穏やか緑園の「横浜ネット倉庫」 -61ページ目

<馬車道の不思議少年・翔>5

男は少年のタブレットにさらに顔を近づけ、
おもちゃの販売サイトになお興味がある態度を示した。

「写真や文字を大きくするとかカラフルにするとか、
そんな工夫は出来ると思うけど、
お母さんが見てくれないのはどうしようもないね。」
男はごく普通の思いを伝えた。

しかし少年からはまたも予想外の言葉が返ってきた。
「そんなことはないよ。お母さんはスマホをいつも見ているから、
僕がおもちゃを選ぶとそれをスマホに送ってくれるといい。」


「そんなことが出来るかな。」
と、言葉を返すのが男にはやっとだった。

「買い物かごにおもちゃを入れると、
今は“注文する”か“さらに選ぶ”かのボタンを押すけれど、
“スマホに送る”というボタンを一つ足せばいい。」

「なるほどそれで・・・」

「僕がおもちゃを選んでから、“スマホに送る”を押すと、

ママのスマホにメールが送られるしくみにする。
サイトは共通なので買い物かごも共通になる。
そこでママはそれからスマホで注文に入ることが出来る。
選んだものが良くなければそのままにすればいい。」

少年の流暢で専門的な説明に男は目を丸くした。
いつのまにか不思議な世界の中に引きずり込まれていた。

(記 原田修二)

■続きは12/15 <馬車道の不思議少年・翔>6