親が子どもに与える悪影響として、虐待や家族間のモラハラ(フキハラ)など、「もちろんそれはいけないこと」と、はっきりわかるようなものだけではありません。
「愛情」というものの”扱い方”は存外難しく、またデリケートです。しかし、大半の人がそれを正しく知ることをできておらず、正しく扱えていないのも事実です。
このブログは、そういった「正しい愛」について複数の記事を投稿し、それらへの理解を促すスタンスをとっています。

 

 

 

 

失敗やよくないことをしてしまった時、親が子どものそれを否定するような教え方をする。

寄り添って事情を訊くことをせず詰問だったり、不機嫌そうな態度や言葉をあらわにしたり。

そんなことをする子は愛しません、というようなやり方をとっていると、子どもに植え付けられていくのは罪悪感や恐怖感です。

嫌われないように、殺されないように、相手の顔色をうかがって機嫌をとる。

そんなことは、友人間などでもあってはならないことですが、家庭内の、それも親子の関係で平然と行われているものだったりするんです。

子どもに罪悪感や恐怖を植え付けるような振る舞いをする親。そうして親側の感情を満たすため、利己的なコントロールを”無自覚的に”やってしまっている。

家の中、家族、親に対しての安心感が得られていないと、子どもは常に緊張状態に置かれることとなり、本当にこころ休まることはなくなります。

自分自身を受け入れられない、自分を等身大で受け入れられない状態に育った子どもは前向きに生きていくことが難しくなり、不安ベースの生き方をするようにもなります。

 
条件付きの愛の中で育てられると、条件付きの愛でしか生きていけない大人になってしまいます。
本当の自分を見せてはならない、好かれるように立ち回らないとならない、嫌われてはいけない、そのために自分を削いで相手を優先する必要がある。
子どもにとって"自分の親"は、常にそばにいる味方で安全で安心できる存在でなければいけません。
"等身大の受容"、失敗や間違いまで含めて向き合い、全部を愛するというものを、親から与えてもらえなかった。
そのような経験を学んだ子どもは、やがて「そうしないと愛されないんだ」というところから「嫌われないためにそうしないと」という振る舞いをし始めます。
なぜなら、条件付きの愛しか知らない、または無償の愛(無条件の愛)を知らないからです。

 

 

 

 

何かをしないと愛してもらえない、好きでいてもらえないような”わかりやすくて表面的なもの”でしか、好意を実感できなくなるのです。
親からそのような愛され方を与えられなかった、親に自分の欠点まで愛してもらえなかった子どもは自分で自分を受け入れられなくなり、自己肯定感や自信、自己肯定感、社会的な適応力やIQまでもが低くなってしまうのです。
IQに至ってはきちんとした生活が維持されているのにもかかわらず、そのように否定され続けることで影響が出るようです。
何かをなせたから褒める、間違ったことをしたから否定する。そういった接し方は、虐待のつもりがなくとも子どもの脳を物理的に痛めつけ、こころを傷つけ、社会生活への不自由さを招くのです。
特に幼少期には、強く影響を受けます。自分の力で生きていくことができない子どもにとって、親の言葉や振る舞いが"すべて"になるからです。

 

親にありのままを受け入れてもらえなかった子どもは、自分を受け入れられなくなる。親から愛されて育った子どもは、自分を受け入れられるようになる。

子どもが自分自身を大切にできない状態に育つのもまた親の影響であり、こころが健全に発育されず情緒、感情、情操面で本人が生きづらさを感じるようになるのもまた親の影響です。

そして「自分は愛されるような存在じゃない」「自分には価値が無い」「自分らしさや自分の意見がわからない」といった思考になりやすいのも、親の影響です。

親側がきちんと我が子を受け入れ見守り、正しい愛情をもってサポートができていれば、子どもの内面の歪みの発生は回避することが可能です。

子どもの希望や夢や、生きる気力を壊して殺すのは、親の愛情や教育がその原因です。親による子育ての仕方次第で、子どもは自ら自身の成長と可能性を閉ざし、停滞していく保守的な生き方を選ぶようになります。

 

 

正しく愛されることが無かった、条件付きの愛情しか学べなかった。そうすると「何かを成し遂げられなければ愛してもらえない」という学習をします。

"(親にとって都合の)いい子"は、周りに嫌われないように、自分の心身を削いでまで相手の顔色をうかがい、相手を優先することを無意識領域に植え付けられ、歪みとして癖付けられます。

"自分"というものを持つことが難しくなり、周囲の評価が判断基準となって、精神的に不安定にもなりやすく、打たれ弱くもなる。

世の中の多くの人が「愛」というものを軽視しすぎているように感じます。きちんとした愛情をもって子どもを育てていかなければ、それは荒んだ人が多く生まれるのも当然の結果です。

あとから空いた穴を埋め、そのぶんを取り返すこともできますが、幼い頃に求めたものを完全に獲得することはほぼ不可能と言っていいでしょう。

親側も、当事者の子ども側も、本当に、自覚をして改めてほしいものです。