びシーツの海で泳ぎだす



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