先日、自転車のタイヤがパンクしたので近所の自転車屋さんに持って行きました。
初めて訪れたお店でしたが、オーナーのお兄さんがしっかり直してくれました。
修理してもらっている間、広めの店内に飾られているいろいろなポスターを眺めていたのですが
そのほとんどが海外ミュージシャンのものでした。
私も聴いていたバンドのが結構あったのでお兄さんに「お好きなんですか?」と尋ねたことから
ブリティッシュ・ロック系の話で盛り上がりました。
(初対面の人とはよく話せる私)
その間もお客がお店に来ていましたが、お兄さんは爽やかに応対していました。
すばらしい。
さて
パンク修理も終えた後、お兄さんはネジがいっぱい入った棚の隣から
「これ、お貸しするからよかったら観てください。」と
以下の2枚のDVDを貸してくれたのです。いずれもイギリス映画です。
⇑こちらスティングが出ていますよ。
舞台は1964年のイングランドのブライトン。
妹に話したら「ああ、覚えている。モッズ・ファッション好きだったな~。」とのことでした。
もう1枚はこちら⇓
タイトルの「THIS IS ENGLAND 」のイングランドは国名イギリスのことではなく
「イングランド」王国のことです。
衝撃を受けました。
実はジャケットを見てコメディちっくな作品かなと思ったら
笑いもあるけどそれだけじゃない。
1983年、鉄の女マーガレット・サッチャー政権下での炭鉱閉山や
移民の受け入れから来る深刻な人種差別、高い失業率そしてフォークランド紛争の傷痕に苦しむ
イングランド在住の労働者階級の若者たちを描いています。
フォークランド紛争で父親を亡くした少年ショーンは学校ではいじめられていたけど
外での新しい出会いを通して自分の居場所を見つけました。
しかしショーンの前に新たに現れた人物によって状況は変化していきます・・・。
ショーンという11歳の少年を通して描かれているからこそ
当時のイギリスの経済、社会、文化、人種問題とかが私にもわかりやすかったかな
と思います。
クイーンの活躍を描いた映画「ボヘミアン・ラプソディ」で
ブレイクする前のフレディがバイト先で「〇〇人!」(しかも悪い言葉で)と
揶揄されていたワケもようやくわかりました。
私が好きな映画の中に
「リトル・ダンサー」(1984年スコットランドの炭鉱の町が舞台)や
「ブラス!」(1990年代中ごろイングランドの炭鉱の町が舞台)がありますが
いずれもこの頃の労働者階級の人たちを描いていた映画作品であることを思い出しました。
80年代、90年代当時、音楽雑誌でインタビューに応えるイギリス人ミュージシャンたちが
政治や社会問題などを語るのを読んでも今一つ理解できていなかった私は
今になってその時代背景を(一部分だけど)知ることができました。(ような気がする)
今週末に2枚のDVDを返すけど、その前に
もう一回観てみたいなと思います。