2008~2009 ひかり | 監督ブログ  wecker

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「時空警察ヴェッカー」シリーズの原作・監督 畑澤和也の個人ブログです。
現在中国広東省で活動中

いよいよ最後の一日!

慌ただしくはあったが、いつもと変わらない日常が終わる。


この赤裸々回顧録もそろそろ終わる。前回の話は赤裸々過ぎたからか(;^_^A久しぶりにご本人から電話があった。

幸せか?うん!と舞台上で交わされたような短い話をして、今生の別れじゃないからさよならはいわないよ、と。


お互い、時々生存確認をし、元気で幸せならどこにいて何をしててもいい…そんな愛し方もあっていいじゃないか。


2008年、2009年を象徴しているといえば、山口ひかりさん。


「ビットバレット」のオーディションで、はっきり意思を持ったその瞳に惹かれ、主役(の予定だった)の葉月あいを”倒してしまう”役になった。

同じく浅野かや、松山メアリにも何かを感じ、「彼女たちが戦うところを見たくて」作品を作った。


意外にこれが、今客観的に見ても面白い。

…ていうか観ないとソンだと思う。俺の思う「女の子が戦うということ」が詰まっている。

特に山口ひかりVS葉月あいのファイトは観てほしい!


可愛いコスチューム着せてパンツ見せながら意味もなくただ長々とアクションさせているどこかの何かとは(^▽^;)厳然と違う!のである。

このところずっと挑戦的な事ばかり書いているが、このジャンル(特撮ヒロインもの)の凋落の(そして企画が通らなくなった)原因はあの某特撮ヒロイン専門メーカーにある!

と敢えて公言して行こう。


そこの作品に出た子はウチの作品には出さない、というのをオーディションでの決め事にしてるぐらいだ。

まぁ雨宮さんの「戦隊やライダーに出た役者は『牙狼』には使わない」というのもあって…それも厳守されてる訳じゃないけど。


「ビットバレット」での好演から、「時空警察ヴェッカー」のスピンオフであり、初劇場作品『時空警察ハイペリオン』のヒロインとして推薦した。「ヴェッカー」は160㎝以上、とこれも暗黙に決まっていたが、それよりかなりちっこい、でも存在感は誰よりもある…役名は彼女に決める前から三ツ星ひかりだった。


私生活でもライバル関係が続いていたしほの涼との微妙な空気感が、ヴェッカーとペンデルの壁を浮き出させる。(そこまで考えてのキャスティングだった)


映画『ハイぺリオンへの道』はこのブログでも詳しく書いたし、映画の内容に関しては割愛するが、とにかく観てください!

声優人気に便乗した企画である…というのは隠してもいない事実だが、この作品もまた女の子のものであり、静かな女の子同士の戦いをいくつもの対比で見せている。 白いニーナと黒いリィカとかね。


声優さんの底力も伺い知れる作品である。


なんでこれが全然売れなかった(T_T)のか、まったく不思議でならない。


山口ひかりはカメラが向く時間が圧倒的に少なくてもしほの涼に負けない「時空刑事」だったと思う。


迷わず10周年記念の舞台『ヴェッカーサイト』に玲菜の双璧として出てもらう事にした。

事務所は乗り気ではなかったが、本人が直談判してきた事で実現した。


実際「事故」の前日まで彼女はイキイキとリゲルを演じ、公演を心から楽しみにしていた…ように見えた。


…結果としてのドタキャンは立場的に許せる事ではない。

代役を頼んだ賀来千恵さんは堂々と演じているように見えたと思うが、直前までガクガク震えていた。


『ヴェッカーχ』の初日にも栞菜が病欠し、代役を出した。制作側は他劇団から代役を連れて来てくれたが、

うちの子たちは「栞菜の穴はウチらで埋めたい。きっと栞菜は帰ってくる」とみんなで小坂真名美に託した。

初日だから気づかなかったと思うが、小坂が何度もトチり、出遅れ(当たり前だ)たのをみんなでカバーしていた。


いつも一人で走り続けていた(…ように見えた)ひかりちゃんにも、みんなでひとつのものを作る愉しさを…

舞台を知ってもらいたかった…。


いつでも帰っておいで…なんて言わない。


もう一度ちゃんと覚悟を決めたら、今度こそ迷わず、畏れず、人の心を照らす本当の「ひかり」になれ!



次回 最終回(T_T) 思い出がいっぱい


あとでもう一度更新します!