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監督ブログ  wecker

「時空警察ヴェッカー」シリーズの原作・監督 畑澤和也の個人ブログです。
現在中国広東省で活動中

今年の所信表明?として、「中国でもやりたい事をやる!」というのがあったんですが、昨日その手始め?に、(これは日本企業からの依頼ではありますが)久しぶりに10代の少女たちとお仕事して来ました。



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前に書いた通り、中国本土の高校生の制服は基本ジャージ(T_T)なんですが、「コスプレ」として中国の高校生たちも楽しんでます。


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80人(!)の中から選んだ10人の少女たちに制服を着てもらい撮影してきました!

みんな芸能人ではなく、いわゆるフツーの子なんですが、仕事モードでオーディションして、普通に日本でアイドルとしてデビューできるぐらいのレヴェルではあると思います(よね?)。


みんな日本好きなので、少し日本語も話せます。


僕はいまだに殆ど中国語を話せないんですが、この年頃の子たちとは何故か話しやすい(笑)。


やはり女子高生は戦わないと!(笑)(笑)


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中国にいて、みんな中国人なのに、なんか「帰って来た」感じがしました。


中国へ来て以来、ずっとCGの3Dの子たちと向き合ってきた訳だけど、やっぱり生3Dはいいなぁ(笑)と実感。


まだ詳しく書けませんが、これらは近日、日本で公開されるコンテンツになりますので、詳しく紹介できるようになったらまた書きます。


これをきっかけに、もっと中国でもこういう仕事を増やしていきたいですねーっ!


人間はどこへ行っても、基本的には変わらない。

フランスでも、何かこういうもの?を探して来よう!




前々回の記事に書いたフランスのイベント「cartoonist」のオープニングアニメを作らせてもらいました。

これはフランスで作成されたキャラクターデザイン、画コンテをもとに日本で原画、レイアウトを担当し、中国で作画、仕上げをしたものです。


とても短いものですが、仏・日・中合作アニメです。

しかも2D手描きアニメです!


原画及び作画監督はアニメアールの谷口守泰氏が担当しています。

荒木伸吾風キャラを谷口氏が動かす…だけでも、かなり凄い事(じゃないですか?)!!


現在公式HPで公開されています。

www.cartoonist.fr


アクセス出来る方はぜひご覧ください!

僕の中国での友人(中国人・女性・20代)が2週間ほど日本旅行に行って(来て)いました。

帰国後、久しぶりに会って聞いたイイお話。


日本語が堪能で日本好きの彼女が、高松(!)から北上して茨城まで行く計画を立て、一人旅に出ました。

大阪で迷っていたところ、「どこをお探しですか?」と聞いてくれた女性がいたとか。お互い最初は英語を話していたそうですが、携帯電話の表示を見て中国人と判明。実は彼女は香港人だったそうです。

意気投合した二人はそのまま旅は道連れ…

奈良についた彼女は今度はホテル内で女性に声をかけられ、その人は日本人だったそうですが、とても親切にしてくれたそうです。

東京の言葉と実はかなり違う関西弁に日本語の深さを感じたとか。

そして東京についた彼女は、今度は台湾の女性と知り合い、やはり仲良くなったとか(ここで彼女はやっと母国語で話す人と知り合った訳です)。


日本国内で2週間のうちに未だそれぞれが独立国だと思っている香港、台湾、そして中国の同年代の女性が出会い、仲良くなったという話が、とても素敵だなと思いました。


僕らの年代、まして男同士はなかなかすぐには仲良くなれないのに(;^_^Aね。


彼女らを中国人と知って、とても親切にしてくれたという日本(関西)の女性にも感謝です。


さらに続きがあり、見知らぬ3人が相部屋になるホテルに宿泊した時、親切にしてくれたおばさんが、彼女が中国人と知るや豹変。大陸の連中は許さん!と、さんざんなじられて反省しろと怒られたとか。

何時間も話して、最後にはもとの優しいおばさんに戻ったそうです。


これはその彼女自身の人徳でもあると思うのですが、分裂してしまった中国三国も、日本も、個人どうしでは仲良くなれるという事。

そしてある思想にとりつかれた人(中国にもいます。一部ですが)とも話し合えば理解し合える、という事。


…それを彼女は2週間で経験してきた訳ですね。


彼女の旅路のレポートは7000人もの人(中国人)にツィートされ、その誰もが日本へ行きたい、行ってみたいと言っているようです。


僕にしても、今日も中国の人たちの中で一日仕事していた訳ですが、未だに3%も言葉はわからずも、心は120%理解出来る瞬間があります。

 

中国人に限らずですが、日本に来た外国人はたぶん日本人(が海外に出る)よりずっと苦労して海外へ、あこがれの日本へ来ているのです。

困っている様子があったら声をかけてあげてください。


斯く言うわが母上も、同じ頃道に迷う中国人を(当然まったく言葉は通じない筈ですが)案内してあげたそうです。

息子が中国でお世話になっているから、という一心で、だという事でしたが、この人も昔は大陸、半島共に大嫌い(怖い)と言ってた(年代の)人です。


ちょっとイイ話だと思いませんか?





ちょっとお久し振りです。


この1週間はずっと劇場用アニメの仕上げに集中していました。


前に何度か書いていた、中国で昨年製作、放送したテレビアニメを劇場用に再編集して日本で公開するためです。


日本での公開は9月を予定しています。


これに先駆け、またまた(!?)フランスで先行上映する事になりました。


12年前、出来たばかりの「時空警察ヴェッカー」を正式招待作品として上映してくださったフランスのイベント「cartoonistカートゥニスト」が10年ぶりに開催される事になり、今回またお声がけ頂いたのです。

12年前、招待された大葉健二さんもまたご一緒できるようで嬉しいです。

気になる人は「cartoonist2013」で検索してみてください。

公式HPでフランス語を喋る畑澤が見れます(笑)よ。


「時空警察ハイペリオン」も4年前、今や世界中で有名になってしまった「japanexpo」で上映されました。


4年ぶりのフランス、「cartooonist」が開催される南フランス・ニースは実に12年ぶりです。


開催は今月(!)の20日、21日。そのために大急ぎで仕上げをしている訳ですね。

「再編集版」のはずのなのに、どんどん新作カットが増え、ついには99、9%新作カットになりました(!!)

これが中国の凄さです。フランスで…それよりなにより日本で上映されるならさらにクオリティを上げたい!と頑張ってくれた結果です。


フランスでは先行上映特別編集版を上映します。

日本ではもちろん全長版を上映します。

ともに日本語吹替版を上映(フランス上映版は字幕入り)します。

日本で公開後、中国でも公開され、後々ヨーロッパでも公開される予定です。


すでにキャストも決定しており、早くお知らせしたいのですが、作品の内容詳細、キャスト名などはフランス公開直後に公開(4月20日)という事なので少々お待ちを。


関係各位の皆様のおかげで、超豪華キャストになりました。

「ヴェッカー」fanの方にも喜んで頂けると思います。


前にも書いたかもですが、中国のオリジナル商業アニメが日本で劇場公開されるのは歴史上初です!


日中間の緊張が高まる今だからこそ、日本での公開を成功させたいです!


まずは4月20日の情報解禁&フランスレポートをお待ちください!!





本読みの間で密かに人気…と思っていたら、いつの間にやらミリオンセラー、コミック化、そしてドラマ化もされ(先日放送終了した)たライトノベル「ビブリア古書堂の事件手帖」


前にココで紹介した「万能鑑定士Q」シリーズあたりから流行り始めた、人が死なない「日常の謎系」と言われるミステリの傑作…という事で、僕も帰国の度に続刊を買って読んでました。


毎回実在する小説を元にそれを巡るミステリ(現実に起こる事件と小説の内容が巧みにリンクしたりしなかったり)なんですが、その中の本の一つが、今回の記事のタイトル、ロバート・F・ヤングの「The Dandelion Girl」和訳名「たんぽぽ娘」です。


80年代にコバルト文庫のロマンチック(笑)SF短編集として出ていたのを僕も当時持っていました(「ビブリア」で扱われるのもこの本)新井素子女史の本と共に実家のどこかにしまってある筈なのですが、最近本屋では見かけず、帰国の度に探してたんですが見つからず…にいます。


「ビブリア」で紹介されていた文章とネット上で拾える情報から記憶の断片をつなぎ合わせてみました。


「44歳の主人公が丘の上で会う10代の少女を好きになるが、彼女は200年以上未来から来ていた。

次にまた会う約束をして分かれるが、彼女は二度と姿を現さない。

実はさらに20年前の24歳の主人公と出会い、結婚する。…つまり今の奥さんがその少女だった…」


超要約するとそういう話だったと思います。劇中の描写にこの時代にはない素材で出来た白いワンピースを着た少女(その服が奥さんがずっと秘密にしていたトランクの中にあった)…というのがあったりして…無意識に僕の中で「ヴェッカー」の原形になっていたんだと感じます。


実際作中「時空警察」も出てくるし、過去に干渉する事でパラドクスは起こるのか?その善悪は?というテーマにも踏み込んでいて…

最近のヴェッカーは便利な多次元論に逃げてますが、この作品が語る「これから起こるいかなることも、すでに起こっていることと同じであると考えられる。だから、未来から来た人が過去の出来事に関わっても、彼は歴史どおりの出来事の一部となる――」という考え方の中にこそ…ドラマは作れると再認識しました。


40代の主人公が妻を大切に思いながら10代の少女に惹かれていく過程、40歳になった少女が、愛する人が10代の自分に恋してしまう事だけを心配している…そんな描写には、自分がその年になって読んでこそリアルに感じられるでしょう。


…こんな(脳内)作業をさせてしまう「ビブリア古書堂」。テレビドラマ版も観てましたが、キャスティングやドラマ自体の出来はさておき(;^_^Aやっぱりこれは文章で…小説として味わうのが最適な物語だと思います。


「ビブリア古書堂の事件手帖」はともかく、「The Dandelion Girl」…いやさ「たんぽぽ娘」もう一度読みたいなぁ。コバルト文庫版で。

そして…映像化したいなぁ(「ビブリア」の方じゃなくて)…と切に思います。