師走というのはただでも忙しいもんですが、1週間も日本にいられないため、いつになく忙しい年末です。
日本にいる時間、1分1秒を無駄にすまいというか…。
反面、中国へ「帰りたい」と思う自分もいる。不思議なもんですね。
帰国してから毎日(今も)『SUPER☆GiRLS』のアルバム聴いてますよ。僕は『夢の引力』が好きです。
レコード大賞楽しみですね。
改めて沙織ちゃん、理奈ちゃん、SUPER☆GiRLSのみんな、おめでとう!
理奈ちゃんはまた大きな舞台の仕事が決まったとか。
心からおめでとう。
ヴェッカーの経験がほんの少しでも役に立てばいいんですが。
俺(たち)の中では二人はずっと明日香輪と麻宮亜里沙だけど、もっともっと大きな世界に羽ばたいてください。
さて今回の本題『人は死なない』は文字通り本の題名。
矢作直樹さんという東大病院の現役臨床医の方がお書きになった本です。
時々、誰かの文章を読んで「お前は俺か?」と思う事ってありません?殆どの場合、「誰もが考えている事を書いてるから」同意してるだけ、が多いんですが。
「あのグループは俺がずっと無名の時から応援してた」とみんなが思っているのと同じ(笑)。
それにしても
この本、頁をめくる度に大きく頷いたり、読み返したり、声に出して読んだり…
「そう。これこそ俺がいつも思ってる事!そして伝えたい事!!」と思える本でした。
というか、いつも思ってても巧く伝えられない事、疑問に思っている事を、明文化されている。
俺の作品に対する富士っこさんの感想文みたい(どういう例え?)です。
小説などの物語ではなく、臨床医らしく、事実に基づく引用を多用して淡々と人の生と死、そして「摂理」なるものに関して淡々と書かれているだけなんですが…
心から感動しました。
生と死が行き交う日常の中で、臨床医が自らの体験を通して思索した「力」と「永遠」、そして人の一生。
…と書くとお医者さんの奮戦記に読めますが、内容は生命の不思議から宇宙の神秘に至る。
超弦理論や11次元の話が実にわかり易く語られたりもする。
…かと思えばスウェーデンボルグやらシルバー・バーチ霊まで出てくる。
ようするに人の死後は?宇宙の果ては?という誰もが一度は思う(そして大人になったら忘れる)疑問についてを、「宗教」とは何かを説明しながら書かれている訳ですが、著者自身は無宗教で無神論者だそう。
そして、わからない事は「わからない」と書いてある(笑)。
アルピニストでもあった著者の方に比べれば、僕の臨死体験なんて可愛いものですが、一応死後の世界を垣間見、1周忌を迎える近親者(父)の死に立ち会った事もあって、最近読んだどんな小説より何倍も感情移入出来ました。
読みながら何度泣いたことか。
前の舞台で「なぜだかわからないが、今こうしなくてはいけないと思って行動している」「それが人間に心ですよ、アルさん!」
という台詞を書きましたが、人間にはそんな時もある。俺はよくある(笑)。
われわれはみんな「摂理」の下で生きているから。
著者は「神は在るか」と問いながら、それを神と呼ばず、「摂理」と呼んでいます。
石ノ森先生が死の直前に著された「絆」という本にも同じ事が書かれていました。
前の記事に書いた「利他」というのもこの本に出てくる言葉。もっと簡単な言葉で同じ意味の言葉も書かれています。「良心」と。
これはいつも作品に込めたいと思う根源的なテーマそのもの…って言っちゃいかんよね(笑)。
そして「知足者富(たるをしるものははとむ」という言葉。
海外で豹変した生活を体験して思い知る言葉です。
芸がないですが、本文をそのまま(やや要約しながら)一部書きます。
「我々には知る力はあるけど、今は何もわからないと知り、虚心坦懐に森羅万象に向き合っていく」
「人はみな理性と直観のバランスをとり、自分が生かされていることを謙虚に自覚し、心に耳を傾け、足るを知り、利他行をし、今を一生懸命生きる」
これで次の舞台の台本は出来たようなもんです。最早「原作」ですよ、この本!
そして「日本人」として。
最も古くから森羅万象に神々が宿ると信じ、アニミズムともスピリチュアリズムとも自然に共生してきた日本人だからこそ、世界に伝えられる事はもっと多いはず。
電化製品や車など小手先の技術(暴言!)で外資を稼げない我が国は、もうそういう精神文化を(多くのヲタク文化に内包される)輸出するしかないぞ!
日本人の「心」を!
ありがとう!矢作先生(知らない人だけど)!!
先生も独身であり、一人で孤独死するだろう自分の最期の時への覚悟というか、むしろ希望を共有できた想いです。
長文になりましたが、こんなもので書ききれるものではない。
…というか、どんな本の推薦文も本当は一言でいい。
「読んでみれ!」
「人は死なない」
死なないのだ!!