コンピュータに天使は宿る | 監督ブログ  wecker

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「時空警察ヴェッカー」シリーズの原作・監督 畑澤和也の個人ブログです。
現在中国広東省で活動中

…という訳で「超人機メタルダー」20数年ぶりに再見しました。

という訳ってどういう訳?というと、今日やっと時間が取れて、剣流星役の妹尾洸さん(現:妹尾青洸さん)と、やっとゆっくりお話出来たんです。

前にはじめて会って、その後、電話で少し話すぐらいしかなかったんですが、「そのうちゆっくり話しましょう」と言っててもう3カ月近く経っちゃってた訳です。


…で、今回はちょっと「メタルダー」の予習…というか復習しておこうと思ったんですね。

シリーズ前半の方が評価が高い「メタルダー」ですが、自分的には何故か「最終回が観たい!」と強烈に思い、DVD最終巻だけ買いました。


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そして、一気に観ました!

当時、もう何回(本放送のビデオを)観たか解らないぐらい観たからか、殆どのセリフ、シーンを覚えてましたね。

そして、今観ても、本当に面白い!!

バルスキー(ジャケット真ん中の工事現場の人みたいなの)が死ぬシーン、そしてラストシーンは今観ても「こみ上げてくる」ものがあります。

「メタルダー、俺もお前のように生きたかった…お前は誰にも命令されず、俺たちの分まで生き抜いてくれ」と自爆するバルスキー。

自分に内蔵されたシステムが地球を破壊してしまう事を知り、親友、北八荒にそれを破壊してくれ、と頼むメタルダー。

システムを破壊されるとメタルダーは…「超人機としても能力を失い、剣流星の姿にも戻れない……ただの…ロボットになる」

1年(シリーズ)をかけて人間に近づこうとし、人間そのものにまで「成長」した剣流星が、「ただの…ロボットになる」…それは剣流星の死を意味していた。
「そんな事は出来ない!」と断る八荒に、「頼む!「そうしなければ…僕は何のために生まれてきたんだ!?」震える声で哀願するメタルダー。そしてそれこそが、「友情の証だ!」と言う。

否応なく盛り上がる音楽!

芝居、演出、音楽…すべてがこの哀しいヒーローの最期を静かに、気高く、盛り上げていく!

そしてラストシーン。八荒の夢の中なのか、メタルダーが現れ、”剣流星の声で”「ありがとう。いつまでも僕は君たちを見守っているよ」と言って消えるメタルダー。

メタルダーの(変身後の)声は剣流星(妹尾さん)ではなく別の声優がアテていたんです。

そのシーンに…

「地球のみなさん、お元気ですか?私は旅人、銀河の旅人…(中略)…今の地球は平和ですか?あの人この人、幸せですか?」

という女声ボーカルの挿入歌が流れる。当時はちょっと場違いな曲(詩)だなぁと思ってたんですが、今なら解ります。

「大戦中に作られた」という当時から「ウソだろ!?」という設定のメタルダーは、実は躯に過ぎなかったロボットに、善意の宇宙生命体が宿ったモノなのです。メタルダーの動力であるオーバーテクノロジーも「かれら」によってもたらされたもの。

そして、地球の危機を救った後、「ただのロボットになった(戻った)」メタルダーの身体から離れ、宇宙へ帰って行ったんです。

EDテーマでも歌ってます。「コンピュータに天使は宿る」と。もちろん、悪意の宇宙生命体が宿ったのがゴッドネロスだったんでしょうね。

以上、完全に「俺設定」でした。信じないでください。


珍しく、作品解説を長々とやってしまいました。

「超人機メタルダー」と、これに続く「世界忍者戦ジライヤ」はこの時期の東映ヒーローが生み出した奇跡の作品だったと…今では思います。



ああ!肝心の妹尾さんとの話が書けなかった!!(5時間も話したのに!!)

妹尾洸(青洸)さんは剣流星とは全く別人(当たり前だ!)ですが、久しくお会いしてなかった、本当にいい友達になれそうな役者さんです。

そして、今もどこかに剣流星は妹尾さんに宿ってる…そんな気にもさせてくれる…「正義と友情の人」ですよ。


今の妹尾さんのお写真や、お話の内容などはまた次回(引っ張る話か!?)…て事で。