寝る前にお酒を嗜む人がいます。少量のお酒は「ナイトキャップ」と呼ばれ、とても気持ちよく寝付ける、という人も多いと思います。ところが飲みすぎると眠りの質を低下させます。夜中に目が覚め、なかなか寝付けなくなります。これを中途覚醒と言います。
熟睡できませんから疲れも抜けません。お酒は決して睡眠の一助にはならないのです。むしろ邪魔をしていると言ってよいでしょう。
私が研修会社に所属しているとき、起床時間を研修開始の4時間前に設定していました。そのことは受講者にも通知していました。10時開始なら6時起床です。
この会社は世界50カ国で展開するグローバル企業で、行動心理学をベースにプログラムが考えられていました。脳が活性化しているときに、正しい情報を入れることで学びが深くなるという考え方です。
脳が活性化していないと、どんな情報を入れても無理が生じます。「やればできる」と精神論を強いても意味がありません。また、成果を挙げる人に睡眠不足の人はいません。睡眠を管理することは能力なのです。
仕事を先延ばしにすることは「禁煙」できないことに似ていると思います。今日から禁煙しよう!と思っても、周りに喫煙者がいると「一本もらっていい?」ともらいタバコをして「明日から禁煙しよう」と先延ばしにしてしまいます。禁煙を成功させるためには、タバコの持つ悪影響を繰り返し刷り込まなくてはいけません。
①喫煙により肺がんなどの疾病リスクがアップする → だから止めよう!
②タバコを吸わなくなればその分の経費を浮かすことができる → だから止めよう!
③社会の中でタバコが吸えない環境が整いつつある → だから止めよう!
皆さんに先延ばしのクセがあるなら、これと同じように、先延ばしによる悪影響をリストアップして刷り込むようにしてください。影響を可視化すれば先延ばしはなくなるはずです。
<先延ばしをやめるメリット>
○先延ばしをしなければ空いた時間を有効に活用できる
○先延ばしをしなければ外部の勉強会にも参加できる
○先延ばしをしなければ恋人に会う回数を増やすことができる
<先延ばしによるデメリット>
○先伸ばしをすることで仕事全体の負荷が掛かってしまう
○先延ばしをすることでモチベーションが低下する
○先延ばしをすることで出世できなくなる
どうでしょう。やっぱり先延ばしはよくないのです。
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尾藤克之(BITO Katsuyuki)
コラムニスト、明治大学客員研究員
16冊目の著書。「頭がいい人の読書術」(すばる舎)を上梓しました。