コラムニストの尾藤克之です。
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ビジネスシーンでは、「仕事が速い」という表現を使うことがあります。仕事のクオリティも大切ですが、それ以上に評価されるポイントがスピードです。「仕事が速い」=「仕事の効率がよい」という評価につながるため、「仕事がデキる人」と思われやすいのです。
一方で、「仕事が遅い人」もいます。根本的な仕事の段取りを知らないからです。
「仕事が早く終わる人、いつまでも終わらない人の習慣」(吉田幸弘著)あさ出版
■仕事の段取りとはなんなのか?
ここであるケースを設定します。
あなたは大手通信系企業S社の社長秘書です。S社は業界でも5本の指に数えられる大企業。7月のある日、社長に呼び出されました。
「A総理を表敬訪問したいのだが第一秘書のN氏に面会依頼の連絡してくれ」
「先日、パーティーで名刺交換をしたんだ」
と名刺を渡されました。
あなたは、N氏にどのように連絡しますか――。
多くの人が、A総理と会いたがっているなかで、たった1回しか名刺を交換したことがないN氏に連絡するには、それなりの理由が必要になります。通常のアポイントであれば、スルーでしょう。スルーされるくらいなら連絡すること自体に意味がありません。さて、どうしましょう。
私なら、相手が「イエス」と言うしかない提案を用意すると思います。
「A総理の後援会に寄付をする」
「政策実現のための投資をする」
などが考えられます。
選挙が近いようであれば、「国内の雇用を増やすために出資をする」などがメッセージになるかもしれません。このメッセージがうまく伝われば、アポイントにつながることは難しくないはずです。
もちろん、何の見返りもなく出資をするわけではありません。通信インフラの整備や規制緩和に関する話などを持ちかければ、チャンスが巡ってくることが予想できます。要はアポイントの前に勝負をつけてしまえばいいのです。
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