【小川榮太郞】朝日新聞は何をしたいのか【森友・加計報道犯罪】 | 独立直観 BJ24649のブログ

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 森友学園問題・加計学園問題について朝日新聞の報道を批判している小川榮太郞氏が朝日新聞社に損害賠償請求訴訟を提起されたことが、スラップ訴訟だとしてネット上で話題になっている(https://ameblo.jp/akiran1969/entry-12339440795.htmlhttp://agora-web.jp/archives/2030258-3.html)。

 テレビニュースはこの訴訟を報じているのだろうか。NHKニュースウェブを「朝日新聞」「小川榮太郞」「小川栄太郎」で検索しても一件もヒットしないので、NHKでは報じていないようである。

 大新聞の、政権支持率に関わる政治問題についての争いの割に、知らない国民は大勢いるのではないか。

 

 

 

 

「森友・加計「虚報と決めつけ」 朝日新聞が検証本著者の小川栄太郎氏を提訴」 産経ニュース2017年12月25日

http://www.sankei.com/affairs/news/171225/afr1712250051-n1.html

 

「 森友、加計学園問題をめぐる報道を「虚報」と決めつける書籍を出版され、名誉を傷つけられたとして、朝日新聞社は25日、執筆者で文芸評論家の小川栄太郎氏と発行元の飛鳥新社(東京)を相手取り、謝罪広告の掲載と計5千万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 書籍は10月に出た「徹底検証『森友・加計事件』朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」

 訴状によると、書籍は森友、加計学園問題の朝日新聞報道について「安倍(首相)の関与などないことを知りながらひたすら『安倍叩(たた)き』のみを目的として、疑惑を『創作』した」などと記載している。

 朝日新聞は「本社には一切取材もないまま、根拠もなく、虚報、捏造(ねつぞう)、報道犯罪などと決めつけている。事実に反した誹謗(ひぼう)中傷による名誉毀損(きそん)の程度はあまりにひどく、言論の自由の限度を超えている」とのコメントを出した。

 小川氏は全面的に争う姿勢を見せた上で、「言論機関が個人に対し、好意的でない文章を出したからと提訴するのは事実上の言論弾圧だ。朝日新聞の世論に対する影響力は高く、力の行使については政治権力と同じようなおもんばかりがなければならない。言論機関は言論の場で白黒つけるべきだ」と話している。小川氏は今月、正論新風賞に選ばれている。」


 

「森友・加計著書巡り、朝日新聞社が評論家提訴 「名誉を著しく傷つけた」」 朝日新聞デジタル2017年12月26日

https://www.asahi.com/articles/DA3S13290400.html

 

「 朝日新聞社は25日、文芸評論家・小川栄太郎氏の著書「徹底検証『森友・加計事件』 朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」が、事実に基づかない内容で本社の名誉や信用を著しく傷つけたとして、小川氏と出版元の飛鳥新社に5千万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求める訴えを東京地裁に起こした。

 小川氏は同書で、森友学園への国有地売却問題や加計学園の獣医学部新設問題の本社の報道について「朝日新聞自身が、どちらも安倍(晋三首相)の関与などないことを知りながらひたすら『安倍叩(たた)き』のみを目的として、疑惑を『創作』した」と記した。

 また、加計学園の問題をめぐり、「全編仕掛けと捏造(ねつぞう)で意図的に作り出された虚報である」と言及。本社が「総理のご意向」などと書かれた文部科学省の文書の存在を報じたことについて、「『総理の意向』でないことが分かってしまう部分を全て隠蔽(いんぺい)して報道し続けた」などと記述した。「ある人物が朝日新聞とNHKの人間と一堂に会し、相談の結果、(中略)報道することを共謀したとみる他ない」とも書いた。

 本社は訴状で、「一連の報道に捏造や虚報はない」と主張。「安倍叩き」を目的として報道したことはないとしたうえで、「本社が入手した文書に『総理の意向でないことが分かってしまう部分』はなく、これを隠蔽した事実はない」「『ある人物』や『NHKの人間』と一堂に会したことも報道について共謀したこともない」などとした。小川氏が同書発刊にあたり、本社に対して一切取材をしなかったことも指摘した。

 本社は11月21日、小川氏と飛鳥新社に対し、訂正や謝罪を求める申入書を送付。小川氏は12月5日付で「申入項目は、殆(ほとん)どが私の『表現』か『意見言明』への苦情に過ぎません」などと回答した。

 ■文書・取材に基づき報道

 加計学園の獣医学部新設問題で、朝日新聞は5月17日付朝刊1面(東京本社14版)「新学部『総理の意向』 文科省に記録文書」など、一連の文書の存在とともに取材で判明した事実、国会審議などをその都度詳細に報じてきた。行政の公平性が損なわれた恐れはなかったか、という視点からだ。

 小川氏は著書で、「総理のご意向」と記された文書に「『国家戦略特区諮問会議決定』という形にすれば、総理が議長なので、総理からの指示に見えるのではないか」との文言もあることを挙げ、「(総理の)指示がなかったからこそ『総理からの指示に見える』ような操作が必要だ――この文書はそう読める」と言及。朝日新聞がその箇所を隠して報道を続けたと主張している。日本維新の会の足立康史衆院議員も国会審議でこの点について「捏造」と発言をした。

 朝日新聞は、5月17日の報道の数カ月前から、獣医学部新設をめぐる国家戦略特区のあり方について取材を進めていた。その過程で、「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っていること」などと記された一連の文書を入手した。これらの文書について、実在すること▽文部科学省内で共有されていたこと▽「総理の意向」を否定するような箇所はないこと――などを文科省関係者に取材、確認したうえで報じている。

 また、入手した文書の一部をあえて隠して報じた事実もない。文書は同日中に国会審議で取り上げられた。その後、文科省は調査の結果、文書が省内で共有されていたと認め、公表もしている。

 「藤原内閣府審議官との打合せ概要」と題された文書にも開学時期をめぐり「これは官邸の最高レベルが言っていること(むしろもっと激しいことを言っている)」とあった。朝日新聞はこうした文書の内容も報道するとともに、藤原豊内閣府審議官(当時)が内容を否定したことも合わせて伝えている。

 また、文科事務次官だった前川喜平氏が「和泉洋人首相補佐官から首相官邸で、獣医学部新設について『総理は自分の口から言えないから、私が代わって言う』と言われた」と証言したことも、和泉氏の「記録が残っておらず確認できない」とのコメントとともに報じている。

 ■根拠なく誹謗・中傷

 千葉光宏・朝日新聞社執行役員広報担当の話 小川栄太郎氏の著書には、森友・加計学園に関する朝日新聞の一連の報道について事実に反する記載が数多くありました。本社には一切取材もないまま、根拠もなく、虚報、捏造、報道犯罪などと決めつけています。具体的にどう違うか指摘し訂正を求めましたが、小川氏は大半について「私の『表現』か『意見言明』への苦情に過ぎません」などとして応じませんでした。出版元も著者の小川氏任せで、訂正は今後も期待できません。

 この本が出版された後、本社の報道を同じ調子で根拠もなく捏造などとする誹謗(ひぼう)・中傷がありました。読者の皆様からも、ご心配いただく声が寄せられています。

 「言論の自由」が大切なのは言うまでもありません。しかし、小川氏の著書の事実に反した誹謗・中傷による名誉毀損(きそん)の程度はあまりにひどく、言論の自由の限度を超えています。建設的な言論空間を維持・発展させていくためにも、こうしたやり方は許されるべきではありません。やむを得ず裁判でこの本の誤りを明らかにするしかないと判断しました。

     ◇

 訴えの詳細は本社コーポレートサイト(http://www.asahi.com/corporate/)に全文を掲載しました。」

 

「小川榮太郎氏ならびに飛鳥新社に対する訴訟提起について」 朝日新聞社HP2017年12月25日

http://www.asahi.com/corporate/info/11264607

 

「  朝日新聞社は本日、小川榮太郎氏と株式会社飛鳥新社(代表取締役・土井尚道氏)に対して謝罪広告掲載と5000万円の損害賠償を求める訴えを、東京地裁に提起しました。

 訴状全文はこちら(PDF)です。

2017年12月25日」

 

 

 

 本件訴訟について、小川氏がフェイスブックにて声明を出している。

 

 

 

小川榮太郞フェイスブック2017年12月25日

https://www.facebook.com/eitaro.ogawa/posts/1676554472437367

 

「【朝日の訴状への初見コメント】朝日新聞社は、拙著『徹底検証 森友加計事件 朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』の中身を巡って、私と出版元の飛鳥新社に対し、5000万円の損害賠償請求を提訴しました。今後の対応の詳細は明日以後、出版社および顧問弁護士と協議しつつ詰めてゆきますが、以下、訴状の初見の印象からの簡単なコメントをまず発表します。
執行役員の言葉として以下が掲げられています。
「小川氏の著書の事実に反した誹謗・中傷による名誉毀損(きそん)の程度はあまりにひどく、言論の自由の限度を超えています。建設的な言論空間を維持・発展させていくためにも、こうしたやり方は許されるべきではありません。やむを得ず裁判でこの本の誤りを明らかにするしかないと判断しました。」
笑止千万とはこのことです。私の言説が言論の自由の限度を超えているというなら公称650万部の新聞社は、たった9万5千部しか出ていない本のかよわい一著者に5000万円の賠償請求をするのではなく、650万人の読者に向かい、小川の非を鳴らし、朝日新聞の報道がいかに正しかったかを説得しなさい。それで私の社会生命、言論人生命は終わります。私が事実に反した誹謗中傷本の著者として社会生命を失えば、朝日新聞社は言論機関として自己の正当性を堂々と証明できるのです。
裁判所に判断を委ねる必要など、社会的に圧倒的強者であり、自説を証明できる膨大な紙面と圧倒的な読者数を誇る朝日新聞社の取る道としてあってはならぬ最悪の邪道と言う他ありません。
それよりも、朝日新聞の再三にわたる「言論の自由の限度を超えた」捏造―珊瑚礁事件、従軍慰安婦、吉田調書、森友加計捏造報道などなど―についての、今尚決して清算、克服されていると言い難い損害を出来る限り客観的に算定し、日本国民の総意としての損害賠償を朝日新聞社に徹底的に、「最終的且つ不可逆的に」国民の総意として求める時期が来たのではないでしょうか。とりわけ従軍慰安婦報道については、日本国内では社会的な事件となり全社的な謝罪をしたにも拘らず、国際世論の鎮静に向けて朝日新聞は全く努力せず、世界での慰安婦問題の拡散は留まるところを知りません。この日本国家をあげての損害を金額算定すれば天文学的数値に上るでしょう。  
そうした自社の「言論の自由の限度」をはるかに超えた現況をなかったかのようにしておきながら、自社に批判的なドキュメンタリーについて、紙面を使っての検証や反論のプロセスを一切省き、表現の細部ばかりを争点にしていきなり巨額の賠償請求訴訟を起こすことは、自由社会を破壊する言論弾圧に他なりません。
しかも、この訴状は、私の12月5日発出の朝日新聞社への回答をほぼ全く踏まえていません。
〈千葉光宏・朝日新聞社執行役員広報担当の話〉
 「小川栄太郎氏の著書には、森友・加計学園に関する朝日新聞の一連の報道について事実に反する記載が数多くありました。本社には一切取材もないまま、根拠もなく、虚報、捏造、報道犯罪などと決めつけています。具体的にどう違うか指摘し訂正を求めましたが、小川氏は大半について「私の『表現』か『意見言明』への苦情に過ぎません」などとして応じませんでした。」
馬鹿を言うなという言葉を吐くのも虚しい気持ちになります。私は朝日新聞申入れの「具体的にどう違うか指摘し訂正を求め」た項目に全て丁寧に反論しています。その事実をこの訴状及び千葉氏のコメントはほぼ完全に隠蔽し、私との言論戦から逃げて、まるで私がろくな回答をせず不誠実な対応をしたかのような印象操作の上で、訴訟を挑んできたのです。
その上、前回の申入書と同様、個々の訴因がばかげています。一例のみをあげれば、私以外の多くの方が悪質な捏造として批判している5月17日付の「総理のご意向」スクープの黒い枠で文章を覆い隠した写真について、「新聞の一般的な手法」だなどと、常識的な感覚では理解に苦しむ開き直りをするなど、私が朝日新聞主導の「捏造」と主張する大筋の主張を覆し得ない細部表現への無理筋の抗議に終始しています。
私は今後も全くひるまずに批判すべきは批判し続けますが、今回の訴訟を見て、言論人の中には、朝日新聞を批判することが訴訟リスクを含むと考え、批判を手控える方も出てくるのではないでしょうか。また他の大言論機関がこの手法を模倣すれば、日本は事実上、マスコミ、大企業による言論封殺社会になりかねません。一命を賭しても、今回の朝日ファシズムを容認するわけにはゆきません。
裁判は当然徹底的に受けて立ちますが、裁判以外の広く開かれた日本社会で、「森友加計は朝日新聞の捏造か否か」、「拙著が描く朝日の報道犯罪は妥当な論評と言えるか否か」、「今回のような訴訟は言論弾圧であるか否か」などを、朝日新聞が社会的に決して逃げられない形で訴えてゆく所存です。以上

 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171225-00000037-asahi-soci

 

小川榮太郞フェイスブック2017年12月26日

https://www.facebook.com/eitaro.ogawa/posts/1677248872367927

 

「【深刻な本質はどこにあるか】今回の朝日新聞の訴状は、極めて深刻な内容である。事実そのものでなく、事実をどう表現するかに関して、ここまで多数の項目を裁判所の判断に委ねるというのは、自由社会の自己否定に他ならない。全項目とも言論戦で決着が付くものばかりであり、私は言論戦に応じているのである。
本件の裁判所の扱い方次第では、日本の言論が事実に著しく反する記述による名誉棄損の問題ではなく、事実についての判断や推論や感想の表現に関して、金と権力のある会社や機関が個人著者を訴え、裁判所の判断によって表現の幅を大きく規制されるという、明治以後最悪の言論統制社会を招きかねない。大日本帝国下の言論は基本的に➀皇室と②共産主義と③猥褻表現を除き、今回のような表現の自由を明らかに侵害するレベルの根源的な検閲はなされていないはずだ。政府批判は戦前も盛んであり、軍閥批判も昭和10年前後から難しくなるが、それ以前にはむしろ軍人の肩身の狭い時代が続いていた。
 私は訴状を法律家とは別の見地――つまり歴史研究を行いながら思想文学の営みをしてきた一思想家として――新年あけに丹念に研究しようと思う。
 私一個の問題でもなく、朝日新聞の横暴を難じて済むレベルの話でもないのではないか。
日本の言論の自由の歴史を大きく歪める大不祥事になりかねない。
左右を越えた有識者が、朝日叩き、小川擁護というレベルではなく言論の自由に関する深刻な事件として声を上げてほしいと思う。
色々な方からご心配をいただいているが、私は失うもののない人間だから、ご心配には及ばない。奪われ続けている勉強時間以外に本当に欲しいものは何もありません。」

 

 

 

 朝日新聞社は、結局どうしたいのだろうか。本件訴訟を通じて最終的に何を目指しているのだろうか。

 5000万円もの損害賠償を請求したということは、単なる慰謝料請求ではあるまい。販売部数に影響が出て、その損害の賠償を請求しているのではないか。

 同社は謝罪広告の掲載も請求している。同社としては、小川氏の本件著作によって低下した社会的評価を回復し、販売部数を伸ばすことが最終的に目指すべきところであろう。

 しかし、本件訴訟を提起することによってその目的は達成できるのだろうか。

 仮に小川氏の本件著作に行き過ぎた表現があり、一部認容判決が下されたとしても、森友学園問題・加計学園問題の報道について、自社の報道は正しかった、小川本は間違っている、ということをきちんと論証しなければ、信頼は回復することなく、販売部数の伸びも得られないのではないか。

 小川氏は、朝日新聞は650万部の大新聞であり発信力が強いという点を指摘しているが、それだけでなく、大企業の朝日新聞社の方が取材力も圧倒的に強い。取材して小川本の誤りを反証するなど容易だし(おそらく訴訟費用より安上がりだろう)、売れる企画にもなったはずだ。しかし、同社はそうすることなく訴訟に出た。

 朝日新聞社は、小川本にきちんと反論できず、悔し紛れに脅迫じみた高額訴訟をふっかけている。そういう印象が生ずる。

 かかる行為そのものが、朝日新聞社のイメージダウンであり、社会的評価を低下させる自殺行為なのではないか。訴訟を起こすにしても、小川氏を論駁して読者の理解を得た後ですべきものだったのではないか。

 朝日新聞社という社会的権力が発狂して暴走している。本件訴訟にはそういう印象を抱いたし、小川氏を応援したく思う。