今日、テレビ「富豪刑事」シリーズや「放送禁止」などを手がけられた長江俊和監督に久しぶりにお会いした。
長江監督は、かの「ヴァニーナイツ」最終回(を含む5話)を演出された張本人。
このblogもご覧になっていて…12年ぶりに本音を話したつもり。正直にそれまでの4話&最終話前半までは最高でした!と。
長江監督は(それまでがそうだったように)すべて畑澤さんの意思だと思っていた、と語られた後、「テレビ的に革新的な、話題になる事をやりたかった」とも仰った。
「好きなように」やった結果、と書いたが、当時からしてテレビマンとして既にベテランだった長江監督の事、与えられた条件の中で最良の選択をされたのだろう。
そのシーンが自分的に気に入らなかったからと言って、もう仕事しない!などとは思わなかった。
事実、長江監督とは前回記事の「STARBOWS」でもご一緒し、「ヴェッカーD‐02」ではパイロット版監督もお願いしているし、同話の脚本を担当した近藤氏とは今も中国アニメで共闘している。
「富豪刑事」シリーズというテレビ代表作も持ち、映画監督、そして会社経営者として、そして良きパパとしても「成功」されている長江監督が、こんな昔のこんな「小さなこと」を気にしていたのも意外だった。
これからも機会があればご一緒したい、大好きな監督である。
前置き(?)が長くなったが、いよいよ「ヴェッカー」誕生!の年である。
始まりは2000年から。今も続いている「特撮ヒロイン専門メーカー」さんからお呼びがかかり、ぜひ原作、脚本を、と仰る。監督もお願いしたい、などとも言われた。
「好きなように書いていい」という事だったので、過去、現在、未来の3部作からなる「タイムパトロールもの」の原案を書き、キャラクターデザインも行った(実際に自分ではデザインしていないが)。
しかし、脚本第1稿を書き上げたところで、「デザインだけ頂きます」という事になった。
俺の原案、脚本は「つまらなかった」らしい。実際「面白くない」と言われた。
デザインだけ買い取られ、内容はまったく違うスーパーヒロインものが作られたが、申し訳ないが何が面白いのか…俺の原案・脚本がなぜつまらないのか…がわからない。
かなりショックだった。
そんな中、時空刑事ユリーを演じる事になる天野めぐみさん、同じくリリーを演じる事になる栗羽美来さんを紹介される。
彼女たちと話していて、僕の中で既に動き出していた「タイムパトロール」の物語をどうしても形にしたくなった。
「STARBOWS」撮影終了直前に、同番組のスタッフさんから「監督をやってみなさい」とも言われていた。
「やれるかどうかはわからない、でもやってみる!」がまたまた発動(笑)する。
製作資金もアテもない、発表方法も考えていない。会社(レイアップ)には次のシリーズの「動く企画書」を創りたい!などと言いながら、「なぜか、今、こうしなければ、と思って行動している」(byアル)
3人目の主人公を唯一オーディションをやって土屋美恵子さんに決め…
8年ぶりに渡洋史と再会した事で、『タイムヴェクター』なるいまいち「語力」がないタイトルから『時空刑事ヴェッカー』とした。『宇宙刑事』であり『時空戦士』であった渡洋史への…そして永遠の憧れの東映ヒーローへのリスペクトだった。ヴェッカーとはドイツ語で『目覚まし時計』という意味である。
渡氏と、東映本社に(今にして思うとわざわざ)ご挨拶に行き、企画書を見せて熱く語った。
「お互いがんばりましょう」とスマートに言われた。
一応そのまんまの『時空刑事』というタイトルを、配慮して『時空警察』と改めた。
いくつか前の『電王』の映画で「時間警察」が出て来るが、これはもともと「時空警察」という名だったらいい。
万分の一ぐらいは東映さんに「配慮させ」たのかもしれない。
ほんの少し、東映ヒーロー史の歴史の一部を変えてしまったのかもしれない…とも思っている。
PCからだと文字数制限がない!
中国へ行くまであと4日!更新頻度、内容分量も(たぶん)多くなります。
次回 2001 ロンド&プレリュード&ラプソディ