円谷映像さんからの依頼…
それは、当時放送開始直前の『デビルサマナー』の後枠が決まっていないので何かないか?…というものだった。
その瞬間、「平山メモ」にあった『仮面天使』を思いつく。『仮面天使』は『仮面ライダー』に至るまでの企画のひとつで、ハードなピカレスクヒーローものだった。深夜放送だし、当時ティム・バートン&マイケル・キートンの『バットマン』に心酔してたので、深夜のピカレスクヒーローとして『仮面天使』を(勿論師匠の許可を得て)提出した。
…だがしかし、主役はアイドルの女の子がいい…らしい。
『デビルサマナー』が男主役のため(なのか?)苦戦しているからだそうな。
…だったら主人公に娘がいる事にしよう…で、ロビンのように一緒に戦う事に。
かくして「親娘ヒーロー」という、かつてないヒーローが誕生する。
『バットマン&キャットウーマン』そっくりで真っ黒だったヒーロー&ヒロインデザインは“エジプト“の意匠を得て、白と金を基本とし、精密なディテールを持つまったく新しいヒーロー『神仮面ファラオン』と『仮面天使ロゼッタ』となった。
一応企画が通り、ホッとしていると、そのまま映像制作にも参加して欲しいと!
しかも番組の企画プロデューサーとして!
まだ30歳そこそこの若輩で、自主映画に明け暮れたとはいえ、プロの映像制作に関わった事もない。
最近いきなり中国からアニメ番組の「総監督」をやって欲しいと言われたが、あの時に似ているかも。
あの時、この後の局面で何度も使う「やれるかどうかではない。やるのだ!」をはじめて発動させた。
…とはいえその頃レイアップでも企画開発部企画第1課課長…という肩書きにもなっていたので「本業」もとてつもなく忙しい。
もはや片手間では出来ない。
ならばどっちも「本業」にすればいい。
かくしてレイアップの社長を口説き、レイアップごと制作に参加させる事にする。
強引かつ割と合理的…?
問題?は放送開始まであと3ヶ月もない!という事である。
俄映像プロデューサーになった畑澤は、平山師匠に「プロデューサーは何をすればいいのか?」と尋ねると「なにもかもだよ」と言われ「俺も手伝ってやるから」と、平山亨を『監修』に迎え…
なにもかもやる(やり過ぎる)畑澤のプロデューサー生活が始まる。
間に合うのか!?実際!
次回
1998 わたし神あすか