失敗やよくないことをしてしまった時、親が子どものそれを否定するような教え方をする。
寄り添って事情を訊くことをせず詰問だったり、不機嫌そうな態度や言葉をあらわにしたり。
そんなことをする子は愛しません、というようなやり方をとっていると、子どもに植え付けられていくのは罪悪感や恐怖感です。
嫌われないように、殺されないように、相手の顔色をうかがって機嫌をとる。
そんなことは、友人間などでもあってはならないことですが、家庭内の、それも親子の関係で平然と行われているものだったりするんです。
子どもに罪悪感や恐怖を植え付けるような振る舞いをする親。そうして親側の感情を満たすため、利己的なコントロールを”無自覚的に”やってしまっている。
家の中、家族、親に対しての安心感が得られていないと、子どもは常に緊張状態に置かれることとなり、本当にこころ休まることはなくなります。
自分自身を受け入れられない、自分を等身大で受け入れられない状態に育った子どもは前向きに生きていくことが難しくなり、不安ベースの生き方をするようにもなります。
親にありのままを受け入れてもらえなかった子どもは、自分を受け入れられなくなる。親から愛されて育った子どもは、自分を受け入れられるようになる。
子どもが自分自身を大切にできない状態に育つのもまた親の影響であり、こころが健全に発育されず情緒、感情、情操面で本人が生きづらさを感じるようになるのもまた親の影響です。
そして「自分は愛されるような存在じゃない」「自分には価値が無い」「自分らしさや自分の意見がわからない」といった思考になりやすいのも、親の影響です。
親側がきちんと我が子を受け入れ見守り、正しい愛情をもってサポートができていれば、子どもの内面の歪みの発生は回避することが可能です。
子どもの希望や夢や、生きる気力を壊して殺すのは、親の愛情や教育がその原因です。親による子育ての仕方次第で、子どもは自ら自身の成長と可能性を閉ざし、停滞していく保守的な生き方を選ぶようになります。
正しく愛されることが無かった、条件付きの愛情しか学べなかった。そうすると「何かを成し遂げられなければ愛してもらえない」という学習をします。
"(親にとって都合の)いい子"は、周りに嫌われないように、自分の心身を削いでまで相手の顔色をうかがい、相手を優先することを無意識領域に植え付けられ、歪みとして癖付けられます。
"自分"というものを持つことが難しくなり、周囲の評価が判断基準となって、精神的に不安定にもなりやすく、打たれ弱くもなる。
世の中の多くの人が「愛」というものを軽視しすぎているように感じます。きちんとした愛情をもって子どもを育てていかなければ、それは荒んだ人が多く生まれるのも当然の結果です。
あとから空いた穴を埋め、そのぶんを取り返すこともできますが、幼い頃に求めたものを完全に獲得することはほぼ不可能と言っていいでしょう。
親側も、当事者の子ども側も、本当に、自覚をして改めてほしいものです。