良い時代になりました | 読んだらすぐに忘れる

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とりとめもない感想を備忘記録的に書いています。

翻訳ミステリにとって本当に良い時代になったなあと思う。今回はそんな二作。


絞首人の手伝い

『絞首人の手伝い』 ヘイク・タルボット

評価:☆☆

『魔の淵』とどっこい、どっこいの出来栄え。ところどころはキラリと輝くネタを使う。例えば、腐臭ただよう怪物の呪いで急死した男がその日のうちに一ヶ月以上経ったような腐乱死体になってしまう不可能性。探偵役の向かうところ敵無しのキンケイドを襲った謎の怪物などシチュエーションは非常に面白い。しかし、あまりの悪文故に読んでいて段々嫌になってくるし、必然性のことを考えるとそもそも犯人はこんな複雑な事件にする必要がなかったのではないかとおもえてしかたがない。犯人は「これ以外にいい方法があったら教えて欲しいね」と逆ギレしてたけど、説得力に欠ける。海に捨てる以外に色んな方法があるでしょうよ? 事件のトリックも(近年これと同じようなものが話題になりましたね)非常に良いんだけど見せ方が下手。

小道具の使い方も首をひねらざるを得ない。『魔の淵』で手品を織り込んでいたのはまだしっくりしていたが、今回のは明らかに浮いている。

 等々欠点を挙げるときりがない、やはり「幻の傑作」は幻のままでよかったのではないかと思う。


物しか書けなかった物書き

『物しか書けなかった物書き』 ロバート・トゥーイ

評価:☆☆

こんなぱっとしない海外作家の短編集まで組まれるのだから、いい時代になりましたねぇ、ホント。とぼけた味わいの作品が多く、面白いには面白いのだが、物足りない。例えば「階段はこわい」と「オーハイで朝食を」。もっと迫力があるものに、ブルっとくるような面白い短編にんらないかね。他の作家がやったらたぶんそうなったのではないかな? 

たぶんこの一冊で終わってしまうだろうな。