テレビ局内にはでかい看板が吊るされ、盛大な制作発表をし『千年王国三銃士ヴァニーナイツ』の制作が始まった。
N氏は多忙な方で作品上の総ての決定権を畑澤に委ねられる事になる。
会社員としてもカードゲーム『カオスギア』『アクエリアンエイジ』等で超多忙な頃…
こうなってくると(苦笑)犠牲にするのは私生活しかなく、この頃「結婚しようか」と思ってた人と別れる事に(T_T)。
ヴァニーナイツとは、1000年毎に甦る魔族「アモルゴア」から地球を護る…ヒーローではなく、「アレストホルン」と呼ばれる「ご主人さま」を護る騎士だった。
そのご主人さまの転生が頼りないヲタ青年で、主人公ありすはメイド(はこの頃まだブームになってなかった)として彼の家に押し掛け、あきら、あいりという美少女もそれぞれの理由で同居する事になる。…しかも実妹も美少女!…という…
ありす達「ヴァニー・ナイト」は常にご主人さまを護る事を第一義に考えて行動する。
それはご主人さまへの(宿命に義務付けられた「忠義」なのか。
それとも…
『宿命の戦い運命の恋愛』がテーマでした。
この頼りないヲタ青年を「グレチキ」の渡辺慶くんが、可愛く、楽しく演じてくれたお陰で、現場のの空気も作品のムードも明るかった。
…前半はね(笑)
ヒロイン三人を演じた栗林みえさん(N氏からの推薦)益子梨恵さん、永井流奈さん(共にオーディション。オーディションには釈由美子さんも来ていた)
それぞれ個性的で、半年間毎日の様に行われるハードな撮影を笑顔で乗り切った。
でも、『ロゼッタ』の頃程、僕は現場に顔を出して口を出す事が出来なかった。
あまり現場での思い出が鮮明ではないのはその為か
専らN氏と脚本家緒先生による脚本開発に終始していた。
脚本は前川淳さん、吉田玲子さんといったアニメ界のオーソリティーが中心となり、今や映画界の大脚本家となられた羽原大介氏も参加されていた。
本作で人気声優の堀江由衣さんも顔だしデビューしている。主題歌は林原めぐみさんが、僕が出したキーワードを拾って作詞、歌唱してくださった。
「アニメ」と「実写」の垣根を越える作品を創りたかったのだろう(…というかのだ)
人の話を聞かず、緒先輩に対して「我」を通し続けていたし、わがままを言い続けた。
今さらながら当時の監督はじめスタッフの方々、すみませんでした!
次回
1999 「好きです」