「これ印刷お願い!」とファイルが送られてきたとき、そのファイルは必ずしもあなたが作成したものではないと書きました。ここからは、あなたが資料を作成する場合を想定して、人より成果を出すコツをお伝えしていきましょう。


ビジネスの現場において作成する資料は、多くの人の目に触れ、記録として残るもの。ですから、あなたの仕事ぶりをいろんな人にアピールできるものです。そして、会議での発言やプレゼンテーションと異なり、資料は提出するまで何度も推敲できるので、自分の思いどおりにコントロールできる最強のアピール手段であると言えるでしょう。


ですから、多岐にわたるビジネススキルでどれか1つに取り組むなら、まずは資料作成のコツをしっかり身につけること。これこそ、人より成果を出す近道です。



資料作成で吟味すべきことは、その資料が読みやすいかどうかです。書いてある内容が良ければそれでいいというのは、間違いです。なぜなら、読みにくい資料はそれだけで相手の集中力を奪い、内容の良し悪しを考えられなくしてしまうからです。そして、あなたの資料が会社の上層部へ届けば届くほど、一目で重要なポイントがわかるような資料でなければ、時間のない上司にはあなたの書いた内容は伝わらないでしょう。


「読みにくい」という感覚は、実は資料の見た目を整えるだけで、ずいぶん解消することが可能です。資料の見た目を左右するものには多くの要素がありますが、中でも①ページ全体のレイアウトを整える、②フォントの種類やサイズを統一する、の2点を徹底することで、資料の見た目が格段と向上します。


次回から、それぞれのコツを順にまとめていきましょう。



<今日のポイント>
資料作成は「読みやすいかどうか」を徹底的に追求する。


多くの人の目に触れ、記録に残る資料は、あなたの最強アピール・ツールです。一目で読むべきポイントがわかる資料になるよう、まずは見た目にこだわりましょう。人より成果を出すための第一歩はそこから始まります。

「人より成果を出す仕事術」の最初のトピックがなぜ印刷?と思われた方もいるかと思いますが、私が最初に印刷について書いたのには理由があります。


それは、誰にでもできそうな作業だから。


人より成果を出したいと思うとき、誰にでもできる仕事より、大きな予算が割り当てられた仕事をしたい、選ばれた人だけが参加できるプロジェクトに関わりたい、と考えるかもしれません。また、そういう特別な仕事でなければ、差別化を図ることはできないと感じるかもしれません。しかし、誰にでもできる仕事がきちんとできなければ、大きな予算が割り当てられた仕事を任せられることはありません。特別なプロジェクトのメンバーとして選ばれることもありません。


誰にでもできそうな仕事だから、手を抜いてはいけないのです。



そしてもう1つの理由は、印刷のように単純そうな作業であっても、作業する人が違えば仕上がりのかたちも違うということを、改めて確認したかったからです。


「これ印刷お願い!」とファイルが送られてきたとき、そのファイルは必ずしもあなたが作成したものではありません。「印刷」ボタンを押すだけで思い通りの印刷ができるように、ページ設定もレイアウトも整えられているファイルもあれば、一見まともに見えるファイルでも、「印刷プレビュー」で確認するとめちゃくちゃな状態ということもよくあります。


他の人の仕事が自分と同じ思考回路で作業されたものだと想定するのは間違いです。そして、その逆もしかり。仮に「ひどい」ファイルが送られてきたとしても、それはあなたがそう思うだけで、ファイルの作成者はそうは思っていないかもしれません。


上司、クライアント、取引先の担当者など、仕事で関わる人のそれぞれに異なる思考回路が、あなたの仕事を評価するわけです。つまり、人より成果を出したいなら、どんな思考回路をもって評価されても、「非の打ち所がない」と言われるような作業クオリティーとスピードを目指さなければいけません。



そんなことって本当に可能なの?って思ったあなた!


そんな思考回路のあなたを含め、さまざまな思考回路の人々を満足させる仕事術を、引き続き紹介していきます。乞うご期待!

エクセルで「印刷」ボタンを押したら、1ページに印刷するつもりが何枚にも分かれて印刷されたということはありませんか? バラバラに分断された表が出てきたときは、「こんなはずじゃなかった!」って、つい思ってしまいますよね。


でも、なぜそう思うのでしょうか。


それは、あなたが思う印刷後のイメージと、目の前のエクセルが同じになっているかどうかを確認しなかったからです。(そして、あなたが作成者ではない場合、作成者の配慮が足りなかったから、と言えるかもしれません。)



ワードやパワーポイントと違い、エクセルは文書作成画面で印刷イメージがつかみにくいという落とし穴があります。ですから、印刷前には必ず「印刷プレビュー」で印刷後の状態を確認し、使い勝手のよい印刷物になるよう調整が必要です。


<簡単にできる調整>
① 余白 ・・・ 1~3 cmで、ファイリングを考慮し調整。
② 文字サイズ ・・・ 8~11ポイントで、行幅も一緒に調整。
③ 用紙サイズ ・・・ 通常A4を使っているなら、A3に変更。
④ 列幅 ・・・ 空白が多い列は、他の列とのバランスを調整。


<複数枚に印刷する場合>
複数枚印刷で最も避けなければいけないのは、一続きで見るべき部分を一度に見ることができない印刷です。例えば、時系列の表が2ページ分になった場合、両面印刷してしまうと、前半部分と後半部分を一続きで見られないので、不親切です。印刷対象の表が何を表していて、何を見なければいけないかを考え、どういう印刷をするかを判断しましょう。


また、印刷物のページが変わったときに、先頭の行(または列)をすべてのページに印刷した方がよいかどうかも検討し、より使い勝手のよい印刷を目指しましょう。



そして、どんなときも「印刷」ボタンを押す前には、「印刷プレビュー」で確認を。これで、イメージどおりの印刷が実現します。



<今日のポイント>
明確な仕上がりイメージを持ち、そこに近づけるために調整する。


ちょっとした工夫が必要な作業だからこそ、あなたの本領を発揮できるチャンスです。「印刷」ボタンを押す前に、その「印刷」のイメージをはっきり把握しましょう。人より成果を出すための第一歩はそこから始まります。

上司から届いた1通のメール。本文には「これ印刷お願い!」の一文だけ。そして、ファイルが1つ添付されています。さて、あなたはどうしますか?


添付ファイルを開いて、「印刷」ボタンを押す!と思ったあなた、イエローカードです!


先日もこんなことがありました。


急ぎで印刷しなきゃいけない資料を印刷して、共用プリンターへ印刷物を取りに行ってみると、片面&カラー印刷で、プリンターがフル稼働中。ちらっと見るに、どうもWebサイトが印刷されている様子。しかも、ページの設定がおかしいのか、白紙のページが途中で何枚も出てきたりと、一向に終わる気配がない。


待てど暮らせど出てこない急ぎの資料。この印刷、本当に必要なの??と終わらない印刷に、イライラも募ります。



会社の共用プリンターでなんでもかんでも印刷しちゃう人!


本当に必要な資料を「今」印刷しなければいけない人がいるかもしれないこと、会社ならタダで印刷できるような気になるかもしれないけれど、印刷するための紙もインクも会社にとってはコストであること、そして、エコの観点からも紙のムダ使いは極力避けることが望ましいとされていること、などを考えて、① 印刷すべきかどうか、② 印刷するなら、どう印刷すべきか、を吟味しないと、非効率とムダが目立って、「使えない人」のレッテルを貼られかねません。



できるビジネスパーソンなら、「これ印刷お願い!」という指示だけでは、印刷できないことをわかっています。なぜなら、「印刷」という1つの作業であっても、その目的をきちんと理解していないと、上司の思ったとおりの「印刷」はできないからです。


少なくとも次のことを確認しましょう。


<最低限確認すること>
・ ファイル全体を印刷するのか、一部のみなのか
・ いつまでに必要なのか
・ 何部必要なのか
・ カラー印刷、モノクロ印刷のどちらか
・ (複数枚の場合) 1枚に複数ページの印刷は可能か
・ (複数枚の場合) 片面印刷、両面印刷のどちらか
・ (両面印刷の場合) 短辺とじ、長辺とじのどちらか
・ (パワーポイントの場合) 印刷対象はスライドのみか


以上を確認すると、だいたいの資料は上司の思ったとおりに印刷できます。


ただし、エクセルの場合は、キレイに印刷するために細かい事前調整が必要なことが多いので、上司の期待値を理解したあと、もう一段階工夫が必要です。次回は、そんなエクセル印刷のテクニックを紹介していきます。



<今日のポイント>

作業に取り掛かるときには、まず目的をきちんと理解する。


印刷という誰でもできそうな作業だからこそ、「使えない人」と「デキル人」の差が出ます。どうして印刷するのかという目的と、その目的を満たすためにどのように印刷するのかを、明確にしてから印刷しましょう。人より成果を出すための第一歩はそこから始まります。

頑張っているのになぜか仕事で結果を出せない。それは、仕事を与えてくれる上司やクライアントの期待値を理解できていないことに他なりません。つまり、エネルギーを向ける方向が間違っていて、せっかく費やしたあなたの能力、体力、時間をムダに使っていると言えます。だからこそ、仕事で成功したいなら、上司やクライアントの期待値をはっきりと理解することが不可欠です。上司やクライアントの期待値に忠実に応えていくことこそ、人より成果を出す唯一の方法だと、ここに断言します。


仕事で結果を出せないと、任される仕事のレベルが下がります。ずっと結果を出せないでいると、そのうち誰でもできる仕事しか任されなくなるかもしれません。でも、同じ時間をオフィスで過ごすなら、きちんと成果を出し、あなたにしかできない仕事を通して実績を上げ、周りから一目置かれる存在になりませんか。


このブログは、仕事で結果を出したい、大きなプロジェクトに関わりたい、昇進したい、転職でキャリアアップしたいなど、仕事での自己実現を目指して努力を重ねるビジネスパーソンを、カラ回り社員からデキル社員に変える一端を担うために構想を練りました。仕事はやる気だけで取り組むものではありません。期待されたとおり、もしくは期待された以上の仕事をするには、実は誰にでもできるコツがあるのです。このブログの読者がそのコツを学び、結果を出せるようになることで、活躍の場を得、楽しく生き生きと働けるようになることこそ、このブログの目指す姿です。


大手外資系企業を渡り歩き、最短経験年数での昇進、最年少での管理職抜擢、異業種転職でキャリアアップ等を実現した外資系銀行のマネージャーが明かす仕事で結果を出す秘訣、ここに公開。