2000 円谷英二生誕100年記念 | 監督ブログ  wecker

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「時空警察ヴェッカー」シリーズの原作・監督 畑澤和也の個人ブログです。
現在中国広東省で活動中

ミレニアムイヤーを迎え……世界は特に変わらなかった。

手塚治虫が夢見た科学の楽園たる21世紀は訪れず……(携帯電話などの通信環境は異常に進化したが)変わらない日常が淡々と過ぎていく。


「ヴァニーナイツ」で燃え尽きた感があり、日々の業務をこなしていた時、「漆黒のフレイア」でご一緒した東宝のМプロデューサーから「宇宙もの」の作品をやりませんか?とのお誘いが。


なんでも2000年は特撮の神様円谷英二の生誕100年にも当たるらしい。そこで円谷英二と縁の深かったTBSと東宝も記念作品を作りたいとか。

「ウルトラシリーズ」は円谷プロがやる(『ウルトラマンコスモス』)ので、円谷映像とTBS、東宝が組んで、「ウルトラ」ではないSFものを創ろうという事である!


これは大事業だ!と思った。


しかも日本で宇宙SFもの!…これは『さよならジュピター』以来ではないか?テレビシリーズとなると『宇宙からのメッセージ銀河大戦』以来ではないか!?


はりきって「原案」を書いた。

いつかblogでも話題にした『15少女宇宙漂流記 ヴァージニア』というものだった。


大事業にも関わらず、かなり予算は限られていたので(;^_^A、大宇宙戦争ものは無理だろうと。…ならば、遠くの宇宙戦争に向かう話にしよう…と。「修学旅行で太陽系一周に向かう15歳の少女15人が、間違って(ある意思によって)最新鋭宇宙戦艦ヴァージニアに乗り込んでしまう…それが少女たちの意思とは関係なく宇宙戦争の只中に向かう…」という物語だった。


『ロゼッタ』『ヴァニーナイツ』に続く「少女もの」にしようと考えていた訳だ。


しかし「これもいいですけど…」とこの企画は軽くいなされ(笑)

後に『STARBOWS』と名付けられる『銀河帝国』なる企画書が既に出来上がっていた。

明確な企画意図として海外ドラマ『宇宙船レッドドワーフ号』風の…というのがあった。


『レッドドワーフ号』は自分も大好きで、楽しんで観ていたが「日本で?」「コメディー?」…とますますハードルが上がった気がした。


かくして僕は初めて(!)「原案」を書かず、プロデューサーのひとりとして作品に参加する事になる。

前回書いたアニメ企画が凍結されたため、「代わりに」という訳でもないが、大河原邦男氏にすべてのメカデザインをお願いした。


大河原さんはむしろ「実写なら!」と大喜びしてやってくださった。

大河原メカが実写(CGと着ぐるみ)で登場したテレビシリーズは後にも先にもこれだけじゃなかろうか?


キャスティングでは当時まったく無名だった(本名で活動していた)ベッキーを猛推薦した。当時15,6歳だったベッキーはホントに天使のように可愛かったが、性格はそのまま…というか、皆さんがテレビで見て知っている通りだった。いつも喋っていて、喋るのをやめたら死にそうだった(笑)。いつも明るく、楽しく、そして気配りも出来…僕もいちばん遊んでもらった。

そして何より演技が「天才的」だった。

今も…あまり演技の方のお仕事を主にされていないのが惜しくてならない。


原史奈さん、そして森久保祥太郎氏にお会いしたのもこの時が初めてである。森久保さんは当時TBSの「魔術師オーフェン」を終えたばかりで、「おはスタ」の怪人ゾナーとしても大人気だった。


お二人には主題歌も担当して頂き、(なぜか)「カプコン」からCDが発売された。



作品の内容に関しては次回にて!



次回 2000  銀河帝国の滅亡