【叱咤激励】あえて三橋不信を煽る【批判すべきところは批判する】 | 独立直観 BJ24649のブログ

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そういう想いのブログです。

 ブログのアクセス解析を見たところ、「【倉山満】増税と訴訟【三橋貴明】」の閲覧数が多かった。
 そこで、ググってみたのだが、私を倉山信者扱いする書込みが見られた。
 勘違いしてほしくない。
 何度か言っているが、私がブログを始めた1つのきっかけは、三橋貴明先生だ。
 三橋先生を応援したくて、ブログを始めたのだ(「ブログ開設のきっかけ」本ブログ2012年12月31日http://ameblo.jp/bj24649/entry-11438588391.html)。
 三橋先生はいずれ政界に出るだろう。
 その後押しを少しでもしたかったのだ。

 しかし、今回は、あえて三橋不信を高めてみようと思う。
 私は、三橋先生を応援していたのに、裏切られた気分なのだ。
 三橋”患者”の皆さんは、何も痛みを感じないのか。



 倉山満「増税と政局・暗闘50年史」(イースト・プレス、2014年)53ページは、
それまでの著作で財務省全体を人でなしのように叩いていたのは誰だったか。飼い主に忠誠を誓う御用評論家の見本のような人物です。新聞やテレビヘの不信からインターネットを主な情報源としている人の数が増えている現状ですが、ネットを主な活動場とする言論人にも偽者は混じっています。三橋のような人物が幅をきかせているかぎり、ネット言論の信頼が高まるのは遠い日のことでしょう。」
と言う。
 これに対し、三橋先生は、
「 上記記載は、一般読者をして、三橋が麻生大臣の指示を受けて麻生大臣の利益ために評論する御用評論家であり、麻生大臣の見解に合わせて持論を変える評論家であるとの誤った印象を与える記載であり、三橋の名誉を毀損します。
  三橋と麻生大臣との間には何らの従属関係はなく、当然、三橋が麻生大臣の指示を受けたり、要請を受けたりすることもありません。」
と反論する(http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11822729893.html)。

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 ちょっと確認してみよう。



 「ダカーポ特別編集 緊急発売!消費税増税はなぜダメなのか?」(マガジンハウス、2012年5月)を見てみる。
 当時は民主党政権だ。麻生財務大臣誕生前とも言える。
 三橋先生はこう言う。

消費増税はなぜダメなのか?―緊急発売! (マガジンハウスムック)/マガジンハウス
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「 財務省にとって消費税増税はいまや、手段ではなく目的になってしまっています。その証拠に、消費税増税の根拠というものが目まぐるしく変わってきています。菅前首相が財務大臣だったころ(09年末頃)には、「デフレ脱却には財政出動が必要だ。その財源確保のために消費税増税が必要だ」と言っていました。しかし、2010年5月にギリシャがデフォルト(債務不履行)に陥った際には「日本の財政はギリシャより悪い!だから増税だ」との主張に変わった。そして3・11の東日本大震災には「復興増税のための消費税増税論」が持ち上がり、そして現在は、社会保障費確保のための「税と社会保障の一体改革」だと言うわけです。つまり、理由は何でもよく、消費税を引き上げることそのものが目的化しているわけです。特に被災地復興や社会保障といった「反対しにくい理由」を取ってつけている分、悪質です。」(10ページ)

「 このままデフレが進行すると税収が減るので、財政がさらに悪化する。そうすると増税の必要性を訴えやすくなる。増税をすればさらに名目GDPが悪化して税収が下がり、財政が悪化する。そしてまた増税、という負のスパイラルになる。財務省はこの展開を狙っているとしか思えません。冒頭に述べたように、財務省にとって消費税増税はそれ自体が目的化していますから。
 日銀も、失敗を認めることになるから大胆な通貨発行を行いたくない。財務省も、消費税増税を果たすべくデフレ対策を行いたくない。両者はいま、方向性が一致しているため、奇妙な馴れ合い状態になっています。本来、日銀と財務省は対立しがちなのが相場なのですが。
 国民はもっと、不真面目な日銀と財務省に対して怒るべきなのです。「財政悪化だから消費税増税も仕方がない」などと、財務省の作った筋書きを鵜呑みにするべきではありません。」
(26,27ページ)

「 財務省・日銀も相当焦ってきているのではないかと思います。財務省は「年金債」なるものを発行し、社会保障費に充てる一方で、その償還は消費税増税分で賄うなどと言っています。また、幼稚園・保育園に代わる「総合こども園」という施設を作り、その財源も消費税増税分で賄うという。まだ増税してもいないのに、一体どうやって賄うのでしょうか。消費税増税を既成事実化してしまおうという魂胆が見え見えです。不真面目極まりない話です。
 与党でも野党でも構わないから、とにかく政治家に正しい情報を流す。やはり政策を動かすのは政治家ですから。それが財務省・日銀の暴走を抑えるきっかけになるかと思います。」
(29,30ページ)



 いかがだろうか。
 三橋先生は、「国民はもっと、不真面目な日銀と財務省に対して怒るべきなのです。」と言っている。
 財務省に対して怒るということは、当然、財務省の中にいる財務事務次官にも怒るということだ。
 ちなみに、三橋先生は、本書で、
物価は通貨現象ですから、まさに日銀の本業とするところです。しかし彼らは、日本がデフレに陥って以降の15年間、明らかに物価調整に失敗し続けてきました。」(20,21ページ)
と言う。
 物価の継続的下落であるデフレーションは、通貨現象なんですね。
 三橋先生は、実はマネタリストで新自由主義者でした(棒)



 平成24年(2012年)12月、衆議院議員総選挙があり、第二次安倍内閣が誕生した。
 麻生太郎衆議院議員が財務大臣に就任した。
 三橋先生の言う「平成の高橋是清」を私も期待した(「コレキヨの恋文」(小学館)、購読しますた)。
 その後、三橋先生は、「経済の自虐主義を排す 日本の成長を妨げたい人たち」(小学館、2013年2月)を出す。
 この本は、実名を出して批判するという、センセーショナルなものだ。

経済の自虐主義を排す: 日本の成長を妨げたい人たち (小学館101新書)/小学館
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 目次を紹介する(http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784098251568)。



「はじめに
経済の自虐史観あるいは自虐主義者について/「鬱陶しいんだよっ、お前らはっ!」
第1章 「経世済民」に背いた日本国総理大臣
経済、つまり経世済民とは/政府と企業を混同する愚論/今、インフラは寿命を迎えつつある/信じがたい野田前総理の官邸かわら版/経世済民を全く理解できなかった民主党/経済的自虐主義者のデタラメ/印象操作のオンパレード
第2章 日本銀行―経済自虐主義の巣窟
中央銀行の独立とは/世界の中央銀行は失業率改善も大事な仕事/デフレ容認論者に変節した河野龍太郎氏/デフレを進行させる竹中氏ら新古典派経済学者/誰も日銀総裁をやめさせられない/「毎日新聞、正気か!?」/日銀の呆れた人口減少デフレ論/藻谷浩氏―日銀の救世主が現れた
第3章 国益を考えない経団連と新古典派経済学者
米倉会長と米化学企業の関係/国益を損ねる数々の暴言/「グレート・リセット」よりメンテナンス(保守)/摩訶不思議な報告書「グローバルJAPAN」/国民が経済自虐主義者を排除した
最終章 悪魔は何よりも嘲笑を恐れる
「企業経営」と「国民経済」を混同した松下幸之助氏/日本破綻論はカタストロフィー・ビジネスだ/バカと自虐主義者を信じてはいけない/彼らを嘲笑しよう」



 「財務省」で検索してみて下さい。
 引っかかりませんね。
 おかしいですね。
 日銀批判はありますが、なぜか財務省批判が抜け落ちています。
 財務省に対して怒りの声を上げるべきではなかったのか。
 本書では、元財務官僚は批判していますが、現役財務官僚は批判しません。
 ひょっとしたら私が見落としているのかも。
 もし財務官僚批判がなかったとしたら、三橋先生は、消費増税しても金融緩和さえすればデフレ脱却は可能だという、マネタリストかつ新自由主義者かもしれません・・・(棒)



 そして、消費税増税決定後の三橋先生。



「【消費増税】疾風にして勁草を知る、日本草莽はどちらか?[桜H25/10/2]」YouTube2013年10月2日
https://www.youtube.com/watch?v=UzSF9UUt4bU



 11分25秒で、三橋先生は、財務省対安倍政権というシンプルな構図ではないという。
 それはそれで正しいと思う。複雑な事情があるだろう。
 しかし、財務省、そして財務官僚、財務官僚の頂点にいる財務事務次官を批判すべきでないとは言えない。
 木下康司(きのしたやすし)財務事務次官批判をしてはいけないということにはならない。
 三橋先生は、水島総社長の「安倍増税論」に同意する。
 財務省を徹底的に批判して、安倍総理の責任を緩和する言論を心がけるべきではなかったか。
 「木下増税論」の倉山先生の方が筋が通っている。
 ていうか、水島社長も三橋先生も、増税はアメリカに都合がいいことを強調するけど、中国は?
 「敵は戦後レジーム」論法は、中国というファクターを抜け落ちさせる意味があるような。
 憶測ですが・・・。



 麻生大臣誕生前、三橋先生は財務省に怒れという。
 麻生大臣誕生後、財務省批判をスルーする。
 消費税増税が決まると、財務官僚批判を制止する。







 「それまでの著作で財務省全体を人でなしのように叩いていたのは誰だったか。飼い主に忠誠を誓う御用評論家の見本のような人物です。」



 そう思われても仕方ないのでは。

 倉山批判をして三橋先生を支持している人たちは、私なんかよりも三橋先生にお詳しいと思うが、何も違和感をおぼえないのだろうか。
 三橋先生の財務省批判が、どんどんトーン・ダウンしているとは感じないのだろうか。
 「批判すべきところは批判する。三橋貴明を右の側から叱咤激励する。」
 そういう考え方があってもよいのでは。